読書感想文」カテゴリーアーカイブ

魔王

週間サンデーで連載されている「魔王」ちょっと変わった感じが好きで楽しみにしています。先日naokiさんのところで魔王が取り上げていて

漫画版魔王の第一章がクライマックス
ようやく小説魔王の最後の部分に差し掛かり、今週で安藤の限界突破により犬養を止めることは出来なかった所まで。・・・

http://d.hatena.ne.jp/naoki0311/20080910/1221009983

む。これ小説が元だったのか・・・。と言うわけで書店にちょうど置いてあった文庫本を購入しました

魔王 (講談社文庫)

魔王 (講談社文庫)

週末を利用して読んだのですが・・・。うーん、色々と推測で物事が進んでいって結局よく分からなかった。後々調べてみると、漫画のほうは他の作品との合作なんですね。話がかみ合わないわけだ。でも、どちらかと言うと漫画のほうがやっぱり分かりやすいなぁ。

しかし、蝉と鯨。気になる・・・・。これはグラスホッパーも読むべきだろうか。。。。何はともあれ明日はサンデーの発売日。漫画「魔王」がどうなるのか楽しみである

魔王 5―JUVENILE REMIX (少年サンデーコミックス)

魔王 5―JUVENILE REMIX (少年サンデーコミックス)

ビジネスマンのための40歳からの本を書く技術

三輪 裕範さんが書いた「ビジネスマンのための40歳からの本を書く技術」を読んだ。

ビジネスマンのための40歳からの本を書く技術
三輪 裕範
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 4120

本書の著者は、サラリーマンでありながら7冊の商業出版を成し遂げている。昨今の勉強本ブームはその殆どがインプットに対するもの。本書ではそれら様々な本を読んで得たインプットを商業出版としてアウトプットすることに対する技術が語られている。
最近色々なところでお会いする方々は、話を聞いてみると商業出版を目指している方が多い。商業出版と聞くと、私としてはなんだか遠い世界の話のように聞こえていた。どちらかというと、今でもその気持ちは強い。
ただ、商業出版が出来るくらい問題意識を持ち、その分野に対して自身の知識を整理できる力を持つというのは非常に魅力的な話であり、必要なスキルであると考えて本書を手にとって見た。

大目次

  1. 本のテーマをいかにして見つけるか
  2. 情報をどのようにして集めるか
  3. 情報をどのようにして整理するか
  4. どう文章にするか
  5. どう出版に結びつけるか

本書は大きく上の5章に分けられている。
各章で色々なことを学ぶことが出来たが、特にテーマに関しては色々とやってみたいことは多かった。

一つのテーマだけを必死になって追いかけていくよりも、複数のテーマを持っているほうが、より充実した知的生産が出来るように思います。

まずはテーマを三つ持つことを目指していただきたいと思います。そして、出来ることなら最終的に十くらいのテーマを見つけ出すことが出来れば、本を書くことはぐっと楽になってくるでしょう(P39-40)

これが私にはとても重要。なんだかあっちに言ったりこっちに言ったりし過ぎているような気がする最近。とりあえず、本書にも書いてあるとおり「蔵書を眺めて傾向を見る」+「新聞で自分が何に興味を持つか」をしばらく継続的に見ていくことにしよう。
メモに関しては本書では本田直之氏のレバレッジメモを出してきている。私は、情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 (Nanaブックス)を読んで以来はずっとA6ノートにメモをつけているのでここはこれを利用。ただ、”メモの取り方”として

  1. ページ数を一緒に書きとめておく
  2. メモの題字を考えてメモする
  3. 週末に抄録する

というのは役に立ちそうだ。特に週末に行う抄録。私は記憶力がないのでその場でメモを刷るようにしているが、週末に再度見返して抄録しなおすようにすればさらに自分自身の身になるのではないかと思い早速やってみることにした。簡単な週報のようなものだろうか?

