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オペレーショナルインテリジェンス

オペレーショナルインテリジェンスを読んだ

オペレーショナル・インテリジェンス―意思決定のための作戦情報理論
松村 劭
日本経済新聞社
売り上げランキング: 94166

これは、以前に「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」さんで取り上げられていたもの

陸上自衛隊作戦幕僚の情報理論「オペレーショナル・インテリジェンス」
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2007/07/post_3d37.html

レビューを読んで、とても気になった。気になってAmazonを探してみたがどうやらすでに新刊では売られていなかった。というわけで中古で購入。レビューにある通り、情報というものに対しての考え方というものを再考させられる著作だった。

情報とは。そして情報を考える上で気をつけること

“情報”というもの。普通に私が考えると、これを英語にするとInformationになる。著者は、普段我々が接しているいわゆる”情報”は情報足り得ていない。本来の情報(Intelligence)とは、集めてきた情報に対して目的に合致しているか。真偽のほどはどうか。これら判断をしたものになる。判断をしていないものは”情報資料”と呼び、こちらがInformationになる。
このあたり、何を何と呼ぶのか?と言うところはあまり問題ではないが、この二つを混同して考えると大変なことになるのはもっともな話。特に現状のWEBをリソースとした情報に関しては特にそれが言えるだろう。

本書では情報について考えるポイントを3つあげている

  • 情報と、情報資料を明確に区分する
  • 決断に間に合うのか。行動はできるのか
  • 変化する情報か、変化しない情報か

順番的にはこう紹介されていたけど、個人的には2番目が最後だとは思っている。
これ、仕事でもよく思うことだ。何か物事を報告されたり問題に対しての相談を受けることがよくあるんだけど、言っている内容がどういう内容なのかの説明がなかったり遅れていたりする。そのうえで判断やアドバイスを求めてきたりする。何度言ってもそれが繰り返されてしまう。すでに考えることをやめてしまっているのではないかと思ってしまうくらいに。
また、目的があっての情報収集であるはずが、情報収集の傍らで情報収集そのものが目的にすり替わってしまうような行動をしてしまうこと。これも注意しなければいけないこと。目的を達成するために必要な情報以上の情報収集をしているがゆえに、タイミングを逃してしまっては元も子もない。このあたりは、さすがに当たり前すぎて本書では触れられていない。技術者が時々陥りやすいことと言えば陥りやすいことではないかと思う。

シソーラスを作る

シソーラス。これって一般的に知られている用語なんだろうか。ちなみに私は知らなかった
Wikipediaによると

シソーラス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%B9

単語の上位/下位関係、部分/全体関係、同義関係、類義関係などによって単語を分類し、体系づけた辞書。

となっている。分類辞書。情報に対しての話で言うとカテゴリーだとかタグだとかがそれに値するのではないだろうか。
私は昨年末あたりから本格的にEvernoteを利用し始めている。Evernoteに限った話ではないんだけど、色々な情報をどこかしらに集約させた場合は、どうやって必要となる情報をその中から導き出すのかというのがカギになる。そのための自分用のシソーラスを構築する必要があるわけだ。

本来情報には目的がある。すでに集めた情報の中には結局のところ目的に合致しないものもあれば、時間が経過したことによって目的を終えてしまったもの。意味の無くなってしまったものもある。
シソーラスに対して時間的なものを導入しようとすると、必ずしも上下関係のあるカテゴリーよりはタグのほうが管理しやすいと考える。
また、目的の上下関係を超えて共有するようなタグもあるだろう。

ブリーフィング

ソフトウェア業界で働いていると、、、、というか、そんなに別の会社の状況を知っているわけではないんだけどメールに頼ってしまいがちだ。
余程の簡単なことでない限りメールで指示を出している。メールで指示を出す一つの目的はリマインダーの役目。実際問題、言った言わないの話が曖昧な記憶に頼ってしまうのは危険だと思っている。
ただ、本書で述べているようにお互いの顔を合わせての意思疎通。そこで初めて分かることも多い。
リマインダーはリマインダーとして、ブリーフィング後にメールを出せばいいんだけど、そこでメールを出すくらいなら最初からメールでいいじゃんというように思ってしまうんだけど、もしかしたらそれは効率化につながっていないのではないか?と最近強く思い始めた。
作業は出来るかもしれないけど、それが作業以上にならない。何時まで経っても自分の仕事にならずに、どこか他人ごとのように作業をしている。
自分自身の行動に関して、今一度見直すべきなんだろう。

“情報”というのは、収集・伝達・判断・保存そのどれもが難しく、だからこそちゃんと考えないといけない分野。自分自身の身の回りの情報ルートや記録の仕方は定期的に見直しをかけていかなければいけない。
めまぐるしく動くWebがあるからこそ、自分は今ここにいるのだし、これからもそうだ。

通貨経済学入門

宿輪先生の新著「通貨経済学入門」を読んだ

通貨経済学入門
通貨経済学入門

posted with amazlet at 11.01.09
宿輪 純一
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 5599

直前に読んだハーバードの「世界を動かす授業」が経済状態を政治に絡ませて説明していたのに対して、本著は通貨というものに対して昇天を当てて世界経済を見ている。
ただ、読み物と言うよりはどちらかというとやっぱり通貨経済に対する”教科書”の色が強いように感じる。そういう意味では教科書が苦手な私には序盤が読むのが大変だった。しかし、終盤に行くにつれ前半の内容理解も進んでいき、最終的にはなかなか面白く読むことができたと思っている。苦手意識を持っているのでちょっと意外だった。

