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すべてがFになる

Audibleで森博嗣著「すべてがFになる」を読んだ

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&Mシリーズ

ちょこちょことタイトルは聞いたことのあった作品ですが、実際に読んでみたのは初めて。
最後まで面白く読まさせてもらいました。

出版が1998年ということで、書かれている時代背景というかIT関連の前提みたいなものは今読んでみると随分変わってしまったなとしみじみ思うところ。
98年当時、VRなんて全然だったなー。
登場する人物。特に警察関係者のITに対する理解の浅さはそういった時代背景を知ってないとなかなかピンとこない事になりそう。

すべてがFになる

読み進めていく中で出てくるキーワードですが、F=16進数はIT業界にいる人間だったらすぐにわかると思う。
ただ、私は「すべてがFになる」で思いついたのはカラーコードだった。
このあたりは、各章のタイトルが色だったこともあって、思考がそちらに誘導されてしまったのかもしれない。

してやられた形だろうか。

舞台となった日間賀島は実際に三河湾に存在する島で、作中では私有地となっていましたが民家や民宿もある普通の島。
知多半島や渥美半島からも高速船が出ているようですね。

日間賀島観光ナビ【タコとフグの里海】日間賀島観光協会の公式サイト

私は実家が愛知県は豊橋なので、フェリーの出る伊良湖岬もよく小さいときは行きましたので、作中で三河湾が出てきたときはちょっと嬉しくなりました。

本書は調べてみると、シリーズものの第1作ということ。
ということは、この先も本作で出てきた中心人物たちは登場する機会がありそうと思うと、続きが気になります。

引き続き読み進めていきたいと思います。

クルーシャルカンバセーション(2)

昨日に引き続き、書籍「クルーシャルカンバセーション」から

クルーシャル・カンバセーション ーー重要な対話のための説得術

クルーシャルカンバセーションにおいて大事なことは、先に書いたようにクルーシャルカンバセーションだと正しく認識することだと考えている。

また、難しさは自分の本当に望んでいることはなにか?という問いかけを正しく行うことができるか?ではないかと思っている。

コミュニケーションにおいての自分の本当に望んでいることとはなにか。
それは自分がどうしたいのかもあるが、相手にどうあってほしいかでもあると思う。
そう考えると、どれだけ相手のことを考えているかということが問われているようにも思う。

  • 本当に望んでいることはなにか
  • 自分に望んでいることはなにか
  • 相手に望んでいることはなにか
  • 相手との間にどんな関係を望んでいるのか
  • 心から望んでいる結果を得るためにどう行動すればよいか

うーん、これをどの単位で考えるか?ですね。

仕事で言うのであれば、部門・組織に対しての話もあればそれより小さいチームという単位。また、日常的な話としてはメンバー一人一人という単位で考える。

そう考えると、これまでいかに適当なコミュニケーションを取っていたのかということがわかる。
何度もメンバーの面談をやっていて話を聞いているようで、ただ聞いているだけであったのかもしれない。

本書にも書かれているように、組織におけるコミュニケーションは最終的に行動へ移されるべき。なんのためにコミュニケーションの結果は行動に移されるべきだ。
なんとなくコミュニケーションを取った気になっているだけで、結局のところ行動が変わらなければただの自己満足になってしまう。

序盤で出てきたジョージ・バーナード・ショーの言葉が痛く刺さる

コミュニケーションにおける最大の問題は、それが達成されたという幻想である

1on1などを頻度持ってやって、自分自身はコミュニケーションに対してケアをしているつもりであっても、実のところ意味をなしていないということに気づく。
それでも気づいてしまった以上は改善していく必要がある。

もっと早くこの本に出会えていれば良かった。
でもまだ遅くないはずだ

クルーシャルカンバセーション(1)