こうやって色々と考えてみると商業出版を目指してみるのも中々楽しいのかもしれないと思える。色々な方と話をし、色々なテーマを見つけて考えていきたい。

iPhoneで弾言

Twitterで小飼弾さんが購入者に対してお礼を言っているのを見て、どんなものだろうか?と思って購入してみた。ちなみにiPhoneでは350円で購入することが出来ます。

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
小飼 弾 山路 達也
アスペクト
売り上げランキング: 3814
おすすめ度の平均: 4.5

5 モノよりもカネ、カネよりも人!!!
5 何でもバランスシートで考えられるようになった!
4 あまりにも合理的
5 いい意味で楽天的
4 自分の価値感を見直すためのテーマが詰まっている本

“どうなんだろうか?”というのの対象は二つ。つまり、

  1. 弾言そのもの
  2. iPhoneでの読書

です。

弾言そのもの

どちらかというと、小飼さんは挑発的な文章を書くイメージが強かったのですが、本の中ではあまりそういうわけでもないんだなぁ~というのが、ちょっと意外でした。
内容は自信のスキルだとか資産。その他もろもろをバランスシートを使って考えるというのはちょっと面白いと思った。ちょうど簿記の勉強をしているところだったので、それも合わさってあれこれ考えてしまった

  • バランスシートで考えるとき、今そのスキルが有用かどうかにかかわらず書き出す
  • 定期的にスキルの評価を考えてみて、現時点でのそのスキルの有用性を表してみる(評価替え)
  • そこから自分にとって足りない科目を考える

ううむ。単純なようでなかなか出来ないこともありますね。

知識や情報を把握するためには、それなりの仕組みをちゃんと自分の中に組み上げておく必要があるわけで、考えてみると今の私にはあまりないことに気がつく。こうやって、読んだ本に関してはブログを書くことで出してはいるけど、ただそれだけ。
小飼さんは執筆に関する情報をWikiでまとめているみたいで、これは面白いなと思った。
結局本も、分野で考えると似通った分野の本をあれこれ読みつつそれぞれの特徴だとか内容を比較、自分自身として何を得るのか等々考えていくのがいいと思いつつも、その”同じ分野の本”をまとめて読むわけじゃなくて整理してデータベース化しておく必要がある。
Wikiに限らず、もう少しそれらをまとめる仕組みをちゃんと作って有効活用していかなければいけないな、と思った。

iPhoneでの読書

先日日本でのキンドル販売も発表されたこともあって、電子書籍という分野は少し興味がありました。ただ、個人的には文章は紙で手に持って読みたいと思っています。
仕事でPCに対してひたすら向き合っているものの、大事な書類等は印刷してチェックするのが毎度のパターン。モニタで確認するのがコスト的に見ても一番いいのかもしれませんが、じっとモニタを見ながら文字を読み続けるのはせいぜいブログくらいのものでした。
なので電子書籍は私には合わないのではないかな~?というのが本音でした。ただ、食わず嫌いなのもいけないので試してみました。

どうしても画面に入る文字数が少ないので、ページのめくり数がすごい多くなってしまいます。弾言も、単行本では216ページという数ですが、iPhoneでは554ページ。ページ数だけで見ると結構凹みますね(^^;
ただ、単行本と違ってiPhoneのような端末だと携帯性に優れているので、本当にちょっとした空き時間に読み進めることが出来ます。片手で操作できるのも一つの利点ですね。
キンドルだと本当に本を読むために所持していないといけませんが、iPhoneのような端末だとこれはいいかもしれません。文字サイズを変更したりできればもう少し1ページ内の文字が増えるかなぁ?このあたりをカスタマイズ出来ればもうちょっと読みやすくなるかもしれませんね!

世界を動かす授業

久しぶりに読んだ本に関するエントリーでも。
少し前、NHKが放送しているハーバード白熱教室ってやつが話題だった。テレビのない我が家では見ることのできない内容ではあったので気になりつつも、似たような本を発見。
少し見てみたら面白そうなので購入してみた

ハーバードの「世界を動かす授業」 ビジネスエリートが学ぶグローバル経済の読み解き方
リチャード・ヴィートー 仲條 亮子
徳間書店
売り上げランキング: 3029

「世界を動かす授業」

ハーバードビジネススクールでのMBA取得者たちがどんな授業を受けているのか。何を考えさせられ、またどういう風に考えさせられているのかの、極々一端だろうが垣間見ることができるような内容。
正直言って思っていた以上に面白かった。

