読書感想文」カテゴリーアーカイブ

日本人の知らない日本語

前々から存在は知っていて、書店でチラチラと見ていたのだが買っていなかった「日本人の知らない日本語」を購入。読んでみた

日本人の知らない日本語
蛇蔵&海野凪子
メディアファクトリー
売り上げランキング: 39

本書の原案を書いているのは日本語学校の先生である。
日本にやってくる様々な国からの人たちに対して日本語を教えている中で発生する日本語に対しての質問や誤解をコミカルに描いた作品で、読んでいて勉強になるというよりは素直に面白い。

本書の中で指摘しているとおり、日本人が普段使っている日本語に関しても、間違っている使い方は多い。ただ、こういうことはずいぶんと前から言われ続けていることだ。
それでも、正しい日本語が培われないのは通じてしまっているし、それで良しとしてしまっているからだろう。間違ったことをどこからか覚えてきて、それをあたかも正しいマナーであるかのように話をする人までいるのでどちらか分からなくなってしまう時もある。
先日も「”お疲れ様”を上司に使うのは間違いだー!最近の若い子は使い方が駄目ね」なんて言い出すお局様まで出てきて反応に困ってしまった。

使い方に関する話と同じくらい面白いのが語源だ。
語源なんて実はいい加減なもので、「昔の人がこう決めたからこうなっている」なんてことがやっぱり多いみたいだ。まぁ、そもそも象形文字でもない限りただの記号なんだからそんなものと言ってしまえばそんなものなんだろう。
ただ、これらを知っているとちょっとした雑学王みたいな気分になれて気持ちいい。先日も、名前に関する話でとても面白い記事を見かけた

日子という女性名が無い理由を外国人に説明できない?
http://kousyoublog.jp/?eid=2351

言葉ってのは奥が深いですね。
少なくとも、部下に誤った指摘をすることがないように注意しよう。

戦う組織

和民社長である渡邉美樹氏著「戦う組織」の作り方を読んだ

「戦う組織」の作り方 (PHPビジネス新書)
渡邉 美樹
PHP研究所
売り上げランキング: 710

テレビでもその働きぶりがよく取材の対象になる渡邉社長の考え方が見える一冊であった。

仮説と検証の繰り返し

読んでみれば読んでみるほど、著者の行動は”仮説と検証”の繰り返しであることがうかがえる。PDCAのサイクルが重要なんていうことはわかってはいるんだけど、仕事の一部で出来ていても仕事全体。実生活においてこれができている人はどれだけいるのだろうか。
特に、人を育てるうえでも仮説を立て、ノートをとり、それを検証している

私は、「彼は○○がウィークポイントだから、こういう経験をさせる必要がある。もしその課題を乗り越えられたら、将来リーダーになれる可能性がある」というように仮説を立てて、ノートにメモをとるようにしていた。
面接のときだけではない。部下をプロジェクトリーダーに起用する時などでも、その人間の現時点での実力やどこまで頑張れそうかといったことについて仮説を立てるようにしてきた。
もちろん仮説だから、あたることもあれば外れることもある。仮説が外れたときには、なぜ外れたのかを検証する。

人を見るうえで、将来を予測したり計画したりするにはする。ただ、自分は果してどこまで真剣に考えているのだろうか?そう考えると、正直申し訳ない気分にもなる。
“自分には人を見る目がある”とは思っていないにもかかわらず、”見る目を養う”ための行動をとっていない。これでは、”見る目のある男”には程遠いじゃないか。

というわけで、さっそく人に対して仮説・検証を行うための専用のノートを購入した。これをつけて、仮説・検証を繰り返していきたいと思う。

戦う組織とは

組織に対する理念をどれだけ掲げることができるのか。
本書で著者は和民の理念として「地球上で一番ありがとうを集めるグループになろう」としている。理念に合う人は残り、合わない人は去っていく。たとえ頭がよく実力があったとしても、理念に沿わない人間がいづらい空間を作ってしまっているわけだ。