ちょこちょことBlogでも紹介しているクルーシャルカンバセーション。
正月休みを利用して読み終えることが出来ました。

クルーシャル・カンバセーション ーー重要な対話のための説得術

GitLabのハンドブックで紹介されていたことをきっかけに読むことになった本書ですが、非常に勉強となる一冊でした。

クルーシャルカンバセーションとは

本書で言うクルーシャルカンバセーションとは「(一)重要な結果、(二)反対意見、(三)強い感情を伴う、二人以上で行われる話し合い」としている。

評価面談や重要な会議などはもちろんのこと、日常的な会話や雑談から急に重要な会話に発展・転換することもよくある。
あらかじめ重要な会話とわかっていれば心構えもできるものだけど、急に訪れる会話はその流れから重要性に気づかないまま進めてしまい、意図しない結果を産んだりする。

本書に従ってストレス下におけるコミュニケーションスタイルを測ってみると、私は沈黙するタイプ。
心当たりは多い。

逆に言うと、そういう状態になったということを認識することができれば、その状況はストレス下にある可能性が高い。
更に、クルーシャルカンバセーションである可能性も高い。

感情とストーリー

クルーシャルカンバセーションにおいて、適切なコミュニケーションが取れなくなるのはいくつか理由があるけれど、本書を読んで一番自分にとって学びになったのは、感情が邪魔をすることで本来の自分の目的を見失わせてしまうということだった。

特に、相手に対してのストーリーに関する認識が面白かった

事実に対して、どう感じるのか?それはその事実を元に、”架空の”ストーリーを創り、それに対して感情が生まれるということ。

つまり、感情は勝手に自分で作り出してしまったストーリーによってしまう。
そのストーリーが正しいとは限らないにも関わらず。

相手の考えや状況を正しく認識していない状況下で作り出したストーリーが元になっていると考えると恐ろしい話。
ただ、このストーリーを創り出したときには自分の認識下においては絶対的に正しいと信じ切ってしまっているところが更に恐ろしい話。

そして、そのストーリーが誤っていることに後で気づいて発言に公開するとともに「なんで言ってくれなかったの」と、言い訳をする。

思い当たるフシが多すぎる。。。
まずは、この会話がクルーシャルカンバセーションであることを認識し、一歩引いて冷静になることが第一になる。

本音を探り共有認識を持つ

そもそも、会話の目的。
自分自身がどうなるといいのか、本音を探るというところが正しく出来ていないと冷静になったところで、どうすれば良いのかに向かうことが出来ない。
まず、相手との云々の前に自分自身の本音と向き合う必要がある。

そのうえで、相手のストーリーを正しく認識して共通の目的を得るために共有認識のプールをお互いに満たしていく必要がある。

自分自身のストレス下におけるスタイルがあるように、相手にもスタイルがある。
共有認識のプールを満たすためには相手に会話して貰う必要があり、ここには本書でもいくつかのテクニックが紹介されている。

ただ、そもそもの話としてそういう状況にあるということを認識すること。
それが出来ていないといくらテクニックに関しての知識を得たところで正しく使うことが出来ないだろう。

自分自身が構築したストーリーを疑い、相手への敬意を持って対話に臨むことをまずは意識しなければいけない。

私は冷静にあろうと思いつつも感情的になりやすいと認識している。
以前よりはだいぶマシになったのだろうけれど、感情に振り回されてしまうことは多々ある。
今年はまず、ここを注意して日々の会話をしていきたいと強く感じている。

すぐ死ぬんだから

内館牧子著「すぐ死ぬんだから」をAudibleで読んだ

すぐ死ぬんだから

主人公は78歳の女性。
夫に先立たれた挙げ句に実は不倫されていて子供もいる。
そんな主人公の老後を描いた作品ではあるんだけれど、かなり主人公はひねくれている。

まぁ、この状況下ではひねくれないほうがおかしいのかもしれないけれど、基本的に相手に対して上位であり続けようとする姿を品格と問われると、うーんと思ってしまうのは正直なところ。

外見を磨くということを強く意識する主人公ではあるけれど、実際のところ主人公自身も昔からそうだったわけではない設定。

その中で相手をひたすらに罵倒し続ける情景というのはあまり読んでいて痛快だとは思わなかった。
それでもこの著作に対して痛快で気持ちいいという感想がつくというのは、それだけ共感を得ているということなんだろうか。