ただ、それと同時に自分自身の世界に対する知識の拙さを痛感させられる本でもあって、文面としては大変わかりやすく書いてあるのかもしれないが、内容を自分のものにするのには足りないものが多くあると感じさせられた。
それでも最近は宿輪純一さんのゼミに時々参加させていただき、多少は世界経済周りの知識を勉強し始めた感があったと思っていたが、やっぱり気のせいだった。場面場面では分かったつもりになっていたのかもしれないけど、背景や全体が見えていない。

本書は世界全体を見渡し、地理的ではない区分けでいくつかのグループを作って考えている。
それらのグループに所属している国々が、どういう背景・課題を持っているか。また、過去・現在・目指すべき未来。これらに関しての考察を行っている。
一通り読んで、ようやくもう少しこれらの内容に関して向き合えるスタートラインに立った。もしくは立つ準備が出来たのではないかと思えた。
ニュース・新聞・WEB。様々な媒体によって、これまで見過ごしてきた情報への関心や考え方というものが、変わってくるのではないだろうか。

いや、変わらなければいけないんだと思う。

農業で1000万円!

先日、書店で面白いタイトルを見つけ思わず購入。

週2日だけ働いて 農業で1000万円稼ぐ法
堀口 博行
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 2095

最近は”就農”なんて言葉まで出てきている。農業に対するイメージだとか考え方というのはだいぶ変わってきているのではないか?
私も実家は畑に囲まれているような場所なのでちょっとのんびりとした田舎暮らしも嫌いじゃないぞ!って事で楽しみにしていた。ほとんどジャケ買いである

前提条件がいろいろとある

本書では週末のみの就業で年商1000万円という事をうたっているのだが、前提条件として

  1. 妻は専業主婦(基本的に手伝い)
  2. 親も手伝ってくれる
  3. 何よりも田舎。結構田舎。っていうか北海道

という事がある。実際に著者はそれだけの年収を得ているのだろうから不可能ではないとは思うが、他の人に適用できるかというとかなり限定されるのではないだろうか。
お手伝いに関してはアルバイトという手は確かにあるのかもしれない。ただ、注目が集まっているとはいえ農業のアルバイトがどれくらいいるだろうか。。。
そしてやはり問題なのが場所。
この条件が整って、なおかつ会社勤めが続けられる場所というのは…。また、要所要所で北海道特有の発言が見られている。もう少し一般性を加えて出版するべきではないかと思う。
もしくは、売る場所を考えるか。

ちなみに千葉ではどうなの?って妻に聞いてみた(ちなみに妻はどちらかというと、農業指導を生業としている。普及員の資格も持っていたりする)。

かえる「どっかこのあたりで農地余ってない?」
妻「ない。っていうか、あったとしても果樹」
かえる「え」

結局、場所によって作っているものは違うわけで、都合よく自分が作りたいものを作る事が出来る畑を手に入れることができるのかはわからない。

何か得るものはあるのか?

ない
色々考えたがない
・・・
うーん。私はあまりお勧めはできないかな。。。。

安全なWEBアプリケーションの作り方

ふと思うところがあって手に取ってみた

体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 脆弱性が生まれる原理と対策の実践
徳丸 浩
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 16127

WEBアプリケーションそのものの開発には関わっているものの、自分自身がそのすべてを作っているわけでもないし、そもそも対象としているシステムが「基本的に社内で運用」という前提が付いているので、少し弱い分野。
これまでもセキュリティ系の書籍は読んだことはあって、脆弱性のいくつかは確かに知っている。
ただ、項目を知っているのとそれの対応が正しく取れる。また、”ぜい弱性を指摘できる”と言うのはイコールにならない。
たぶん、どれだけ経験したのか?と言うことが、やはり一番なのではないか。

単純に目次だけを見るのであれば、先日第5版が発表されたIPAの「安全なWEBサイトの作り方」で十分に範囲を抑えていると言える

安全なWEBサイトの作り方 (IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/documents/website_security.pdf

安全なSQLの呼び出し方 (IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/documents/website_security_sql.pdf