そこには「子供たちのために教育に打ち込む教師の姿」ではなく、「給料をもらうために学校に来ている大人の姿」だけがあったのだ

ガビーン(死語)

ちょっとこの言葉はショックだった。自分はもちろんのこと、自分のチームメンバーはそうなっていないだろうか。ちゃんとやりがいのある仕事ができているだろうか。
言うのは簡単でも、実際にやるのはなかなかに難しい。特に組織の中の一組織とあってはなおさらだ。上からも下からも矢が飛んでくる毎日。
その中でどれだけ自分は「戦う組織」を作ることができるのだろうか。

渡邉社長も最終的には

リーダーたる者、常に一番の勝負どころに立ち続けなければならない。
それができない人間は、リーダーとして失格だと思う

としている。
仮説と検証を繰り返しながら、戦っていくことにしよう

最近読んだ本

チルドレン (講談社文庫)
伊坂 幸太郎
講談社
売り上げランキング: 4581

死神の精度 (文春文庫)
死神の精度 (文春文庫)

posted with amazlet at 09.07.15
伊坂 幸太郎
文藝春秋
売り上げランキング: 470

友人からずいぶん前に借りた本にようやく手をつけられるようになった。ここのところ、厚みがそこそこで文字の小さい頭を使う本ばかり読んでいたので、変な言い方かもしれませんが楽に読むことができました。
両方とも話の構成は似ていて、細かい短編の集まりでありながら登場人物がつながっているというものでした。
正直、チルドレンは”できすぎじゃない?”って印象を抱いた。
死神の精度はそういう意味ではなかなかおもしろかった。主人公である死神の趣向も面白いが、最終的に行うその”判断”は、物語の結末をハッピーエンドで終わらせたがる傾向のある私の予想をたびたび裏切ってくれたのが特によかった。
あと数冊残っているのでこの勢いで読み進めよう!

イノベーションのジレンマ

クレイトン・クリステンセン著。「イノベーションのジレンマ」を読んだ

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
クレイトン・クリステンセン 玉田 俊平太
翔泳社
売り上げランキング: 2368

書店でタイトルが気になって購入。どちらかというとジャケ買い以外の何物でもなかったのだけど、私の中でかなりヒットした。

イノベーション

イノベーションをWikipediaで見てみると次のようになっている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
新しい技術の発明だけではなく、新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革である。つまり、それまでのモノ、仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことを指す。

私が”イノベーション”と聞いてぱっと思いつくのは「革新的な新技術」だった。

本書ではイノベーションを「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」に分類している。「持続的イノベーション」はその名の通り、既存の技術に対しての性能アップのような技術革新である。
「破壊的イノベーション」はこれまでその製品に対しての優越を決定していた指標とは異なる点に対してアプローチをしている内容で、実際のところ技術的に新しいとは限らない。

そう考えてみると、イノベーションは”考え方次第”ってことなんだな。

優良企業が優良企業であるがゆえに陥る話

別に優良企業に限った話ではないのだろうが、企業は常に利益を求めている。株主や市場。はたまた自社の従業員に至るまでそれを求めている。
それに応えるためにはより大きな市場。大きな利益をもたらす市場へと進出していかなければならず、その結果本書でいうところの「破壊的イノベーション」の実現をすることができなくなる。
なぜならば、破壊的イノベーションはその性質上、初期の段階では大きな利益を生む可能性が低く、大きくなった企業にとっての魅力は薄れてしまうからである。

ソフトウェア業界に関しても考えてみるとばっちり当てはまるような気がする。
システムを立ち上げて、最初は小さい企業に導入する。最初はバグやらなんやらで手こずるが、こなれてくると同規模の企業に多く入れ始める。システムの導入に関して言うと、無尽蔵に増やすことができないのでより大きい利益率を確保できる中規模の企業に導入し始める。別のシステム会社が小規模の企業に進出してもより利益率の高い企業に導入を始めているので痛くも痒くもない。
これを繰り返して、最終的には・・・

うわぁっぁぁぁっぁぁっぁあl

見える!見えるぞ!!!

