読書感想文」カテゴリーアーカイブ

「じい散歩」読了

藤野千夜著「じい散歩」を読み終えた

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主人公のお爺さん視点で、老夫婦といずれも独身で引きこもりの長男、ゲイの次男、パラサイト状態の三男という家族の日常?を描いたストーリー。

我が家も子供が多く、これからどんな風に育っていくんだろう?ということを考えると、あながちわからないよな、と思いさえする。

実際のところ、自分がどんな風に歳を取るのだろうか?に関してはあまり考えたことがなく、色々な形があるにしてもそれを考える切っ掛けとしては面白い内容だった。

仕事を退職した後の生活、高齢による体の問題。
そして、認知症。

それらは、着実にこれまでの積み重ねの結果として現れてくるわけですね。

すごいドラマがあるわけでもないけれど、それでも家族にとって見れば色々な事件は起きる。

その中でも主人公の新平は、たくましく、前向きに生きている。
自分が、子供たちがこういう状態になったとき、私は新平のような振る舞いができるだろうか?
色々と考えてしまう。

色々な家族のカタチがあっていいと思うし、何がベストなのかはわからないけれど、ちょっと読んでいてほっこりした。

続編もあるようなので、手を出してみようと思う。
この先、どうなっていくんだろうか。
楽しみだ。

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「人生が整うマウンティング大全」読了

Xで見かけてその「マウントフルネス」「マウンティングエクスペリエンス」など、数々のパワーワードに惹かれて予約購入したマウンティング大全を読み終えた

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人間の行動の大半はマウンティング欲求によって支配されており、、、

ページを捲るたびに飛び出してくるパワーワードは、それなりにクスリとさせてくれるものだったが、中盤のマウンティング事例に関しては結構読み飛ばしてしまった。

マウンティング大全だけあって、様々なパターンでのマウンティングが紹介されているものの、考えてみるとそれほど物珍しいものでもないかな、と。一方

「マウントする」のではなく「マウントさせてあげる」ーー相手のメンツを適切に設計することによって、自分の味方になってもらう

相手に対してマウントさせてあげることの重要性というものも後半では説かれている。

優れた企業の多くは、人間に内在する根源的な「マウンティング欲求」を刺激し、「イケてるサービスを使っているイケてる自分」というマウンティングエクスペリエンス(MX)を提供することで、急速な事業成長を実現している

少し考え方がひねくれている感は強いし、無理やりマウンティングに言葉を置き換えているけど、書かれている内容自体はそれほど突飛なものではないのかと思った。
そういう言い方もあるかもしれないな?という感じ。

まぁ、ネタとしては面白かったと思う。

タスク管理への挑戦

基本的に私は計画的に動くということが非常にできない人間である

TODOアプリみたいなものは続かないし、スケジュールを立ててもその通りに動かないしと、酷い有様だ。
これは仕事の上でも似たようなもので、その場その場で動いてしまっている。

なので、短期的な物事を動かしていくうちはまだいいのだが、長期的な物事を考えて成し遂げるということに関しては非常に脆い。

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先日、こちらの本をAudibleで聴いてみた。

基本的にすごい新しいことが書いてあったわけではないんだけど、少し気持ちも上向いてきた。

本書では、タスクをどうこなすのか?というよりは最初の一歩をどう踏み出すのか?ということを主題としていると理解している。

言っている意味はわかって、その一歩が踏み出せないことはママあるのだが、実際問題で考えると一歩踏み出したところでタスクが終わらなければ意味もなく、スケジュール的にそれで済むものしか対象にできないのではないか?という疑問がついて回ってしまう。

なので、”予定通り動かすための方法”というのは少々無理がないか?は思う

Asana

タスクを実際に行うための一歩をどう踏み出すのか。また、そのタスクの時間をどう考えるのか?は先の本を応用するとして、タスク自体をどう管理するのか?に関しては、一旦Asanaを使ってみようと思っている。

