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24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力

Audibleで「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」を読んだ

24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力

眼の前のことに集中することの大事さというものに対して、様々な論文などを集めて本に仕立てたような一冊。
ひたすら引用が続くので、基本的には聞いたことがあるような内容が多いような印象を受けた。

スタンフォード監獄実験の話などが出て、いかに人間が環境や役割によって影響を受けてしまうのかみたいな話が出てくるのだが、スタンフォード監獄実験自体はすでに否定されていたのでは、とふと思った

スタンフォード監獄実験 – Wikipedia

そう考えると、論文なんてものはその肯定・否定の両方が存在しているので、この論文を集めて作ったものに対して、うーんと思わざるを得ない気持ちが出てしまう。

まぁ、結局のところどんな情報であれ自分が動き出すきっかけとなるのであれば何でも良いのだとは思う。
ただ、今日一日に集中=先を考えないということではないはずなので、言葉ヅラで変に考えてしまわないようにはしていかないといけないだろう。

ガダラの豚

中島らも著「ガダラの豚I」を読んだ

ガダラの豚 I

すごい特徴的な表紙だったので、書店で並んでいたのを覚えている。
今回はAudibleで聞いたのだけど、全3巻あるなかでAudibleではまだ1巻のみ。
先は長そうだ

ちなみにこのガダラ。
Audibleなので私が単純に聞き逃しただけなのかもしれないけれど、一度も登場しなかったような気がする。
Google先生に聞いてみたところ、古代イスラエルの古代都市だそうな。
イエス・キリストが豚の群を湖に追い落とした逸話があるそうだけど、それだけ聞くと全然意味がわかりませんね。

1巻は基本的に超常の能力と奇術・マジックのお話を中心に展開され、基本的に超常の能力に関しては否定的な終わり方をしている。
ただし、最後の最後で教祖が謎の言葉を発し、そして主人公である教授先生一家がこれからアフリカに向かうわけです。

なので、1巻で否定された超常の力に関して、アフリカでの呪術というものが肯定的な出来事が起こるのでしょうか。
ちょっと気になるところです。

ただなぁ、同伴するのがよくわからないイカサマ超能力者というのが、展開的にはよくわからない方向になります。
Mr.ミラクルが行くのであれば、展開としては同じ方向になるので、それはそれで面白くないという話はあるのかもしれないけれど、うーん、どんなふうに話が展開していくのでしょうかね。

そして、Audibleで出てくるのはどれくらいタイムラグがあるのだろう。。。
早く出てきてほしいです

Tidy First?

定期購読しているSoftware Designのアンケートプレゼントでケント・ベックのTidy First?を頂きました!

Tidy First? ―個人で実践する経験主義的ソフトウェア設計

先日、Software Designでもリファクタリングをいつやるのか?という特集が組まれていましたが、その時のプレゼントですね。素晴らしい

Tidy?

Tidyという言葉はあまり馴染みがないですが、直訳すると”きちんとした”や”整頓された”という意味を持つ形容詞で、Tidy First ? は要するに、「乱雑なコードを先に整頓するべきか?」という意味だそうです。
まさに、本誌と同じテーマですね

序盤は実際に整頓するテクニックから始まる本書ですが、中盤から後半にかけてはタイトル通りいつ整頓をするのか?そしてなぜそのタイミングで、何を目的にどの程度整頓するのか?という話になっていきます。

プログラムが価値を提供するのは、基本的に機能。
本書で言うところの”振る舞い”であって、”整頓”することでは価値は増えない。

ただ、”振る舞い”を追加する。つまり、価値を増やすという行為をするために支払われる対価。つまりはプログラミング・開発は”整頓されたコード”と”整頓されてないコード”では支払われるコストが異なる場合もある。

そういった、いわば”オプション”、付加価値をつけやすいかどうか?ということそのものが価値なのではないか?という話。
アタリマエのことといえば当たり前なのですが、変更を加える予定がなければ整頓する意味もないのですよね。

将来的に変更が加わるかどうかは未知数であり、その中で起こるかどうかもわからない未来のために頑張って整頓するというのは経済的に考えればあまり褒められたものでもなく、この判断は難しいところです。

本書には、冒頭のケント・ベックの言葉にもあるように続編が作られています。
本書がタイトルに有るように”個人”を対象としているのに対し、続編ではチーム。つまり一緒に開発する人との人間関係を含めた形の内容だそうで、Amazonで見てみると2026/11/3の発売となっています。。。本当に出るのでしょうか。。。

Substackでは続編の概略が見て取れ、課金すれば内容を出版に先んじて読むことができるようです

Tidy Together? Outline – by Kent Beck

非常に面白い本ではあったし、そこまでページ数もないのでサクッと読めるのも嬉しいところ。
ただ、ある程度、経済的な考え方が持てる人が読者には向いているのではないかな?と思ってしまうので、会社の若手というよりは中堅一歩手前くらいのメンバーに読んでもらおうかと思っています。