なんだか人ごとじゃなくなってきた感じがある

じゃ、どうするのか

すべての解決策ではないのだろうが、本書では一つの解決策を提示している。
だが、実は本書には続編となる「イノベーションへの解」がある。こちらを読んでから考えることにしよう

ダーリンは外国人 with Baby

時期的にちょうどいいかな?って買ってみた!

ダーリンは外国人 with BABY
小栗左多里&トニー・ラズロ
メディアファクトリー
売り上げランキング: 2045

ダーリンは外国人シリーズは最初のだけ読んでいるんだけど、文化や考え方の違いがコミカルに描かれていて結構好き。
今回のお話は出産から子供が1歳までのお話。うちの子もようやく2か月が過ぎたので共感する部分、そしてこれから味わうであろう部分。それぞれ楽しめる内容だった。あぁ!これってうちの子だけじゃないんだ!ってところが何箇所かあった。ニヒルに笑うのは共通なんですね。あれ、最初見たときはちょっとびっくりしました。

本書では第1弾では特になかったトニーのコラムが多い。トニー。やっぱり色々と考えているな。うん。
子供の教育に関してはまだ我が家でもこれから話し合っていかないといけないところ。
私は結局、塾には一度も通う事がなくここまで来ている。塾に通いたいと思ったことはないし、通わせたいとも思ってはいないけど、だんだん子供が大きくなっていく中で考えは変わるのだろうか?勉強の大切さは30を過ぎてようやく気がついたような感じだ。でもそれでもまだ遅くはないと思っている。

今思うと私が小さいときには色々な所に連れて行ってもらった気がする。そんなに記憶力がいいわけでもなく、そして乗り気で行ったというよりは連れてかれたという感じだったのであまり記憶には残っていないが、親父があちこちに連れて回った気持がわかる。
色々な事を見て、触って、経験していってほしい。

やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている

先日の「結局”仕組み”を作った人が勝っている」の著者二人が送る第二弾。「やっぱり”仕組み”を作った人が勝っている」を読んだ

やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている (光文社ペーパーバックスBusiness)
荒濱 一 高橋 学
光文社
売り上げランキング: 19034

前作に引き続き、内容の骨格は成功者たちによるケーススタディになる。
ただ、著者も前作と同じようにただひたすらにケースを紹介しているわけじゃない。今回はインタビューした成功者たちの本の主題である”仕組み”が何のための仕組みなのか。何を重視した”仕組み”なのかに関して9つのポイントを上げている。

  1. 複製
  2. 他力
  3. 多面
  4. 継続
  5. 分身
  6. 標準
  7. 法則
  8. 即効
  9. 論理

以上の9つのポイント。これらに関しての事例をあげることでその有効性を説いている。
本書で紹介されている成功談。これらは前作と同様、おいそれとまねできるものではないし、ましてや同じことをしたとしてもすでにこれらのマーケットでは彼らに勝つことはできないだろう。
その意味で考えても、9つのポイントをもってどう生かすのかが本書を生かすポイントになるのだが…よくよく考えてみると、これらの仕組みはそれほど特別でないように感じる。これらは結局のところいわゆる”仕事術”に通じる内容なのだ。

仕事術とこれらの仕組み

では何がその辺の仕事術と違うのか。
著者の両氏が、この取材対象として選んでいるのはいずれも企業家(投資家もいたが)であり、その誰もが”ほぼ全自動で収入を得られる仕組み”を手にしている人ばかりである。つまり、ここでは世間に出回っている”仕事術”とは一線を引きたかったのではないだろうか。
この事に関してはPart1で

いかにしてこの「仕組み」を作り上げ、いわゆる「ラットレース」(ハムスターが回し車の中を走り続けているような状態)から脱出するか(P.23)

