マーケティングとは

ジェイ・エイブラハム著のクラッシュマーケティングを読んだ。

クラッシュ・マーケティング
ジェイ・エイブラハム
実業之日本社
売り上げランキング: 50
おすすめ度の平均: 5.0

5 経営者の必読書
5 これぞマーケティングの要諦
5 さすがマーケッティングの本!!

目次

  • 序章■今こそ、ライバルに大差をつけるチャンス
  • 第1章■ビジネスが停滞する九つの要因
  • 第2章■「卓越の戦略」で強力なライバルに打ち勝つ
  • 第3章■販売戦略と広告手法を変革して売上をアップさせる
  • 第4章■「戦略化、分析、システム化」で安定した実績を得る
  • 第5章■時間と行動をマネジメントして戦略的企業となる
  • 第6章■効果測定とアライアンスで強靱な収益構造をつくる
  • 第7章■リミッターを外し、現状を打破する
  • 第8章■「三つのP」で市場における絶対者になる
  • 第9章■マーケティングの力を三〇〇%活用して、価値に気づかせる
  • 第10章■ジョイントベンチャーでビジネスを最大限に活用する
  • 第11章■景気に関係なく繁栄し続けるには
  • 終章■さあ、今すぐ行動を起こそう!

マーケティングとは何か

以前何かの本に「マーケティングと会計はみにつけておいたほうがいい」って書いてあったのを覚えている。
会計に関しては簿記の勉強を行うにして、マーケティングに関してはまずは書籍を当たってみようと思い、最近あちらこちらで絶賛されていた本書を手に取ってみた。
また、開発者は顧客から離れた位置にいる事が多いが、市場が求めるものというものを正しく自分の中で認識できているのか?ということに疑問を持っているからだ。少なくとも今の私にそのあたりが認識できていると言えるには遠いだろう。

読んでみて思ったのは「そもそもマーケティングってなんだ?」ってことだ。
私が勝手に思っていたマーケティングのイメージは

  • 「市場を調査して、ターゲットとした顧客が何を望むのか。どういったトレンドがあるのか?」

という、最終的に「自社の製品として何を作るのか?」という方向性の物だった。製品を作るための情報収集的なイメージかな。ところが本書を読んでみて思ったのは

  • (既にある製品を)どうやって売っていくのか。この製品が受け入れられるような市場が他にないだろうか?

というような視点のみに感じたからだ。

マーケティングをWikipediaで調べてみると

顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0

とある。そう考えると、私がイメージしていたのはマーケティングのごく一部ということになるが、本書はそれ以降の内容ということになりそうだ。多分、開発者的な視点と営業的な視点の違いからなのかもしれない。

共感を呼ぶワードは何か

自分が対面している市場に対して、抱えている問題は何なのか?
多分、これに対する自分なりの答えというものは出せるかもしれない。
ただ、本書を読んで面白かったのは”その答えを表現する言葉を何パターンか考える”というものだった。
これは、人と会った時の質問を予め多く考えておき、その中から厳選して質問をするやり方に似ている。
ぱっと出てきた答えの表現が、相手にとって共感を呼ぶような言葉でなかった場合、答えとしては正しいかもしれないが、効果としては少ないものになってしまう。

また、これは解決策だけでなく、市場が抱える悩みや問題そのものに対しても適用することができる。
それが相手にとってフィットする言葉であればなおさら強い関心を持たせることができるだろう。
そして、それは恐らく”相手によって変えていく”事になるだろう

相手にそのあたりに転がっている”答え”の使い回しに取られてしまうと「そんなことはわかってるんだ」と逆の効果を与えてしまうかもしれない。
このあたり、自分のキャラクタというものと合わせて考えていかないといけないだろう。