Software Design11月号

今月のSoftware DesignはAI開発ツールでした

ソフトウェアデザイン 2025年11月号

特集ではAI開発ツールとして以下を取り上げています

  • Github Copilot
  • Claude Code
  • Devin
  • Cursor
  • Amazon Q
  • Gemini Code Assist

名前は聞いたことがあっても、実際に触ったことがあるかというと無いものも多いところです。私はというとあまりあれこれと手を出さずに、Claude Codeの使い方を色々と工夫している形です。

AIの開発ツールと言ってもいくつか分類みたいなのがあって、コーディングアシスタント、コードジェネレート、仕様駆動、AIアプリ作成ツールなどなどあり、完全には分離できないものの、次から次へと新しい発想・思想が生まれてくるので整理しづらいところはあります。

個人的にはDevinはちょっと触ってみたいと思いました。
アプリケーション開発プラットフォームとしては、ここでは取り上げられていませんがDifyも気になっています。

いやー。このあたりの取捨選択というか、難しいものです。我々エンジニアは結局のところ何に焦点を当てれば一番効率がいいのか。。。
最終的にはどれも似たような感じになるのではないかとは思いますが、サービス自体が終了ということもよくある話なので悩ましいところです。

私自身はコードを書くよりも要件整理や設計周りの頻度が上がっているので、SDD(仕様駆動開発)のほうが興味あり、cc-sddも気になっています

https://github.com/gotalab/cc-sdd

いやー、気になってます気になってますを繰り返していて手が動いていない、典型的なだめエンジニアになっていますね。。。

なんとかせな。。。

ランナーズ 2025年12月号

だいぶ涼しい日が増えてきて、マラソンシーズンの到来を感じる今日このごろ。
そこに来て12月号が届きました

ランナーズ 2025年12月号

今月号でやはり気になるのは「30kmの壁を突破する思考法」
言ってしまうと、途中で失速してしまうことへの対策ですね。

私はこれまでの傾向で考えると、35kmあたりに壁を感じます。
プライベートベストを出した2023年の長野マラソンは最後の最後に失速してしまいましたが大体は走り切ることができました。

ただ、他の大会に関しては30~35kmあたりでの失速。。。というか諸々の理由で歩いてしまっています。

本書でも取り上げられているのですが、基本的には前半のオーバーペース。
また、ペーサーに無理について行ってしまうという点なのだろうと思っています。

大会にはコンディション整えて出ることになるので、どうも勘違いして飛ばしてしまうんですよね。
目標としては、サブ3.5なわけですが、できることならサブ3を視野に入れたいというのが人間の業というかなんというか。
悲しいところです。

今週末の水戸黄門漫遊マラソンでは、きっちりサブ3.5を達成することを目標。
そして気温も下がってくる2月のさいたまマラソンでその上が狙うことができれば!と思っているので、それであればきっちりサブ3.5を取りに行くようにしましょう。

ただ、現時点で水戸の10/26天気はあまり良くなさそう。。

気温は20度。そして雨。。。
どんな感じのコンディションになるのか心配なところです。

シャンフロ24

シャンフロの24巻が出てます

シャングリラ・フロンティア(24) ~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~ 

シャンフロもキングダムも、Webでそれほど露出してこないので、毎回単行本が出るのが楽しみです。

徐々にワールドストーリーが進んいくのはいいのですが、出てくるプレーヤーがリアル世界でもサンラクの周辺人物つながりばかりなのは、これいかに・・・

まぁ、そんなものといえばそんなものですね。
シルビアが登場するのも時間の問題でしょう

ギミックにギミックを積み重ねたような世界観のシャングリラフロンティアですが、これ、本当に人が独自に考えたという結末を迎えるのかが正直気になるところ。

異世界ネタに話がいかないとは思いますが、うーん。

まぁ、楽しみに続きを待つことにしましょう

今更ながらインターステラー

タイトルの通りではあるのですが、今更ながらインターステラーを見ました

Amazon.co.jp: インターステラー(字幕版)を観る | Prime Video

2014年だったんですね!
もう10年以上前なのか。。

Amazon Primeに出ていることは知っていてもなかなか映画は時間かかるので見なかったのですが、先日Podcastで話題になっていたので気になって見てしまいました。

#21 林修の「今でしょ!」は物理学的に“今”なのか?(野村泰紀さん前編) – 原宿の今じゃない企画室 | Podcast on Spotify

原宿さんの話は相変わらず面白かったのですが、映画も面白かったです。
久しぶりに見入ってしまいました。

親子愛や兄弟愛には弱いところです

原宿さんのPodcastでも話としては出てきていますが、時間の概念がずれるというのはどういうことなのか。
そういうものなんだよ、というしか無いのでしょうけれど、やはりピンとこないのが正直なところです。