としている。
題名にもある著者が言うところの”勝っている”とはそういう状態なのか。幸せや平和の定義を挙げだすときりがないのだろうけど、ここまでインタビュー対象を選んでいるのだからそういう考えを持っているだと思う。
まぁ、それを論ずるのは本書の意図するところではないのだろう。
彼らの成功は決して結果的に仕組みがあったわけではなく、明らかに成功するために仕組みを考えて成功したのだろうから。その”仕組み”という考え方に関しては起業だけでなくあらゆる場面で役に立つのだろうから。何にこのツールを適用するのかは読者次第なのだ。

結局「仕組み」を作った人が勝っている

荒濱一、高橋学著。「結局”仕組み”を作った人が勝っている」を読んだ

結局「仕組み」を作った人が勝っている (光文社ペーパーバックスBusiness)
荒濱 一 高橋 学
光文社
売り上げランキング: 4845

本書は、著者の両氏がこれまでに様々な”仕組み”を築いて成功してきた方々に話を聞いていく形の内容になる。取り上げられている”仕組み”は様々な分野にわたり、すでにその分野ではある意味確立した存在になっているがためにその内容をそのまま使う事が出来るわけではない。
そういう意味で、一つの例。ケーススタディとしての役割を本書は持っている。最初手に取ったときは「ただの自慢話」で終わってしまわないか少し不安ではあったけど、数々の”仕組み”というか、そもそも”何の仕組み”を作るのかという点においていくつかの気づきがあったのでまとめておきたい。

リスクを最小限に抑える

何かを行う上で、リスクというものはできるだけ抑えなければいけない。それはもちろんわかっているつもりなんだけど、”そもそも何をリスクとして考えるのか”というのが問題になる。
本書で取り上げられている”仕組み”所有者たちはその視点がいいのだろう。
自分自身はマッチングを行うための”場”を提供するだけにとどめ、”場”で行われる内容に関しては基本的にノータッチなマッチングビジネスを手がける奥山氏をはじめとして明確に線を引いたりする。また、商品を売るにしても、在庫が0の状態を可能にするドロップシッピングという手法に着目をした富田氏。
何であればビジネスとして成り立つのかという着目点だけでなく、それをどう生かしていくのかという”仕組み”を作り上げることが重要なのだろう

利益を確保する

アイディアがどれだけ優秀であっても、成功しつつあるビジネスモデルに関しては常に追手が来る。また、マッチングや紹介業のような間に入るビジネスモデルの場合には、直接取引をされてしまい、自分自身に利益が入らなくなってしまう事も考えられる。
また、あまりに厳しい契約内容にしてしまうと敬遠されてしまう事になるかもしれない。

彼らに共通する事は、win-winの関係を築こうとするところではないだろうか。自分自身だけでなく、相手にも利益がある”仕組み”を用意する。
相手に出資するだけでなく、繁盛するようにコンサルティングを行い売り上げに応じてコンサルティング料を手に入れる甲田氏。契約した場合には無料でホームページを作成する事によって顧客に対しても貢献する近藤氏。
ここには多くの場合先行者の、パイオニアとしての実績がものを言うのはもちろんなのだが、ただ”荒稼ぎ”するだけでない彼らの視点が何よりも大事なのだろう

仕組みってこういう事ばかりじゃないのでは?

さてはて、いろいろな方のいわゆる”成功談”を見てきた本書ではあるけど、どうだろう。
色々と確かに気付かされたことはある。この人たちはここまで考えていたのかー!って言う事はもちろんあるんだけど、何をもって”仕組み”としているのか。
また、その”仕組み”がなかったらどうなっているのかも面白いことだ。たとえば、明確に線を引いて自分自身にリスクを背負わないことは確かに大事だ。ただもしかするとそこにもビジネスチャンスはあるのかもしれない。そんな考え方もできるはずだ。
本書で終始しているのは、”いかに自分が最小限の動きでお金を稼ぐ仕組みを作るか”だ。考え方としては、仕事以外に楽しみを見つけ出したり、その時間を別な事に使いたいと考えている人が対象になるのだろう。本書でたびたび登場する本がある