さてはて

マーケティングに限らず、人と話をするときにも先にあげたことはそのままあてはまる
とっさに出来る事ではないのでやはり訓練が必要だろう。身近な人に対して適用しつつ、そういうものをみる目と思考パターン、表現のパターンを身につけていくことにしよう
ただ、マーケティングそのものに関しては勉強になったは勉強になったけど、勉強しようと思っていた目的がイマイチ達成できていない。
そもそもいきなりこの本に手を出してしまったのが敗因かもしれないので、マーケティングに関する本をやはり数冊読んでみる事だろう。

見積もりに対する考察

昨日に引き続きアート・オブ・プロジェクトから

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)
Scott Berkun
オライリー・ジャパン
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5 バイブルにしています
4 プロジェクトマネジメントに関する教科書的な一冊
5 プロマネ、必読
4 プロジェクト大災害で大炎上
5 真のマネジメントがここにある

精度か正確さか

見積もりの精度はよく問題にはなるが、どれだけ精度が高くても正確でなければ意味が無いというのが本書で言わんとするところだ。ここで言う”精度”とは数字上の精度。
言ってしまうと、小数点桁何桁まで出した数字だろうと、その出す過程が根拠を伴って出されてない限り、何の意味も持たないってことだ。では、根拠のある数字を出す過程とはどんなものだろうか。

ソフトウェアの開発では、いわゆる機械による大量生産のように同じものをひたすらに作るわけではなく、常に一品モノの物作りとなる。
時には技術的に不明確な部分に対して切り込まなければならない開発。。。というよりは”研究”に近いのかもしれないこれら作業を正確に見積もることなんてできるのだろうか?
しかし、お客様に「いくらかかるか分からないし、いつ完成するかわからないけど頑張ります」なんて言った途端に「それじゃ、いつ発注するかわかんないよ?」なんて言われてしまうかもしれないわけで、なにかしら見積もりはしないといけない。

規模が小さい開発であればそこそこの正確さを持った見積もりが出てくるが、規模が大きくなればなるほど見積もり誤差は大きくなる。自己負担分も増えていく。(デスマーチの)鼓笛隊の歩む音が聞こえてきそうだ。

これは経験にゆだねるしかないのだろうか。

一つの答えとしては多分そうなんだろう。ただし、その”経験”は、”会社としての経験”であって”個人としての経験”であっては困るわけだ。
見積もりに対する根拠・仮説を記録しつつ、結果を検証することを繰り返す必要がある。これは積もり積もったデータベースとして、組織の財産としての扱いを受けるべきだろう。

そもそも誰が見積もるのか

ここまで書いて、ふと思ったのは、”見積もりをしているのはだれなのか?”という事だ。
これは”仕様や設計を行っているのはだれなのか?”という事に置き換える事も出来るかもしれない。

本書では見積もりの精度に関して”優れた設計から生み出される”としている。

優れた見積もりというものは、信頼性の高い設計と要求が揃って初めて生みだされるという事です。そしてエンジニアリングにおける優れた情報と優れたエンジニアという2つが揃って初めて生みだされるのです。(P.40)

そんなに多くの事例を見たことがあるわけではないので断言できるわけではないのだが、見積もりや設計を行うのは実際にコーディングを行うプログラマーやプログラマーのリーダーではなく、”過去にプログラムを組んでいた管理職”か、”プログラムを組んだことのない管理職”が多いのではないだろうか?
そして、何かしらの根拠があって見積もっているわけではなく、感覚論で見積もってしまっているのではないだろうか?