・・・・
なんか、目次にてるな・・・。
と言うか、よくよく見てみるとSQLインジェクションの例題なんて全く同じだし

って、こっちの作成にも徳丸さん絡んでるじゃん(笑)
そりゃ似たようになるよね。

WEBアプリケーションの作り方

当初、本書を手に取ったのは純粋に”セキュリティ対策”的な意図だった。
そういう意味で、本書ではVM環境を用意して実際にぜい弱性を体験できると言う素晴らしい教材だと思う。

ただ、一通り読んでみて思ったのは、タイトル通り「WEBアプリケーションの作り方」何だな、ってこと。
純粋なコーディングに限らずWEBアプリケーションに関わる周辺技術を含んで説明されている。
もちろん、これを読んだからと言ってWEBアプリケーションが作れるか?と言うとまず作ることはできない。
ただ、網羅的に周辺技術に対して”セキュリティを意識して”学ぶことができると言うのはいいなと思った。

先に書いたとおりぜい弱性との戦いは経験もある程度あると思う。
今ある技術の裏をどうすればつくことができるのか?と言うのは繰り返し行われてきたことだし、昨今の新技術目白押しの状況下においてはそれぞれの対策が必要になるだろう。
どこまで柔軟に考えることができ、幾重にも予防線を張っておくことができるか。

セキュリティを意識するうえで、まず最初に読む本としてちょうどよさそうだ。

貧乏入門ってなんだ

小池龍之介著「貧乏入門」を読んだ

貧乏入門
貧乏入門

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小池 龍之介
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 24177
おすすめ度の平均: 3.0

3 経済的考察が薄い
3 自分への戒めとして

目次

  • 序章 私の豊かな貧乏暮らし
  • 第一章 持ち物を減らす
    • 1 持ち物が増えると、心の中が散らかる
    • 2 捨てる技術
  • 第二章 なぜお金を求めるのか?
    • 1 なぜ、いくら物があっても幸せになれないのか?
    • 2 なぜ、お金を貯めたがるのか?
    • 3 欲望のメカニズム
    • 4 欲望に対する三つのスタンス
  • 第三章 ほんとうの幸福 まやかしの幸福
    • 1 不幸になるメカニズム
    • 2 幸福になるメカニズム
    • 3 仏道的集中力の高め方
  • 第四章 幸福になるお金の使い方
    • 1 不幸になる金の使い方
    • 2 欲しいものではなく、必要なものを買う
    • 3 「必要リスト」と「欲望リスト」
    • 4 私の豊かな貧乏暮らし パート2
      • 衣を増やさない
      • 線香と携帯電話、どこまでが「必要」か?
      • 自転車の理由
    • 5 ケチることの害毒
    • 6 さらに幸福になるお金の使い方
  • おわりに
    • 「革命」へのチャンス

本書でいうところの”貧乏”というのはいわゆる”お金がない”状態ではなく”お金に左右されない”状態。
お金があったとしても、なかったとしても大丈夫な心の持ち方だとか生活。そういうものを薦めている。

なぜ人はお金持ちになりたいのか

本書では欲望というものに対してのメカニズムを考え、そのうえでなぜ人はお金を欲するのかということに関して言及している

つまり、お金は、それをたくさん持っていれば持っているほど、自分を脅かされる度合いが減り安心できる。いわば、自己防衛と安心のための道具なのです
だからこそ、人は蓄積しないではいられない。お金が増えるということは、世界の中で自分が自由に支配できるものが増えるということであり、お金が減るということは、世界の中で自分が自由に支配できるものの数が減るということです。(P.71)

そして、それらに関しては言ってることは分かるけど、キリがないよねって言うわけだ。

たぶん、そういう考えがあること自体は分かるし、キリがないという話に関しては私も同意する。ただ、だからと言って”欲望”というものを本当に意識しない。考えないことがいいことなのか?ということに関しては疑問だ。
本書の中には「所有欲」というモノに関しても話題としている

色々な物を持っていれば、そういう自分を周りの人はそれなりに評価してくれます。自己評価だけでは自分を支えられないので、ほかの人の視線も補助台にするわけです。自己評価と他社評価の二本で支えようというわけです。
ただ、これは、危険な自転車操業です