AsanaはFreeプランでは機能制限が強くて使いづらい面もままあるので正直悩みどころではある。
ただ、あまりこのツールにこだわってもしょうがないかな、とも思ったわけだ。
基本的には繰り返しのタスクを定義できて、タスクの親子関係やグループみたいなものを作れればOKとしよう。

欲を言うと、時間の計測ができればそれに越したことはないと思うのだけど、多分計測は失敗するような気がする。

まー、忙しくなったり、バタバタするような自体になるとタスクを見返したり整理したりする時間が取れなくて一気に崩壊してしまうんだよな。
Microsoft Projectみたいに、一括で予定を後ろにずらしたりすることができればいいし、ガントチャートみたいな見せ方ができればいいんだけどな。

内省の時間

定期購読しているHBRを久しぶりに早い段階で読んだ

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特集は生成AIに関してのビジネス利用だったり製品開発に関する何本かの記事ではあるが、これに関してはそれほど目新しい内容は見当たらなかった印象。

後半のEmotionalIntelligenceコーナーに書かれていた「たとえ苦痛でも、内省の時間を取るべき理由」がちょっと気になった。

内省。

Wikipediaを見るとこう定義されている

内省(ないせい)(英: human self-reflection)とは、人間が内観を行使する能力と基本的なる自然な感情、目的および本質について深く鑑みてみるというその意欲のこと。

内省 – Wikipedia

私自身、この記事を読んで「あぁ、振り返りのことね」と考えたのだが、内省と振り返りは異なっていて、内省は上記の定義にあるような、いわば自分自身の内面だったりあり方のようなものに関して焦点を当てている。

それに対して、振り返りは自分自身の行動に対して焦点を当てている。

私自身、内省にしろ振り返りにしろできていないわけだが・・・。

HBRの記事では、内省を行う上で自分に対して、問いかけをすると良いと書かれていた。

  • 私は何から逃げようとしているのか
  • 同僚たちの目標達成を、私はどの様に助けているのか
  • 職場で最も苦手とする相手との関係において、私自身が原因となっていると思われる部分はどのようなものか

などなど。
んー。なんか若干行動面が混じっているような気がする。

結局何かしらの行動があったとして、その行動が自分としてのあり方に準じた行動となっているのか?という考えで見てみると、振り返りだろうと内省だろうと似たようなところに帰結しそうな気もする。

内省や振り返りの重要性はよく出てくるが、これを習慣化することはできていない。

ただ、この記事にあるように、あらかじめ問いを立てて置くというのは良いやり方のように感じた。
なにもないところで、振り返りや内省と言われても迷子になってしまうしハードルが上がってしまっているようにも感じるからだ。

特に、「何から逃げようとしているのか」はいいかもしれない。
インセプションデッキの「夜も眠れなくなるような問題はなんだろう?」に近しい気もする。

ちょっとやってみたいと考えている

ノルウェイの森 下巻読了

読んだ。。。と言っても、Audibleで聴いたというところのほうが正しい。

ノルウェイの森
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小説の具体的な内容に関してはあまり触れはしないけど、なんというか、この主人公の葛藤というか、色々な人の思惑が広がっていく中で、正直言ってあまり感情移入することはできなかった。

言ってしまえば、だからこそ最後まで聞くことができたといえばそうなのかもしれない。

私は、つらい系統の小説は感情移入しすぎてしまって辛くて読み続けられないことが多い。特に、主人公がいじめられるような内容だったり、不遇な目に合うような展開です。

例えば車輪の下とか

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「ノルウェイの森」の主人公”渡辺くん”は、たしかにつらい目にもあっているんだろうけど、なんというか、人間味が薄く感じられる。