そうであるならば、見積もりはリーダーだけでなくプログラマ、品質を管理する担当者(テスター含む)等にも参加してもらい、そもそも出来あがる機能が、業務的に本当に有益な形でお客様に提供できるようになっているのか?等、様々な角度から求め
ていかなければいけないだろう。

ただ、未受注の機能に対してここまで大がかりな見積もり体制を築き上げてしまうと、実は中小のソフトウェア会社では回らなかったりする。要するにお金になるのか分からない作業に対して人を割り当てる余裕が無いということだ。もちろん、そういう企業の場合はプログラマからテスターまで多くの作業を兼任するので必然的に少人数にはなるだろうが、それはそもそも人が足りないわけで、逆にノリで見積もりをしそうだ。

私が所属している組織において、本書でいう”正しい見積もり”が完全に機能しているとはとても言えない。見積もりが個人のスキルによってしまい、引き継ぎも出来ないうえに当たり外れが出始めている。
銀の弾丸が無いとはいえ、組織内において蓄積された基準や、見積もる上でのプロセスを見直す必要がある。
動かなければいけないな

マイクロソフトのプロジェクトはアートなのか

このプロジェクトマネジメントを続けてはだめだ!!もういい加減に成長しなければいけない。
そんな思いからアート・オブ・プロジェクトマネジメントを読んだ

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)
Scott Berkun
オライリー・ジャパン
売り上げランキング: 96079
おすすめ度の平均: 4.5

5 バイブルにしています
4 プロジェクトマネジメントに関する教科書的な一冊
5 プロマネ、必読
4 プロジェクト大災害で大炎上
5 真のマネジメントがここにある

目次

  • 計画
    • スケジュールの真実
    • やるべきことを洗い出す
    • すぐれたビジョンを記述する
    • アイデアの源
    • アイデアを得た後にすること
  • スキル
    • 優れた仕様書の記述
    • 優れた意思決定の行い方
    • コミュニケーションと人間関係
    • メンバーの邪魔をしない方法
    • 問題発生時に行うこと
  • マネジメント
    • リーダーシップが信頼に基づく理由
    • ものごとを成し遂げる方法
    • 中盤の戦略
    • 終盤の戦略
    • 社内の力関係と政治

そもそもなぜソフトウェア業界はこんなにもプロジェクトマネジメントを声高にする必要があるのだろうか。
事業規模で考えれば他業界でもっと大きなプロジェクトはたくさんある。もちろん、それらプロジェクトがすべからく成功を収めているかというとそうとは言い切れない部分はあるが、、、

本書はプロジェクトマネジメント全般にわたって書かれてはいるが、ここではこの頃私を悩ませている仕様書に関しての話題に言及したい

仕様書は必要か?

本書ではプロジェクトに必要となる書類として以下のものを定義している

  • 要求仕様
    • プロジェクトに期待される様々な物事を文書化するため、作業によって達成されるべきすべての要求と責任の概要を記述する
  • 機能仕様
    • 顧客の視点から見た特定のシナリオやシナリオ群における振る舞いや機能を記述したもの。ソフトウェアの機能をユーザーインターフェースを通じて解説し、なるべく技術的な詳細に踏み込まないようにしつつ、物事の動作方法を解説する。要求の一覧ではなく、それを実現するための機能の一覧。
  • 技術仕様
    • 機能仕様を満足するために必要となるエンジニアリングアプローチの解説。もっとも複雑なコンポーネントや、他のプログラマが再利用する可能性のあるコンポーネントを開設したり、機能仕様に必要な作業項目に対して技術的な裏付けを提供できるだけのレベルで十分。
  • 作業項目一覧(WBS)
    • 機能仕様を満足するために必要となるプログラミング上のタスクを解説したもの。
  • テスト基準とマイルストーン達成基準
    • 各テストケースの優先順位と、各マイルストーンにおける品質目標を満足するためには、コードが該当テストケースにおいてどの程度正しく動作する必要があるのかという目標。

私のこれまで携わったプロジェクトでは、要求仕様や機能仕様を合わせて外部仕様書と読んだり、機能仕様と技術仕様がごちゃっとなって内部仕様書と読んだりしていた。ちなみにWBS、テスト基準等はそれぞれの文書として独立させることになる。
恐らく本書で述べられているこれら内容は別に独立した文書である必要はなく、それらを網羅するべきということなんだろう。