最後の最後は、ちょっと”?”って感じの終わり方になってしまいましたが、それでも約3時間の長丁場。
これ以上伸ばされても大変ですしね。

仕事がバタバタしている今日だからこそ、すべてをうっちゃって見るのも悪くないですね。
明日のことは明日の私がなんとかするでしょう。。。

PLURALITYを読んだ

オードリー・タン、グレン・ワイル著「PLURALITY」を読んだ

PLURALITY 対立を創造に変える、協働テクノロジーと民主主義の未来

Audibleのおすすめに出てきたので、なんだろな?と思って聞いていたのですが、18時間ものの長さ。
そして、思想や理論、概念が盛りだくさんな内容だったので、正直言って聞くのが辛かった。辛かったのだけれど、書籍だったらそれはそれで挫折してしまっていたかもしれない。

その長い本書ではあるけれど、出てくるキーワードとしてはそれほど多岐にわたっているわけではなく、オープンソース技術の活用と規範・協調型のテクノロジー利用・多様性のある社会の実現といった具合だったように感じる。

本書自体もオープンソースで書かれていて、Githubのリポジトリは下記にある

pluralitybook/plurality: ⿻數位のルートリポジトリ Plurality: The Future of Collaborative Technology and Democracy by E. Glen Weyl, Audrey Tang and the Plurality Community

GitCoinなどBlockChain周りの話題に、最近そのあたり見てないなーと思いながら聞くことはできるのだけど、ちゃんと理解しようとするにはやっぱり本が欲しくなりそう。

いろいろな問題に本書は触れているが、結局のところそれを受けて自分が何をするのか?がちょっと難しい。
うーん、虹彩でも登録しに行きますかね。。

近くにOrbあるんだっけかな、、、
The Orb by World.org | Find an Orb Location near you.

HBR 2025年11月号

今月のHBRテーマは「戦略を機能させる」でした。

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2025年 11月号 特集「戦略を機能させる」

折しも、Podcastで「ぼくらの戦略論」を聞き始めたばかりだったので読んでは見たものの、やはり経営関連の話になってしまうので、自分事として考えるのが正直難しい。

ぼくらの戦略論 | Podcast on Spotify

ぼくらの戦略論では、戦略はあくまでHOW(どうやるか)の最上段という位置づけ。
そもそもの問題として、当たり前ではあるけれどWHYとWHATをしっかりと持っていないと意味がなく、その部分が圧倒的に自分には欠けているようにも感じる。

結局、そのばその場の思いつきや興味、好奇心で動いているのであって、なんでそれをやるのか?は楽しそうだからという話になってしまう。
それがWHYでも良いのかもしれないけれど、だとするとそれに対してのHOWはどんなものになるだろうか。

記事「戦略を機能させ、企業価値を高める法」で問いかけられている「我々は勝っているのだろうか?」という問い。

ちょっとドキッとした。
何かしら物事を進めるときに、成功や勝利をどう定義するのか。

幼女戦記(3) 

個人としての戦略、会社に務める社員としての戦略、会社組織の戦略。
それぞれの立場でのそもそもの勝利条件とは何になるか。何を目指すべきか。

はっはっはー。
よくわからんすね。

そもそもこういう計画めいたことを考えるのが昔から苦手なんですよね。。。
大丈夫なのか。自分。

ベートーヴェン捏造

かげはら史帆著「ベートーヴェン捏造」を読んだ

ベートーヴェン捏造: 名プロデューサーは嘘をつく

映画化されたということで、ちょうどAudibleの対象になっていたので読んでみた。
前情報は何も見てない中で、タイトルだけ見てベートーヴェンが捏造したのか。ベートーヴェン作と捏造したのか・・?と想像していた。

内容としては、一時期ベートーヴェンの秘書だったというアントン・フェーリックス・シンドラーという男の伝記?とも言うような内容。

クラッシックに疎い私でも、ベートーヴェンが耳を患っていたという話は聞いたことがあった。
そもそも耳が聞こえない状態で作曲なんてできるものだろうか?とは思っていたが、会話をどうしていたのか?に関しては考えたこともなかった。
どうやら、ベートーヴェンは喋り、相手は筆談というスタイルだったようで、本書ではそこで用いられた”会話帳”をキーとしてベートーヴェンやその周囲の人間模様が紐解かれている。

あとがきでも書かれていたが、本書ではわざと現代っぽい、口語で書かれている箇所が多い。
Audibleで聞くと、淡々と語られるので若干違和感を感じなくもないんだけど、それはそれで面白かった。

それにしても、過去の人物像や逸話のようなものを把握するには、結局のところ当時の著作物に頼らざるを得なく、本書で書かれているシンドラーのような事があると、何が真実で何が捏造か。仮に捏造だとわかったとしてもどこまでが捏造なのか?など分別するのは難しいということを突きつけられている出来事なのだと改めて思った。

これがベートーヴェンのような有名人ですらおきているのだから絶望的だ。

いやー。難しいですね