このあたりは、男と女の考え方の違いで私がそれに対して強く共感することが出来ていないのかもしれない。
どうなんだろう。

しかし、この主人公たちの設定年齢まで到達するのに私はあと約30年。
30年である。
ちょっと想像がつかない。

30年後、自分はどんな老人となっているのだろうか。
隣には妻はいるのだろうか。
どんなことを考えて日々を送っているのだろうか。

どんな形であれ、著作の中にあった「平気で生きている」というような心持ちで前を向いて生きていけるよう、今を生きていくしか無いんだろう。

Software Design1月号

Software Designの1月号が届きました

ソフトウェアデザイン 2026年1月号

今号の特集は「LLMのしくみ」「アルゴリズムはどこに効く?」という形。

LLMの概略で終わらず、内部の計算まで踏み込んでいるのですが。。。うーん、正直ここまでの理解はどれだけの人が必要になるのだろうか?と思ってしまう内容でした。

かなり賛否が分かれそうな印象です

賛否といっても、別に駄目ってわけじゃないのですが、本当にそこまでの内容を理解する必要があるのだろうか?ってのが正直わからないところ。
最近のAIは進化速度が早いので、このあたりを理解したほうが良いものが作れる!ということで理解しようと頑張っている間に、理解しなくても作れるレベルが上がっている気がします。

そうなると、このとっつきにくいあたりに労力をかけるのは本当に良いのだろうか?という気持ちが生まれてしまい、頑張るインセンティブが薄くなってしまうのですよね。

もちろん技術者として抑えておいたほうが良い領域なのだろうとは思うのですが時間も有限なので。
直接自社でそういう開発を行っている部門に所属していればまた考えも違うのだとは思います。

データ分析とSQLエージェント

新連載として「データ分析とSQLエージェント」が始まりました。

今号ではSQL文を生成させる際の課題に関して。なんとなく書いているSQLもこうやって分解して考えると色々考えることがあるな、と思い知らされます。

LLMを使う際には何においてもそうなのですが、どうコンテキストを伝えるのか。
意図をどう言語化するのかに頭を悩ませられます。

このあたりは、ハイコンテキストな言語を使って日常を送っている日本人の課題が大きいようにも感じます。

データ分析の古典的なプロセスとして紹介されていたCRISP-DMというのは、恥ずかしながら知りませんでした。
まぁ、データ分析自体をしっかりと取り組んだことがないのでわからないものなのかもしれませんが。。。

CRISP-DM – AI用語集(G検定対応)

ぐぐったら、G検定の問題にもなっているようですね。
ただ、よくよく見返してみると、何かしら特別なことが書かれているわけではないようにも思えます。

この先、この連載がどのような展開を見せていくのか、楽しみです

その他

今号は第2特集のアルゴリズムでもそうでしたが、数式多めの号でした。マイナンバーカードの暗号化技術も面白いといえば面白いのかもしれないですが、知って何に使えるだろうか?を疑問に思ってしまうと読み進めるのがちょっと辛くなる。

かと言って、簡単なものばかり載せているのだと面白みが減ってしまう。。。と。難しいものだなぁと思ってしまった。

まぁ、そういう感想をいだけただけでもめっけ物なのかもしれないですね

なぜ自分が正しいと思うのか

自分の観点で”きっとこうだろう”と思ったことが、実際のところそうではなく単純に自分の認識間違いだったり、そもそも自分のミスから生まれていることだったりということはこれまでも散々あった。

なのに、なぜ似たような過ちを繰り返して、自分の認識が正しいと思ってしまうのか。

読み続けている書籍「クルーシャルカンバセーション」でも

実際に、自分の意見が絶対に正しいかどうか、自分が事実を完璧かつ完全に理解しているかどうかわからないからだ。実際以上に確信がないふりなどする必要はない。だが、自分の判断能力には限界がある。それ以上に確信があるふりをしてはいけない。自分が見聞きしたことが間違っている場合もある。ストーリーは知識に基づいた推測に過ぎない