私の場合は転職経験があるわけでも、大学でソフトウェア関連のことを学んだことがあるわけではないので他にどういう形の文書があるのかは知らないのが現実だ。
内部仕様書に記述する技術仕様は、どの程度まで記述するのかが問題となるのではないだろうか。仕様書を書くことが本来達成するべき仕事ではないので、これらの切り分けをどうしていくのか…。内部仕様書に関しては、社内の誰に対して文書を書くか?ってことになるのかもしれないなぁ

仕様書と設計書の違い

設計段階では仕様は固まっていない。未確定な内容が含まれており、それに対する議論や検証を行う必要がある。それらを経て、実際のモノづくりを行う作業の前に仕様書を作るべき。
設計書と仕様書を同時に作成しようとした場合、設計の変更に伴う仕様書の修正工数ばかりが増大していき、仕様書は意味のあるものとして成り立ちづらい。もしくは計画そのものが破たんする。これらは全く別のプロセスとして動かす必要があるだろう。

ううん、言っていることは分かるが…。
実際のところ、現場では設計書と内部仕様と作業指示がめちゃくちゃになっている。内部仕様書が正しく仕様書としてなりたっておらず、中途半端な設計書になっているだけだった。
だからこそ、”何の文書を書くのか”ということが明確になっておらずに、文書の作成に行き詰ってしまっているのだと思う。
そう考えると、これらを全く別のプロセスとして捉えて取り組むというのは分かる話ではあるのだが…。
ううん、時間がないっていう言い訳をしてはいけないのは分かるが時間がない。時間を捻出する手立てを立てなくてはいけないなぁ

多くのすぐれた仕様書では、設計が階層に分けられた上で記述されている。まず最初に、顧客のエクスペリエンスが顧客の言葉で記述されている。次に、基本オブジェクトの大まかな概要とアーキテクチャが記述されている。そして最後に、エンジニアリングにおける、設計上の複雑かつ詳細な問題が記述されている。

ふむぅ
やはり、仕様書か設計書か。
どうしても私は今自分が見ている”仕様書”が頭に入ってしまっていてここで述べている”仕様書”との間には隔たりがあるようだ。この隔たりを解消するにはどうしたものか…。やはりここでいうところの”優れた仕様書”を見てみるのが一番だと思う。

Joel on Softwareでおなじみのジョエル氏のページには氏が”優れた仕様書”のサンプルを出している

んー・・これ見たことあるな…。たぶんJoel on Softwareにそのまま載ってるな…。

はい、出直してきます

保険契約して安心してませんか?

今日は以前セミナーでお会いしたことのある方と久しぶりにお会いした。
保険屋さんであり、私が”運動しなきゃ!”って思ったきっかけをくれた方である。

今日は保険のお話を聞かせてもらった。
大事なことなので、たまにこういう形で話をしていただける方がいるというのはとても大事なことだと思う。

選択肢が一杯だ

保険に関しては私も、自分が契約する際にあれこれと勉強させてもらった。どちらかというと、勉強したというよりは私を担当してくれた保険屋さんの受け売り以上のものではないので、若干心配ではあった。
保険は種類が実に多い。ただでさえ種類が多いのにそれに対して特約だとか選択肢が保険会社毎に用意されていてもう困ったもんだい。
自分ひとりで考えていると、途中で思考停止して「もういいや」って感じになってしまう。そんな簡単に投げ出していい問題でもないのに。
というわけで、餅は餅屋ではないけどあまり詳しくない人は専門家に聞くべきなんだとは思う。
保険屋さんによっては契約前にライフプランの設計等をサポートしてくれる会社もあるし、直接保険屋さんに頼むと契約しなきゃ!って感じになってしまうのを恐れるのであればFPを頼るのもいいと思う。

ボクらにあった保険は何か

私が保険に入るきっかけになったのは結婚と子供の誕生だった。たぶん、多くの人の場合はそういうきっかけがあって保険に入るんだろう。
じゃー、独身の人にとって、保険は不要なものなのか?これは、一つ考えるべき話題ではあると思う。