ここでは”物”をそういう形で出してはいる。確かに物を持っているということに関してはそういう側面もあると思う。
だからと言って、捨てましょうという話になってしまうのはどうだろう。読んでいて思ったのはその”物”というのは、この著者の”物”に対する見方は丸々”人”にも置き換えることができてしまいそうだった。

  • 人と付き合っていると、その人のことが頭をよぎってしまう
  • 多くの人と付き合っていると、それだけ頭の中にノイズが走る
  • 人付き合いをやめよう

自分はこんな人と付き合っているんだぜ、と、周りに見せつけるための人脈。自分はどういう人たちと付き合うようなレベルの人間なんだぜと自分で思うための人付き合い。そんな付き合いを繰り返している人もいるし、自分にそんな気持ちがほんの少しもないって言いきることも難しい。それに対して、自分に対して「そんな出会いや付き合いから生まれる何かもある」っていいわけしているのかもしれない。
もちろん、本書の中にはそんなことは書いていない。”物”に関しても本当に必要なのか厳選して考えようって話なので”人付き合いも人をちゃんと選べよ”ってことなのだろう。
ただ、そこまで言ってしまうと、悩み相談をしている著者の考えとはちょっと合わないような気もする。

いくつかの気づきはあるものの、”欲望(願望)こそが成長を促すのでは?”という疑問に関しては答えは出ずに、”本当のところどうなのかな~?”って思いが残った。
さてはて。困ったな。
欲を捨て去るなんてことは自分には難しいと思うし、それでいいとも思っている。
もちろん、欲に自分自身が動かされるような事態だけは避けないといけないとは思ってはいるが。

視覚マーケティングのススメ

ウジトモコさん著、視覚マーケティングのススメを読んだ

視覚マーケティングのススメ (アスカビジネス)
ウジ トモコ
クロスメディア・パブリッシング
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視覚マーケティングとは

「デザイン」というものを考える上で、ただ単にデザイナーに”いいものお願い”って頼むのではなく、マーケティングをすることで、効果的なデザインが出来上がる。マーケティングをせずに作ったデザインはマーケット上での効果は期待できないという考え方だ。

言ってしまうと、当たり前の話なんだけど、その当たり前のことを細部にまでできているかというとなかなか難しいことだ。一般に、製品を企画する段階では間違いなくターゲットとなるユーザーを設定するだろう。そのターゲットは年代に寄るものかもしれないし業界・業態によるものなのかもしれない。必然的に製品のパッケージや広告・キャッチコピーに関してもそれを意識したものが考えられる。
また、企業のロゴになると自分たちが顧客・ユーザーに”どう思われたいか”を意識して考えられるだろう。
ただ、それが本当にできているのだろうか?製品やサービスの細部。個々のパーツにまで落とし込めているだろうか?

意識されているもの、されてないもの

おそらく、パッケージや広告が表に出てきやすいもの。お菓子や化粧品に代表されるようなものに関してはこのいわゆる”視覚マーケティング”はできているのだろう。化粧品みたいなものは明らかに年代を意識して製品を作っている部分もあるので特に意識されているのではないかと思う。
ただ、ソフトウェアの分野はどうだろう。もちろん意識しているソフトウェアもあるだろうけど、明らかに”機能重視”でデザインに関してはおざなりに済ましてしまっている部分はある。特に基幹系のシステムに関してはその色は強いのではないだろうか。
もちろん、これらのソフトウェアに関しては機能は第1に重要視されるものだと思う。ただ、複数ある基幹システムの候補からどれが選ばれるか。ユーザーの立場で”どれを使いたいか”を考えてみるとその要素の一つにデザインがあってもおかしくないと思う。また、そういう意味で”ファン”を作った製品はエンドユーザーからは根強く支持されたりもする。つまり、デザインによるブランディングができているのだろう。
また、個人のブランド。パーソナルブランディングに関しても意識の差は大きいように感じられる。本書でもその具体例として名刺が取り上げられているところからもそれは感じられる。
最近、セミナーや勉強会に顔を出すようになって様々な方と名刺を交換する機会をいただいている。私は個人名刺を所有していないので会社のを使っているのだが、多くの人は個人名刺を持参している。自分自身をどう見られたいか。どういう人間だと印象付けたいのか。この名刺の目的は何か。考えられた名刺もあるしまずは作ってみたというものもある。私自身、個人名刺に関してはほしいと思っているので、どう思われたいのか?どう表現するのかは大きな課題の一つだ。まずはそこを見つけ出さないことにはデザインも始まらない。