そう、事実とそこから”勝手に自分が作り出したストーリー”とを混同してしまう。
しかもごく自然にものすごいスピードで。

そしていつもの通り愚かな過ちを繰り返してしまう。

本書を読んでいると、日々いかにコミュニケーションでの失策が多いかを身につまされる。
気をつけないといけません。

ランナーズ2月号

定期購読しているランナーズの2月号が届きました

ランナーズ2026年2月号

開けた途端にトランプマンさんが出てきて吹き出しそうになりました。
すごい懐かしい!

そして、月間走行距離は150km前後ということですが、チャレンジ富士五湖やサロマ湖などのウルトラマラソンにも出場されているとのこと。
すごいですね。

この格好で走っているわけではないので、流石にわかりませんが実は隣を走っているのがトランプマンさんだった!なんてこともあるのかもしれません。

筋トレ

今月号の”プレイバックランナーズSince1976”は筋トレ大全ということで、これまで誌面で紹介されてきた筋トレが色々と紹介されています。

筋トレ。なかなか続かないんですよね。。。
サブスリーを目指す身としては、ベースアップを図る必要があるので筋トレは必須と考えているのですが、うまいことタイミングが合いません。

Garminのプランでも、予定よりランを多くしたりするとすぐに筋トレプランがどっかへ行ってしまったりしてしまう。
立ててくれるプランとは別に、自分自身でしっかりと計画を立てる必要がありますね。

良いルーチンを作っていかないと行けないと改めて感じる次第です。
曜日を決めてやらないとですね。。。

AI活用

走力向上にAIを活用ということでいくつか事例が載っていました。

私も過去に、RunmetrixやGarminのデータを食わせてサブ3.5行けそう?って聞いてみたのですがあまり参考になる答えが帰ってきませんでした。
というのも、日々のデータってジョグも多く入っていたりするので、そのデータを見てサブ3.5行けるか?って聞かれたらそりゃ難しいですって答えになるんですよね。

そうなると、各ランの意図などを含めた情報を作って連携しないといけなくなり、うーんって感じでやめてしまいました。

活用談3として書かれていた下記の情報を食わせるやり方は面白いかな、と思いました。

早速試してみる

これから先のマラソン大会へ出場するに当たってのトレーニングプランを考えたいです。 ・自己ベスト:3時間21分08秒(フルマラソン) ・これからの出場レース:2026年 1月18日第45回フロストバイトロードレース (大会詳細)、2026年 2月8日さいたまマラソン2026 (大会詳細) 、 2026年4月19日チャレンジ富士五湖(120km) ・ロング走をする曜日:土曜日か日曜日 目標:さいたまマラソンでサブスリー。チャレンジ富士五湖は120km完走

この目標を達成する上で必要となるトレーニングのチャレンジ富士五湖までの大まかな概要と1月末までの日別のトレーニングメニューを作成してください

上記のプロンプトをClaude Opus4.5に考えさせてみた結果がこちら(一部抜粋)

特に指示は出していなかったけど、何故かDOCX形式で作り始めた。マークダウンでも良い気はしたんだけど。

見てみると、ランニングメニューしか無いので、このあと筋トレの必要性を聞いて、メニューに入れ込んでもらったりしました。
実際のところ、Garminでやろうとするとこの情報をカレンダーに登録しておかないと手動で計測することになるのでうーんというところ。

カレンダーへの登録はAPIが無料ではないのでGarminConnectから手動で。。面倒だなぁ
となると、楽なのはChrome拡張を作って、自動登録させる、、なんてことができれば良さそうですね

ちょっとどこかで試してみたいところです。

これはクルーシャルカンバセーションか?