通常保険というと、何かあった時のために嫁さんや子供が不自由なく~って発想が多いと思う。
でも考えてみると、未婚の人の場合は病気になった時に必要になるし、親御さんの老後の面倒をどうやってみるのか?ってこともあると思う。
「老後は俺が面倒みてやるよ!」
なんて言っていて、自分の身に何かあった時、親の老後は誰が見るのか?せめて不自由ない老人ホームにでも入れてあげたいと思っていてもそれが実現されるとは限らない。
もちろん夫婦であっても義父母と仲が悪ければ同じことがいえてしまう。
あなたは相手に自分の親を任せられるか?
ってことだ。

定期的に見直そう

すでに保険に入っていたとしても定期的に見直しを行うほうがいいと、改めて思った。
ただし、見直すべきなのは保険の内容だけでなく自分自身の知識に対してでもある。

今日、特に興味深かったのは”高度先進医療”に関する話だった。
高度先進医療は保険の場合特約で用意されていることが多い。医療保険に対する高度先進医療特約のような形だ。では、この”高度先進医療”というのは、誰が定義しているかというと厚生省だ

先進医療の各技術の概要について (厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan03.html

11月2日現在で先進医療として認定されているのは116種類ある。これは、約3カ月に1度の頻度で内容が見直されているらしい。つまり、以前は先進医療とされていたものが先進医療から外れることも、対象外だったものが認定されることもあるということだ。
実際に給付を受けたい時に、先進医療として認定されていないと適用されない可能性がある。これは注意が必要だ。
よくよく見てみると、インプラントによる義歯も先進医療として認定されている。通常の保険が適用されないという話は有名ではあるが、先進医療に分類されているというのは初耳だった。
先進医療というとガン治療等で行われる重粒子線による治療が思い浮かぶが、そういったもの以外にも分類されているんだな。覚える必要性までは無いかもしれないが、軽く目を通しておくといいかもしれない。

保険は契約するまではあれこれ考えるのに、契約してしまうと安心してなかなか知識の見直しを行う機会が少なくなってしまう。
医療や介護の現状というのは刻一刻と変わっていくのに合わせて、自分自身の知識も更新していかなければいけないと改めて感じた。
ありがとうございました!

数学って好き?

今日のNHKスペシャルが奇しくも「魔性の難問 ~リーマン予想・天才たちの闘い」でした。先日やったポアンカレ予想といい、NHKはこういう学術的なことを特集してくれるので見逃せない。
もちろん、専門家から見たら穴とか抜けがあるのかもしれないが、一般的には、そもそも”リーマン予想”という言葉自体なじみがないのでこういう番組は意味があるものだと思う。
なんてたって妻の最初の反応は「破たんした?」だったもの。いや、私ももちろん知らなかったけどさ。

さてはて、いつだったか小飼弾氏が紹介していた原作結城浩の「数学ガール」(漫画版)を読んだ

数学ガール 上 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
結城 浩
メディアファクトリー

数学ガール 下 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
原作/結城浩・作画/日坂水柯
メディアファクトリー

元々理系である私でもちょっと笑ってしまうくらい数学オタクな「僕」を取り巻く数学と恋愛事情。
うーん、設定がマニアック過ぎて誰をターゲットにしているんだろう?やはり理系女子萌えなんだろうか。
ちなみに著者の結城さんは、Java関連の書籍も執筆されている方。うちの会社でもJavaやってる人間は普通に知っていた。

見る世界は

それにしてもこの人達は、どんな世界を見ているのか
高校時代、数学や物理を私は好きだった。あまり暗記モノが得意ではなかった私にとって、いくつかの公式を組み合わせたり、式を変形させたりすることで解くことが出来るこれらの学問は非常に魅力的なものだった。物理で得点をとるほうが他の科目で点数取るより効率(偏差値的な意味で)だったことももちろんあるんだけど。
ただ、実は高学年になってから習ったことが、元をただせば初期に習った公式に通じるなんてことがあるたびに素直に驚いた。