金持ち父さん貧乏父さん
ロバート キヨサキ
筑摩書房
売り上げランキング: 78

実はこの本、恥ずかしながら私はまだ読んだことがない。なので言及することはできないが、”仕組み”は何もこういうった内容以外にもあるはずだ。
本書には第2段が存在し、手元に既にあるのでこのあたり、答えが何かしら出てくれればと楽しみにしている。

考える力がつくフォトリーディング

以前フォトリーディングに関する本を読んでみたものの、いまいち身についた感じがしない。頭に入っているけどフォトリーディング本で書かれているところの”既視感”って奴を味わったことがない。ただ単に頭に入ってないだけなのかもしれない。
という事でもっと簡単にわかりそうなものを読んでみた。

考える力がつくフォトリーディング
山口 佐貴子 照井 留美子
PHP研究所
売り上げランキング: 951

フォトリーディングとしての基本的なフレームワークそのものは変わらず(当たり前)、それを子供に教えるために書かれている本。「PHOTO READING FOR KIDS」なんて書いてあるし。
本の読み方を子供のころから身につけておくことによって、早い段階からの学習効果を期待している…というよりは、フォトリーディングを身につけた人の「もっと早い段階でこれを知っていれば!」という思いから来たのだと思う。
自分が勉強の大切さをあとから身をもって知って、教育熱心になる構図が見え隠れしないでもないが。。。

以前読んだ、「あなたもいままでの10倍速く本が読める」と比べると、子供向けという事もあってかなり分かりやすく書いてある。純粋にフォトリーディングの技術だけを学びたいのであればこちらでもいいのかもしれない。
社会人としての日常生活への応用。また、グループでディスカッションしたりする等の事例に関してはさすがに本書では取り上げられてはいないが、新聞や小説への適用例やマインドマップに関しても軽くではあるけど触れられている。

私が本を読むのは通勤電車の中なので、どうしても雑音が入る。朝はそれなりに静かな時もあるのだけど、帰りはひどい場合には大騒ぎしている連中まで居るんだよね。この中でいかに集中する事ができるのかも合わせて訓練していかないといけないなぁ
既視感は本当に味わえるのか??

新版 バフェットの投資原則

ジャネット・ロウ著。平野誠一訳の「バフェットの投資原則」を読んだ

[新版]バフェットの投資原則―世界No.1投資家は何を考え、いかに行動してきたか
ジャネット・ロウ
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 50604

目的

今年、改めなくてはいけない事に投資がある。
まぁ、株式市場全体がへこんでいる中で凹んだ所でそれはそれでしょうがないじゃない?って見方ができなくもないけど、それにしても立ち回り方が悪かった。
いわゆる、投資に対して情報は仕入れているかもしれないけど、情報を活用したり分析。そして自分の中で基準や原則といったものがなかったことに大きな原因があると思っている。まぁ、流されるままに動いてしまったりしていたんですね。
そういう事もあって、タイトルに惹かれてしまい購入。何かしら今年、市場と向き合っていく中でのヒントになればと思ったのだ。

タイトルからするとなにやらバフェット氏の投資原則というか投資方法だったり、”株式市場で勝ち抜くためには!”みたいな事が書いてあるのかな~って思ったけど全然違った
本書は、”投資原則”というよりも”バフェット語録”とでも言ったほうがいいのではないだろうか?バフェット氏の言葉と、その場面に関しての注が付いている形になる。純粋に株式市場で勝ち抜くためのテクニックを学びたい人に対してはあまりお勧めができない。
私自身、この本を読んで確かにバフェット氏の投資原則というものは何となくわかった気がする。ただ、それを自分でできるかと問われると今の自分には難しいとも感じた。
ただ、その中でもバフェット氏の姿勢に関して学ぶべき点はいくつもあり、その中のいくつかをあげてみる