少しずつですがクルーシャルカンバセーションを読み進めています

クルーシャル・カンバセーション −−重要な対話のための説得術

きっかけとしては、以前読んだ「GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくり」で紹介されていたGitLab Handbookで本が紹介されていました

Crucial Conversations | The GitLab Handbook

色々と考えさせられる本で、相変わらずの遅読ですが学びになっています。

ここで言うクルーシャルカンバセーションは下記のようなものです

(一)重要な結果、(二)反対意見、(三)強い感情を伴う、二人以上で行われる話し合い

必ずしも評価面談のような最初から予想のできる重要な会話・対話の機会に限らず、日常的な会話から急に重要な分岐点となる会話に変化することがあります。

ただ、その時にその変化に対応せず流れで進めたり、感情のまま進めることで”本来自分が望みたい結果”ではなく”眼の前の会話に勝利する”ための会話になってしまったりする。

思い返すと恥ずかしくなります。

謝罪してやり過ごすのでもなく、へりくだるわけでもないので非常に難しい。
というか、自分の感情との付き合い方なのかもしれません。

まだ半分くらいしか読めていませんが、それでも「あれ、この会話はクルーシャルカンバセーションになっていないか?」を意識するようにしています。

それだけでも随分と自分の行動は変わるもの。
残りも読み進めていってより良い会話ができるようにしていきたいです

サーバントリーダーシップ入門

サーバント・リーダーシップ入門

入門となっている本書は、サーバントリーダーシップに関しての背景や著者二人の対談などを通してどんなものであるかの解説を行っている。

サーバントリーダーシップという言葉を聞いたのは随分と昔の話だなぁと思って発売日を見ると、2007年。
もう18年も前の本なんだな、と気づく。
当時はサーヴァントと聞くとFateのことしか思いつかなかったものだ。

世の中的に、今のリーダーシップ像がどうなっているのだろうか?はあるのだけど、現代においてサーバントリーダーシップで語られている話はだいぶ受け入れられているようにも思える。
考え方自体は受け入れられているとは思うのだけど、それはリーダーなのかマネージャなのか?となるとちょっと考え込んでしまう。
人を支える。という意味においてはマネージャのほうがしっくり来るんですよね。

グリーンリーフがサーバントリーダーの持ち味として以下を出している

  1. リードするという個人の側の意識的なイニシアチブ
  2. 大きな夢、ビジョナリーなコンセプト、究極のコミュニケーション
  3. 傾聴と理解
  4. 言語と想像力
  5. 控えることを知っている
  6. 受容と共感
  7. 感知力、予見力
  8. 直感、信頼、決断
  9. 見通し
  10. 気づきと知覚
  11. 説得上手
  12. 癒やしと役立ち

半分くらいはサーバントリーダーとしてわからなくもないけれど、別にサーバントリーダーじゃなくても、というのが正直な感想だ。

本書でも語られているけれど、トップダウンで物事を決めていく従来型のリーダーシップと、フォロワーにつくすというか、フォロワーが動きやすいようにフォローしていくようなサーバントリーダーシップ。
それぞれ必要な場面は存在すると思うので、どちらかという話ではないんだと理解はしている。

そしてどちらを選ぶかは、チームが何に対面しているかにもよるし、チームメンバーの成熟度というかなんというか、そういうものにも左右されてしまう。
自走が難しいからこそフォローをする必要があるんだろうけれど、フォローで方向性に関してうまいこと向かわせることができるのだろうか?
そもそも、この”向かわせることが”って考えている時点で違うのかもしれない
うーん

まぁ、とりあえず引っ張るだけがリーダーじゃないよ!ってところと、当時と今では前提がちょっと変わってきているものもあり、その変わることへの一役を買っていたんだろうと思うことにした。

プロジェクトマネジメントの本物の実力がつく本

Audibleで「プロジェクトマネジメントの本物の実力がつく本」を読んだ

書名: プロジェクトマネジメントの本物の実力がつく本 組織力・コミュニケーション能力・リーダーシップ・キャリア構築力を全部鍛える
著者: 橋本将功
出版社: 翔泳社
発売日: 2023年10月19日