いつのころからか、数学はひたすらに数字ではなくて文字を扱うようになり、とてもじゃないけど身近に感じられるものではなく、ただ単に受験に必要な学問になっていった。
結局のところこれが実生活で何の役に立つのかなんて教師を含めて説明できる人なんていなくて、次第にそのものには興味を無くしてしまったのを覚えている。
ただの勉強が出来なかったことの言い訳なのだが。

本書に登場する主人公や、NHKスペシャルに登場している数学者たちはどんなことを考えているのだろうか。
きっと、私のように変な打算を考えているのではなく本書でも出てくるように”ただ好きだから”ということなのかもしれない。
“好き”も突き詰めれば、突き詰めることが出来れば…。

私の”好き”は何だろうか
考えるものではない命題ではあるかもしれないが、考え直してみるのも一つだろう。

一般的な話、相対的な話

会社の健康診断があった。これまで幸いにも大きな病気にはかかってはいないが、過信は禁物。元気だった親父も糖尿病にたんを発し、ついには死んでしまった。
日々の生活には気をつけないといけませんね

さてはて、お題の話はなにかと言うと視力です。
私が従事しているIT業界。日がな一日中パソコンの前にいるので、必然的に目が悪い人間が多い印象だ。その中においてずっと視力を両目ともに1.5な私は珍しいのかもしれないし、私としても唯一(?)自慢できる事です。

が、右目の視力が落ちてました…。
いや、数字的には両目ともに1.5をキープなのですが、右目は判別が何とか出来るものの、ボヤけて見える状態。ううう、ショックだ。こんな商売続けてるからだー!!
ぜいたくな話だとは分かっているのですが、周りから見れば問題ない視力でも、これまで見えていたものがぼやけてしまうということに関してはやはり違和感のあるもの。これまで視力がよいことをいいことに放置してきましたが、目をいたわってあげなければいけません。

と思う一方で、毎回思うのは限界まで測って欲しいという欲求不満。誰が1.5で止めていいなんて判断したんだ?アフリカのサバンナで生きていけないじゃないか>
もしくは、動体視力だとかちょっと違った視点での視力をはかってみてはどうだろうか?静止した状態のものが見えるのも大事だけど、動体視力は車等を運転する時にはよっぽど重要視されるべき項目のように感じます

形あるものと形なきもの

私の管轄しているプロジェクトではないのだが、別プロジェクトが火を吹いている。
なんでもお客様からの品質に関する要望に対して提出している書類が思うように理解されないというものだった。

最初からプロジェクトがつつがなく進行している場合は問題がないのだが、数度問題が発覚するとお客様側の担当者としても黙ってはおれず、チェックが厳しくなる。
ただ単にチェックが厳しくなっているだけならばそれほど問題ではないのだが、ソフトウェアに対する品質管理を担当したことがないお客様がチェックを厳しくしようとするのが結構問題なのだ。

まず、言葉が通じない。
一通り書類を書いたところで、言葉の定義を一つずつ教えていかないとその文書を読むことが出来ていない。普通なら「こんな感じかな~?」っていうニュアンスで乗り切るのだが、”疑いの目で品質チェックをしようとしている”お客様としてはそうはいかない。
もちろん、書き方の問題もある。一言”モジュールテスト”だとか”ユニットテスト”だとか言っても、ソフトウェア業界ですら会社によって言葉が何を指すのかがバラバラな状態であることをよく聞く。
このあたりは、いわゆる製造業だとかその他産業との歴史の差が出ているのかもしれない。ソフトウェアの品質管理においての業界標準となりえるとすれば、国際的にはISTQB規格。日本ではJSTQBになるのだろうか