多分、村上春樹作品の読み方とか、好きになる人のポイントというのが違うんだろうな。

一作読んで、自分に合う合わないを決めるってのもどうかとは思うんだけど、一旦はいいかな、って気になったです。。。

沈黙の艦隊を読み始めている

タイトルのとおりですが、かわぐちかいじさんの名作「沈黙の艦隊」を読み始めています

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いや、懐かしい。。。

1巻の発売が1989年なので実に35年前!
親父が買ったのか借りてきたのか、家に単行本が置いてあってそれを読んだ記憶があります。

当時は私は小学生なので、こういう戦闘モノはとてもおもしろく感じ、政治的な内容に関しては深いところまで考えてはいませんでしたが楽しみにしていたのを覚えています。

ちょっとしたきっかけで、久しぶりに読みたくなってしまいちょこちょことKindleを買い足してしまっています。
巻数がそれなりにあるので、ちょっと出費が。。。

まだ序盤までですが、徐々に明らかになってくる海江田の思想。深町とのやり取り。
今読み返してみても面白いな。

昨秋にはまだ見ていないですが、映画も上映されて話題になりましたね。
なかなかいい出来だという話なので、AmazonPrimeに出てくるのを楽しみにしています。

ランナーズ3月号

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RUNNETを利用していると時々出てくるランナーズ。
3月号の特集として、「サブスリー、3時間半切りを目指す方へ」だったり、「新・ジェル補給戦略」だったりとちょうど私が気になるテーマ。

というわけで、初めて購入してみました。

トレーニングメニューに関しては、これまではNRCのメニューをやったことはありましたが、それ以外はあまり参考にしたことがなかったんですよね。

今回掲載されているメニュー。まずは参考にしてやってみようかな、と思っています。

そのためにもまずは10kmのタイムですね。
先日のタイムを考えると、サブスリー基準とされている39分~40分というのは正直厳しい。
というか、届かない。ペースでいうとキロ4分だもんなぁ。

着実に3時間半を切れるようなところをまずは目標。
そして、そこからのサブスリーを目指したメニューへの切り替えを図っていきたいところです。

まだ少し足の回復が追いついていないところはあるけど、徐々にレベルアップに向けて動き出したいところです。

SoftwareDesign2月号

定期購読しているSoftwareDesignの2月号が届きました。

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今月号の特集としてはテストとWeb APIセキュリティに関して。

テストに関しては、テスト技法に目を奪われがちなんだけど、そもそものテストの考え方を正していく必要があるとしてテストマニフェストが紹介されていた

https://www.growingagile.co/the-testing-manifesto/

SoftwareDesignに掲載されていたものは2015年バージョンで、上記のものは2023年バージョンのようだ。
基本的な考え方が変わっているわけではなく、言葉を少し修正した形と紹介されていた。

checking functionality over Testing understanding

機能性をチェックするよりも、理解をテストするとでも訳すのだろうか?
SoftwareDesignでは「機能性をチェックするよりも、チームが理解している価値をテストする」とある。

これは、結構難しい問題に感じる。

本来、価値を提供するために機能を作り込んでいるはずのものが、機能を作ることが目的となってしまって気がつくとその価値が提供できていないのではないだろうか?ということだろうか。

そう考えると確かに、そしてまさに、アジャイルではないか

ソフトウェア開発ではプログラミングによって機能を作り込んでいく。ただ、出来上がったアプリケーションがその機能によってなんの価値を提供しているのかに立ち返って、常に検証し続ける必要がある。
そして、アジャイルの文脈ではその検証を繰り返してスプリントを回していく。

どうも、ウォーターフォールが染み付いてしまい、当初作った仕様に従った機能のテストしかできていないように感じてしまった。

改めて、このあたりに関しては気を引き締めていかないといけないと感じた。

「もしアドラーが上司だったら」を読んだ

Audibleで「もしアドラーが上司だったら」を聴いた

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だいぶ前の話だけど、一時期アドラー心理学が流行ったようで、アドラー心理学に関する書籍が色々と書店を賑わしていた時期があったように感じる。

特に有名な本としては「嫌われる勇気」だろう

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いずれにしても、本のタイトルとしては気にはなっていたものの、当時それほど食指が動かなく、あまりアドラー心理学というものに関しての実像というものを知ることはなかった。

