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農業で1000万円!

先日、書店で面白いタイトルを見つけ思わず購入。

週2日だけ働いて 農業で1000万円稼ぐ法
堀口 博行
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 2095

最近は”就農”なんて言葉まで出てきている。農業に対するイメージだとか考え方というのはだいぶ変わってきているのではないか?
私も実家は畑に囲まれているような場所なのでちょっとのんびりとした田舎暮らしも嫌いじゃないぞ!って事で楽しみにしていた。ほとんどジャケ買いである

前提条件がいろいろとある

本書では週末のみの就業で年商1000万円という事をうたっているのだが、前提条件として

  1. 妻は専業主婦(基本的に手伝い)
  2. 親も手伝ってくれる
  3. 何よりも田舎。結構田舎。っていうか北海道

という事がある。実際に著者はそれだけの年収を得ているのだろうから不可能ではないとは思うが、他の人に適用できるかというとかなり限定されるのではないだろうか。
お手伝いに関してはアルバイトという手は確かにあるのかもしれない。ただ、注目が集まっているとはいえ農業のアルバイトがどれくらいいるだろうか。。。
そしてやはり問題なのが場所。
この条件が整って、なおかつ会社勤めが続けられる場所というのは…。また、要所要所で北海道特有の発言が見られている。もう少し一般性を加えて出版するべきではないかと思う。
もしくは、売る場所を考えるか。

ちなみに千葉ではどうなの?って妻に聞いてみた(ちなみに妻はどちらかというと、農業指導を生業としている。普及員の資格も持っていたりする)。

かえる「どっかこのあたりで農地余ってない?」
妻「ない。っていうか、あったとしても果樹」
かえる「え」

結局、場所によって作っているものは違うわけで、都合よく自分が作りたいものを作る事が出来る畑を手に入れることができるのかはわからない。

何か得るものはあるのか?

ない
色々考えたがない
・・・
うーん。私はあまりお勧めはできないかな。。。。

安全なWEBアプリケーションの作り方

ふと思うところがあって手に取ってみた

体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 脆弱性が生まれる原理と対策の実践
徳丸 浩
ソフトバンククリエイティブ
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WEBアプリケーションそのものの開発には関わっているものの、自分自身がそのすべてを作っているわけでもないし、そもそも対象としているシステムが「基本的に社内で運用」という前提が付いているので、少し弱い分野。
これまでもセキュリティ系の書籍は読んだことはあって、脆弱性のいくつかは確かに知っている。
ただ、項目を知っているのとそれの対応が正しく取れる。また、”ぜい弱性を指摘できる”と言うのはイコールにならない。
たぶん、どれだけ経験したのか?と言うことが、やはり一番なのではないか。

単純に目次だけを見るのであれば、先日第5版が発表されたIPAの「安全なWEBサイトの作り方」で十分に範囲を抑えていると言える

安全なWEBサイトの作り方 (IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/documents/website_security.pdf

安全なSQLの呼び出し方 (IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/documents/website_security_sql.pdf

・・・・
なんか、目次にてるな・・・。
と言うか、よくよく見てみるとSQLインジェクションの例題なんて全く同じだし

って、こっちの作成にも徳丸さん絡んでるじゃん(笑)
そりゃ似たようになるよね。

WEBアプリケーションの作り方

当初、本書を手に取ったのは純粋に”セキュリティ対策”的な意図だった。
そういう意味で、本書ではVM環境を用意して実際にぜい弱性を体験できると言う素晴らしい教材だと思う。

ただ、一通り読んでみて思ったのは、タイトル通り「WEBアプリケーションの作り方」何だな、ってこと。
純粋なコーディングに限らずWEBアプリケーションに関わる周辺技術を含んで説明されている。
もちろん、これを読んだからと言ってWEBアプリケーションが作れるか?と言うとまず作ることはできない。
ただ、網羅的に周辺技術に対して”セキュリティを意識して”学ぶことができると言うのはいいなと思った。

先に書いたとおりぜい弱性との戦いは経験もある程度あると思う。
今ある技術の裏をどうすればつくことができるのか?と言うのは繰り返し行われてきたことだし、昨今の新技術目白押しの状況下においてはそれぞれの対策が必要になるだろう。
どこまで柔軟に考えることができ、幾重にも予防線を張っておくことができるか。