JSTQB
http://jstqb.jp/

しかし、”ユニット”の定義に関して明確になっているわけでは無いんじゃないだろうか?正直なところJSTQBとろうと思ったことないから分からないのだが…。
ただ、いわゆる目に見える機械の”部品”と、ソフトウェアのプログラム上の”部品”とでは実際に手にすることが出来ない分、考え方を変えていかないといけない。

もっとも、お客様にそこまで疑問視されるようなところまでいっている時点で問題なんだけどね。
ただ、ソフトウェアの場合は目に見えないものであるがゆえに、別業界の人に説明する時、言葉に関しては最新の注意を払わないと余計なコストをひたすらにかけることになってしまうなぁ、と思った。
ただ…気をつけないとって言ったところで、自分がその矢面に立たされた時に乗り切れるだろうか?ちょっと考えてしまうなぁ

数学は面白いか

先日読んだ小飼弾さんの弾言に紹介されていた畑村洋太郎さん著「数に強くなる」を読んだ

数に強くなる (岩波新書)
畑村 洋太郎
岩波書店
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おすすめ度の平均: 3.5

1 う~ん もう少し構成等を工夫してほしい
5 フェルミ推定の導入本としても面白い
4 子供に数(かず)に対するセンスをつけてもらうための参考書
4 数におびえないためのトレーニング
4 フェルミ推定?

私は理系で、大学では機械関連の学科に所属していたので比較的数学には慣れ親しんでいた。もちろんやっていた=好きというわけではないのだが。卒業してソフトウェアの世界に入ってからは全くといってそれらに向き合っていないので、もう完全に忘れてしまっている。微積ってなんだっけ?
本書はもちろん微積の本でもないし、数学という学問の本ではない。ただ、数学というものに対する見方を、ちょっと学校では気付かない見方を教えてくれた。

数を作る

たとえ知らなくても、作る努力をしなくてはいけない。必要な数は、見たその場で作れなくてはいけない(P71)

手持ちの材料や情報をもとに仮説としてでも、数としてあらわすことが出来るか?というのは確かに大事だ。大きいだとか小さいというような形容詞で表現されても正しく相手に伝わるとは限らない。
そのためには、数に対する感覚というものを常日頃から意識するというのは面白い話ではある。

試しに会社から最寄り駅まで歩数を数えてみたりして遊んでみた。一度歩数を数えてみて、距離感だとかそういったものを知ると、数えてなくても「あ、大体ここまでで~歩くらいだったな~」とか、「そうすると、ここまでは大体距離として~くらいかな?」ということを考えてしまうから面白い。
自分の歩幅だとか、歩くペースなんてものも分かってくるから、あれこれと楽しめそうだ。

数学は役に立ったか

数学というと、問題を解くだけであった。
算数は、どちらかというとテーマが日常である(お使いだとか三角形の大きさだとか)のに対して、数学は出てきた問題をどう使うのかがさっぱりわからなかった。結局、問題を解くために公式を覚えているだけ。
微積だとか素因数分解だとかが一体全体何の役に立つのか?ってずっと思いながら問題を解いていた。

本書で書かれている24*26のかけ算の解き方。これはとても面白いものだった。そんな風に素因数分解を使うのか・・・?ふむぅ
実は、公式だけしか教わってなかったけど、これらの式をどういう場面で使うのか。
実はこれを教えることによって数学に対する物の考え方だとかが変わってくるんじゃないだろうか?なんて思ったりもした。
結局のところ問題を見つけるまでが問題なのかもしれないな。
色々、そういった問題を探してみるのはとても面白いことなのかもしれないと思った。

サラリーマンサバイバル時代

“週末起業”の著者として有名な藤井孝一さんの「週末起業サバイバル」を読んだ

週末起業サバイバル (ちくま新書 811)
藤井 孝一
筑摩書房
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5 会社に頼らない生き方
5 それでもあなたは「週末起業」しますか?