本書は、いわゆるプロジェクトマネジメントの手法が書かれているわけではない。どちらかというと、マインドセットや組織のあり方といったものが中心となっている。

プロジェクトマネージャー一筋23年の著者が、これまでに経験した失敗から学び得た知見を注ぎ込んだ一冊で、組織力・コミュニケーション能力・リーダーシップの3つの能力を高めるための考え方と行動が丁寧に解説されている。

印象に残ったキーワード

本書を読んで気になったワードをいくつか挙げる。

  • 組織のマネージャとプロジェクトのマネージャを兼任しない
  • ブリリアントジャーク(有能だが組織に対して悪影響を与える人材)
  • 防衛戦・撤退戦となるプロジェクト
  • いつまでプロジェクトマネジメントをし続けるのか
  • フェーズにおけるプロジェクトマネジメントの労力
  • プロジェクトマネージャへの評価と待遇

思い返して特に記憶に残っているのは、「防衛戦/撤退戦」という考え方と、プロジェクトマネージャへの評価・待遇、そして組織マネージャとの兼任に関してである。

防衛戦と撤退戦という考え方

私はこれまで「負け戦に挑む」と表現していた。どう考えても最初から負け戦になるのが目に見えているプロジェクトは存在する。すでに炎上しているケースが一番わかりやすいが、そもそも内容的に無理なのではないかというものを、政治的な理由や業績的な理由で受けざるを得ない状態がそれに当たるだろう。

本書では、それらに対して「最終防衛ラインをどこに置くのか」を定めるべきだと述べている。なるほどと思った。

これは「勝利の定義をどこに置くのか」という話と似ているが、たとえば「プロジェクト完了時に誰も辞めていなければ勝利」といった定義や、場合によっては「プロジェクトを終わらせること」自体を勝利条件として設定せざるを得ないこともあるだろう。

何かしらのライン、目標を持たないと、精神的に全員が潰れてしまうか、ゾンビのような状態になってしまう。このあたりは心の持ちようとして意識していきたい。

プロジェクトマネージャの評価という課題

プロジェクトマネージャの評価に関しては、正直答えが思いつかない。

会社組織における人事制度として、プロジェクトマネージャという職種がどこまで定義されているだろうか。職階としてのリーダーやサブリーダー、マネージャという位置づけはあったとしても、プロジェクトマネージャというのはプロジェクトにおける役割であって、組織上の職階として定義されていないのが私の所属組織である。

そうなると、もちろん評価のタイミングでその業績に基づいて評価は行うが、「プロジェクトマネージャという功績に対しての評価なのか」と問われると悩ましいところだ。技術職上のスペシャリスト的な位置づけとして、プロジェクトマネージャの職階を作ってしまった方がすっきりする気もする。

組織マネージャとの兼任問題

私自身は、プロジェクトマネージャとして動くこともあるが、最近は組織のマネージャに軸足が移ってきている。そもそも、しっかりとプロジェクトを導いていくような難易度の高いことは私には厳しい(組織のマネージャが難易度が低いというわけではないが)。

しかし、兼任している方が世の中的にも圧倒的に多いのではないだろうか。もちろん、何をプロジェクトとして捉えるのかは現場や組織によっても違いはあるだろうが、結局プロジェクトマネージャができる有能なメンバーは、評価された結果、組織のマネージャに任命されそうである。

人事制度として組織のマネージャの方が給料が高い傾向にあり、ある程度昇進してきたら組織を任せる立場に上げないと給料が上がらないという、なんとも本末転倒な理由がありそうだ。このあたりは大きな課題になっていると感じる。

最後に

本書は、プロジェクトマネジメントの実践的な「実力」を身につけたい人、特に新規事業やDXに携わるマネージャー、受託プロジェクトのマネージャー、キャリアアップを図りたいプロジェクトメンバーにおすすめの一冊である。単なるテクニックではなく、プロジェクトマネージャとしてのキャリアや組織との関わり方まで含めて考えさせられる内容だった。