Audible聴き放題の中にあったので、せっかくだから聴いてみたという形だ。

Audible特有の、朗読であるがゆえに小芝居が気になるところではあるけど、なかなか面白く聴くことができた。

本書では、アドラー心理学の紹介というよりは、自己の成長とリーダーシップに対してどの用にアプローチするとよいかを指南している。

私自身、気持ちの浮き沈みが激しい正確ではあり、一度マイナスに振れてしまうと結構面倒くさいことになってしまう。
もちろん、もういい年なので面倒くさいと言ってもある程度わきまえているつもりではあるが、面倒くさいものは面倒くさいものだ。

結局のところ、自分自身をどうやって”のせるか”になるのだとは思うし、そういう意味でも本書の考え方というのは大事にする必要はあるよな、と改めて思った。

難しいな、と思うのは機能価値と存在価値に関して論じられている部分。

言ってることはわかるが、現実問題、社会的な生き物である人間においての機能価値は大事であって、存在価値を認められたからと行って簡単に割り切れるものでもない。
家族とかであればもちろんそれはそういう感覚もあるが、じゃーそれでいいんだっけ?となると疑問符がついてしまうのもまた事実ではないだろうか。

機能価値がない=不要という極端な発想をしたいわけではないんだけど、そこを家族からの存在価値で乗り切れるヒトはそもそもこのあたりを悩まないんじゃないかな?
などと思ってしまう。

まぁ、簡単には答えなんてないよね

「明日、機械がヒトになる」を読んだ

先日、後輩と1on1をしている際に彼が開催した読書会の話題となった。

当時、別件で忙しく私は参加しなかったのだがあまり参加者が集まらず、なかなか難しいなという話だったので、どんな本を題材にしたのか聴いてみたら、タイトルの本だった。

調べてみると、Audible版もあり、著者本人が朗読しているということだったので早速聴いてみた

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そもそもヒトの定義とは

この本は、人間の進化と機械の発展に焦点を当てており、その仮想的な未来が著者にとってどれほど興奮をもたらすものかを考察しています。

この本が発行されたのは2016年。しかも著作の中でも執筆に2年ほどかかったということなので、現時点から考えると技術的な位置づけはだいぶ様変わりしているはず。

特にOpenAIがChatGPTを発表して以降のAIに関連する進歩の速度というものは目を見張る物があり、本書で語られているヒトと機械との境界線は相当薄くなっているはず。

だからこそ、そもそも人間とは、そもそも生命とは、、、
そういった、若干青臭いような気にもなることを考えてみるのも一つなのかもしれないな、と思った。

この先どうなるか

現状では、ものすごく優秀なAIはできつつあるけれど、そこにいわゆる自我があるのか?という話になると疑問符がつく。

ただ、そもそも自我ってなんだっけ?という点に着目し、それらは受動的な反応ではないのか?自由意志なんて言うものは存在しないのではないか?という点に関しての考察もあり、これに関してはなかなか面白かった。

ChatGPTが出た当初、チャットに対しての回答は、意味を考えた上での結果を返してくるのではなく、質問に対しての回答を過去の蓄積されたデータの中からそれっぽいものを前後関係を考慮した上で返してくる反応だと認識した。

ただ、それって結局のところ人間が頭の中でやっていることも同じことが言えるんだろう。
ChatGPTのようなモデルを、それぞれ一人ひとりがやっているから個性があるとも言えるし自由意志に見える。
でも、突き詰めて行ってしまうとそれらも反応といえば反応なのかもしれない

答えのない問い

面白い問いかけではあるけど、答えがあるようでないものだし答えがあったところで何かが変わるのか?というと変わらない気もする。

今日も自由意志で生きている気にもなっているし、失敗したときはこれは反応で決まっていたことが結実しただけなんだと言うこともできる。

一つ言えることは、読書会で題材にして感想は言えるかもしれないけど、で?ってなる人も多くいそうな本を選んでしまったなぁ、という気がしないでもない。。