セキュリティを意識するうえで、まず最初に読む本としてちょうどよさそうだ。

貧乏入門ってなんだ

小池龍之介著「貧乏入門」を読んだ

貧乏入門
貧乏入門

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小池 龍之介
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 24177
おすすめ度の平均: 3.0

3 経済的考察が薄い
3 自分への戒めとして

目次

  • 序章 私の豊かな貧乏暮らし
  • 第一章 持ち物を減らす
    • 1 持ち物が増えると、心の中が散らかる
    • 2 捨てる技術
  • 第二章 なぜお金を求めるのか?
    • 1 なぜ、いくら物があっても幸せになれないのか?
    • 2 なぜ、お金を貯めたがるのか?
    • 3 欲望のメカニズム
    • 4 欲望に対する三つのスタンス
  • 第三章 ほんとうの幸福 まやかしの幸福
    • 1 不幸になるメカニズム
    • 2 幸福になるメカニズム
    • 3 仏道的集中力の高め方
  • 第四章 幸福になるお金の使い方
    • 1 不幸になる金の使い方
    • 2 欲しいものではなく、必要なものを買う
    • 3 「必要リスト」と「欲望リスト」
    • 4 私の豊かな貧乏暮らし パート2
      • 衣を増やさない
      • 線香と携帯電話、どこまでが「必要」か?
      • 自転車の理由
    • 5 ケチることの害毒
    • 6 さらに幸福になるお金の使い方
  • おわりに
    • 「革命」へのチャンス

本書でいうところの”貧乏”というのはいわゆる”お金がない”状態ではなく”お金に左右されない”状態。
お金があったとしても、なかったとしても大丈夫な心の持ち方だとか生活。そういうものを薦めている。

なぜ人はお金持ちになりたいのか

本書では欲望というものに対してのメカニズムを考え、そのうえでなぜ人はお金を欲するのかということに関して言及している

つまり、お金は、それをたくさん持っていれば持っているほど、自分を脅かされる度合いが減り安心できる。いわば、自己防衛と安心のための道具なのです
だからこそ、人は蓄積しないではいられない。お金が増えるということは、世界の中で自分が自由に支配できるものが増えるということであり、お金が減るということは、世界の中で自分が自由に支配できるものの数が減るということです。(P.71)

そして、それらに関しては言ってることは分かるけど、キリがないよねって言うわけだ。

たぶん、そういう考えがあること自体は分かるし、キリがないという話に関しては私も同意する。ただ、だからと言って”欲望”というものを本当に意識しない。考えないことがいいことなのか?ということに関しては疑問だ。
本書の中には「所有欲」というモノに関しても話題としている

色々な物を持っていれば、そういう自分を周りの人はそれなりに評価してくれます。自己評価だけでは自分を支えられないので、ほかの人の視線も補助台にするわけです。自己評価と他社評価の二本で支えようというわけです。
ただ、これは、危険な自転車操業です

ここでは”物”をそういう形で出してはいる。確かに物を持っているということに関してはそういう側面もあると思う。
だからと言って、捨てましょうという話になってしまうのはどうだろう。読んでいて思ったのはその”物”というのは、この著者の”物”に対する見方は丸々”人”にも置き換えることができてしまいそうだった。

  • 人と付き合っていると、その人のことが頭をよぎってしまう
  • 多くの人と付き合っていると、それだけ頭の中にノイズが走る
  • 人付き合いをやめよう

自分はこんな人と付き合っているんだぜ、と、周りに見せつけるための人脈。自分はどういう人たちと付き合うようなレベルの人間なんだぜと自分で思うための人付き合い。そんな付き合いを繰り返している人もいるし、自分にそんな気持ちがほんの少しもないって言いきることも難しい。それに対して、自分に対して「そんな出会いや付き合いから生まれる何かもある」っていいわけしているのかもしれない。
もちろん、本書の中にはそんなことは書いていない。”物”に関しても本当に必要なのか厳選して考えようって話なので”人付き合いも人をちゃんと選べよ”ってことなのだろう。
ただ、そこまで言ってしまうと、悩み相談をしている著者の考えとはちょっと合わないような気もする。

いくつかの気づきはあるものの、”欲望(願望)こそが成長を促すのでは?”という疑問に関しては答えは出ずに、”本当のところどうなのかな~?”って思いが残った。
さてはて。困ったな。
欲を捨て去るなんてことは自分には難しいと思うし、それでいいとも思っている。
もちろん、欲に自分自身が動かされるような事態だけは避けないといけないとは思ってはいるが。