最近、この手の”週末起業”や”副業”といった話題をよく目にする。一つは著者が6年前に出版した週末起業 (ちくま新書)による影響もあるだろうけど、やっぱり今の景気情勢によるところが一番大きいんだろう

サバイバル時代

もはや正社員といえども安心していられる時代ではないというのはまさにその通り。昨日もこんな見出しの記事が公開されている始末

ボーナス激減でローン延滞急増? 大手銀が態勢整備急ぐ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091102-00000622-san-bus_all

そんな中だからこそ、現時点での職を維持したまま続ける週末起業という考え方が受けているんだろうと思う。
私自身、何かしら副業を持っているわけではないけど、確かに会社に対して今後定年まで維持できるのか?給料は上がり続けることが出来るのか?というと、今のままでは難しいのではないだろうか?と思わずにはいられない。
少なくともそんな雰囲気が日本中に渦巻いている感はある。

どの方向性を考えるのか

週末起業で一番困るのが、何をやるのか?というネタだ。それに関しては本書でも取り上げられている

ネタはどこかに転がっているものではありません。また、部屋にこもって頭を抱えているうちに出てくるものでもありませんある日突然、降って湧いたようにひらめくものでもありません。(P123)

結局のところ、試行錯誤しながらあれこれ試してみて結果として残ったもの…という、あまり計画としてはどうよ?って感じに落ち着いている。まぁ、そんなものかもしれない。もちろん、やるときには”これで”と思ってやっているのだろうけど。
どういう方向性で?と考えるのに面白いものがある。出逢いの大学の千葉智之さんが自身の人脈ブランディング講座で取り上げている4タイプである

「マルチ・キャリアの4タイプ(前編)」
http://www.menstrend.jp/navigators/5504/4148.html

本業との相乗効果を狙うのであれば、方向性を合わせたほうがいいとは思う。副業側にも恩恵は大きいだろう。ただ、”あんまり同じことばっかりやってもなぁ”的な気持ちもあったりする。
ただ、やっぱり一番大事なのは自分が何が出来るのか?って事をちゃんと知るってことなんだろうな。
さてはて、こんな私に~何が出来るのか~?

初めての宿輪ゼミ

エコノミストの宿輪純一さんが開いている”宿輪ゼミ”なるものに初参加してきました

宿輪純一 オフィシャル
http://www.shukuwa.jp/

なぜ経済か

経済分野に関しては私は無知に等しい。もちろん、株をやっていることもあって多少気にはしているし新聞も見ているつもりだ。
ただ、体系だって学んだわけでもなければ何かしらの考えを持っているわけでもない。親しい友人にそちらに明るい指南役がいるわけでもない。

ただ、今後の成り行きというのは決して人ごとではないし、仕事を行っていく上でも意識をしていかなければ。そう、これまで以上により強く意識していかなければ現状の打破は出来ないのではないのか?
やや後付け的にはなるけど、そういった思いを抱いて参加してみた。

考える機会を作る

たまたま参加した今回は宿輪さん本人ではなく、外部から講師を招いての特別ゼミだったため、宿輪さんご本人の話を聞くことが出来なかったのいささか残念ではあったけど、考えていかなければいけない方向性に関して、一つのきっかけを得ることが出来たと思う。
この手の話題というのはどうも苦手意識がある。苦手意識があるがゆえに腰を据えて考えてみる。そして考えるための環境を強制的に作るということがまず、自分には必要なんだと思う。

宿輪さんは実に気さくな方で、なるほど。ボランティアで人が動くわけだと思ってしまった。
次回11月25日はは宿輪さんご本人の公演。早速申し込みをしました。
今から楽しみだ。

証券決済システムのすべて
中島 真志 宿輪 純一
東洋経済新報社
売り上げランキング: 26757
おすすめ度の平均: 5.0

5 実務関係者の必携本 待望の改訂 
5 こんなに改革が進んでいるなんて!
5 待ってました改訂版!