ソフトウェアのデザイン

私はソフト屋なのでどうしてもソフトウェアにあてはめて考えてしまうのだが…
ソフトウェアの分野。先にあげた基幹系システムに関して言うと確かにデザインはいい加減なものが多い気がする。いや、実は結構頑張っていたりもするソフトもあるのだろうけど、VBフォームの延長線をいまだにたどっているソフトも割りと残っていたりする。
シンプルな作りなのがいいという業界もあるだろうし、スタイリッシュな物が好まれる業界もあるだろう。ただ、私自身が最近必要と思っているのは、要するに”スタイル”的なデザインではなく”ナビゲーション”を意識したデザインというものだ。これのいい方法が思いつかない。そういう事が得意なデザイナーもいるんだろうけど…、業界やユーザー層に踏み込んでまで考えられる人は少ないように思う。あ、それは発注側の担当ですか。
以前ペルソナを用いる手法に関する本を読んだ

ペルソナ作って、それからどうするの? ユーザー中心デザインで作るWebサイト
棚橋 弘季
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売り上げランキング: 21263

まだペルソナに関しては試行錯誤段階で効果は不明だけど、実際に作ってみたペルソナが本当にあっているのかというのはわからない話。結局ウジさんの本にあるようにユーザーへの聞き取りのようなことをしなければいけないのだろう。
試行錯誤。試行錯誤の日々は続く

数学ガール 乱択アルゴリズム

通算4冊目となる数学ガールを読んだ

数学ガール/乱択アルゴリズム
結城 浩
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 809

今回のお題は乱択アルゴリズム。

正直私は確率が苦手だ。
正確に言うと、知らないと言うのが正しい。

高校時代。それほど頭のいい高校でなかった私の学校は、授業のスピードが悪かったようで確率を授業でやらずにその分の時間を別な授業に充てていた。確率は、一部のメンバーが受験する大学上の理由から補修と言う形で教わっていた。
と言うわけで、私は高校時代に確率に関して勉強をろくにしていない。
当時、そういう授業形態を取った高校が他にもあったのか、あるいは私の高校が特別だったのかは分からないけど、大学に入ってからの基礎教養でちょっと苦労したのを覚えている。

アルゴリズム

それでも、プログラム組んでいる人間にとっては比較的なじみ深いバブルソートやクイックソートが出てくる本作は、これまでの数学ガールと比べてみれば比較的読みやすい…と、思う。

このあたりの話ってなんだか久しぶりにみた気がする。プログラム習い始めたころの練習問題に多いんだよね。ソートは。
こんなに計算はさすがにしないけどさ・・・。

それにしても今回も新キャラ登場でしかもまたもや年下。
最後の最後にカッコいい司書が登場したのは次回への布石なのかただ単に出てきただけなのか。

新しいキャラクター登場はいいんだけど、実際にここまでのめりこんでいる女の子を見たことがないのは私の環境依存か。
あるいは非実在青少年的な・・・
あぁ、高校時代は男ばっかりに囲まれていたなぁ

知的プロフェッショナル

最近顔を出している株式会社ジョブウェブの朝食会で、以前ジョブウェブの佐藤社長からお勧めされた”田坂広志”先生の本を最近読んでいます。その中の一つ「知的プロフェッショナルへの戦略」はとても面白かった

この本に限った話ではないのだが、田坂先生の本は私が今まで読んできたビジネス書とは視点が異なっている。今までの本はどちらかというと「どうビジネスにおいて動くか」とか方法論が多かったように思える。ただ、田坂先生の本はそれらとは異なり「どう生きるか」というような精神論や思想に近いもののように感じる。

仕事の報酬として給料以外に何を求めるのか。そもそも何のために働くのか。どう考えて行動するのか。自分というブランドをどう確立していくのか。

まだまだ未完成の”自分”という作品をこれから練り直さなければいけない。そう感じた本でした。