ひたすらに調べ、考える

目をつけた企業の年次報告書を読み、次にその企業のライバル会社の年次報告書を読みます。(中略)いろいろな会社をひととおり調べてから、詳しい知識を得るために何冊か本を読みました。そして年次報告書を読み、保険の専門家に話を聞き、可能な場合には経営陣にも会って話を聞きました…(P53-54)

投資をするというのはここまでするものなのか。バフェットの投資原則としては「損をしない」事が第一にある。それをかたくなに実践するにはこうなるのかもしれない。
自分が投資をする際にここまでできるのか?と言われると、なかなか難しいものがあると思う。専業でやるというのは。人のお金を預かってやるというのはそういう事なのだろう。この姿勢は何も投資に限らず、日々の仕事でもいえる部分はある。お客さんからお金をもらって働いている。そういう意味で全く同じなのだから。
さて、自分にそこまでできないのであればどうするのか。株式投資から足を洗うのか、それとも投信を利用して専門家に任せるのか。専門家に任せる手も一つだけど、「じゃぁ誰に任せるの?」という事になるとまた難しい話になる。
それならば・・・自分が思ういくつかの分野に関しての知識を身につけて考えていくのがいいのかもしれない。少なくとも、年次報告書を見比べたりそういう事はすぐにでもできる話だ。取り入れていくことにしよう。

私はいつも、その会社全体を所有しているつもりで考えています。その場合に私がとると思われる方針を、経営陣がそっくりそのままとってくれるのであれば、私好みの経営陣だと言えます。(P106)

年次報告等から、その企業が何を考えているのかを読み取り、それに賛同するのであれば投資する…と、いうわけではない。自分自身がまず、自分が経営しているのであればどうするのかを考えて、照らし合わせる。
これを実践するとしたらやはり、その業界に関しての深い知識がいるだろう。もちろん、マネジメントという意味においては共通する部分も多いだろうが。
経営者の視点。業界の今後を見据えた行動。
それらの考えを少なくとも今、私は持っていない。ならばどう鍛えていこうか。

NextStep

まず、財務・会計に関しての前提知識が足りない。これは今年の一つの目標として掲げてある簿記の勉強を通じながら身につけていく。
そして年次報告を。自分が保有している・保有したい銘柄だけでなく、ライバルと思われる銘柄のものもチェックをして考える事を実践する。そしてその業界に関しての知識を合わせて吸収していくようなStepを踏んでいこう。
うむむ、やる事はいっぱいだな

レバレッジマネジメント

レバレッジシリーズでおなじみの本田直之氏著「レバレッジマネジメント」を読んだ

レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略』
本田 直之
東洋経済新報社
売り上げランキング: 16

大目次

  1. 経営者のレバレッジ
  2. 戦略のレバレッジ
  3. 営業のレバレッジ
  4. ブランドのレバレッジ
  5. 仕組み化のレバレッジ
  6. 組織のレバレッジ

大きく上のように6つの章に分かれているが、一番多くのページを使って述べられているのは第1章の「経営者のレバレッジ」。ここではこれまでのレバレッジシリーズでも言われてきたことだけど、

  1. 自分の仕事は何か?
  2. やるべきことをやらずに任せるべきことを任せてないのではないか?

等々、”経営者”としての仕事を正しく認識して仕事を行っているのかを問いただしている。もちろん、私は経営者ではないのだけど、これは別に経営者に限った話ではなく、経営にかかわる人間。言ってしまうとすべての人間が意識することであると思う。
職位が上がったのにもかかわらず、慣れているからと今までの仕事内容と変わらない人たち。何のために職位が上がったのか。それは間違いなく考えるためである。自分としての上をさらに目指すため。会社の業績を上げるため。社会をよくするため。それらを考え、そして実行する。それがいま望まれている。そのためには考えなければいけない。そう強く感じた。

本書は上記の私の例であるとおり、”何を考えるべきか”を指南するツールとして利用するのが正しい使い方として作られている。「あなたはこの問題に対してどう考えていますか?」と質問されているように感じながら読むことで、より自分の血肉になるだろう。