通貨制度に対しての理解度

通貨制度という点において、「変動相場制」だとか「固定相場制」という言葉はもちろん知っているし、基本的な変動相場のメカニズムに関しても理解しているつもりだ。
ただ、実際のところ貿易においてどうお金が流れているのか。それが固定相場の場合は?という風に考えてみると、結構わかってないことが分かった。ううん、ちょっとがっかりだ。
たとえばものを輸出した場合。取引をドル建てで行うのであれば企業はものと引き換えにドルを得る。最終的には円に両替することになるわけで、ドルが売られて円が買われる。つまりその分円高になる。変動相場に対してはたぶん大丈夫。
これを固定相場に置き換えた場合がイマイチピンとこない。固定相場においての相場は通貨当局によって固定されている。つまり、企業が得た外貨は市場ではなくて通貨当局に両替してもらうことになるのかな。つまりは、輸入>輸出の関係が成り立っている場合には通貨当局の外貨準備は増えていくことになる。外貨準備が増えていくってことは、それ相応の国内通貨を供給したということになる。その場合、国内の通貨供給量の総量が増えることになるので国内経済はインフレに向かいやすくなってしまう。逆のケースで考えると、保有している外貨準備が底をついた段階で両替が不可能になってしまう。それを起こさないためには、金利をあげ、外からの通貨への”入り”を増やして手に入れる必要が出てくる。
うーん、固定相場は単純に”固定”だから単純じゃーんって思っていたけど、ほとんどが知らない内容だった。しかもそれを説明しようとすると大変だ。

経常収支

本書では通貨危機の発生原因の一つとして通貨のファンダメンタルズというものを取り上げている。ファンダメンタルズの構成要素として出されているのが

  • 経常収支
  • インフレ率
  • 経済成長率
  • 財政収支
  • 相場の予想

としている。注目は経常収支の中でも貿易収支であったのが、昨今は投資に対しての収支を注目・・・と。
イマイチピンとこなかったので、調べてみた。財務省と日銀が出している国際収支統計というものに、経常収支が載っているようだ。ちなみに国際収支統計はWikipediaによると

国際収支統計
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8F%8E%E6%94%AF%E7%B5%B1%E8%A8%88

一定期間における国(またはそれに準ずる地域)の対外経済取引(財・サービス・所得の取引、対外資産・負債の増減に関する取引、移転取引)を記録した統計である。大まかに経常収支、資本収支、外貨準備増減の3つに分けられ、またその中でさらに細分化される。

経常収支の中には投資に対するものと言うのは所得収支がある。ただ、国際収支統計にある経常収支と並んで報告されている資本収支というものもある。この二つの関係性がよくわからない。文言だけを見る限りだと、結構被っていそうな印象を受ける。
というか、「経常収支」「国際収支」「国債収支」「投資収支」なんたらかんたら・・・

ああああーー(頭をかきむしる)

こういう言葉。普段から知っておけよ!という言葉もあれば初耳な言葉もいくつかあって頭の中でゴチャゴチャしてくる。物覚えの悪い私にはやっぱり教科書は大変だ。

ちょっと区分けしてみよう

以前読んだ「ハーバードの世界を動かす授業」では世界をいくつかの国々に分割して考えていた。そこで分割された国々に、通貨と言う視点を加えてみたらどうなるだろうか。P.82に掲載されている表2-1-1に基づいてやってみた

区分け 国・地域 通貨制度
高度成長のアジア シンガポール 管理変動相場制
中国 アジャスタブル・ペッグ制
香港 カレンシーボード制
インド 管理変動相場制
資源に依存する国々 サウジアラビア 伝統的固定相場制
ロシア その他の固定相場制
狭まって身動きが取れない国々 メキシコ 管理変動相場制
南アフリカ共和国 管理変動相場制
欧州連合 EU 自由変動相場制
巨大債務に悩む富裕国 日本 自由変動相場制
アメリカ 自由変動相場制

こうしてみると、やはり資源国や発展途上のアジアに関して言うと何かしらの政府の関与が色濃く、そのフェーズを越えたと思われる国々は変動相場を採用しているように見える。すでに、政府側で相場を固定にするメリットが薄くなってしまったということだろうか。
やってみたものの、それなりに予想通りではあったのでなんとも。もう少し違う視点をつけるには知識が足りないな。

それにしても

株だとか日経新聞だとかを読んだりしている割に、未だに基本的なことがあれこれと理解していないんだなとつくづく実感してしまうのが正直なところですね。
それでも、これまで宿輪ゼミでチンプンカンプンだったコルレス銀行の話も出てきてようやく少しわかったり、その他いくつかの気付きを得ることができた。

経済って、すごい身近にある話にもかかわらずあまり意識されない。どこか、他人事のように扱われている気がする。もちろん、景気動向のようなものに対しては結構敏感なんだけど、それでも発想は”円高・円安”、”失業率”くらいではないだろうか。
これら知識を知ることによって、景気が良くなるわけではない。
ただ、今何が起きているのか。この先何が起きればどういうことになるだろうかという予測を立てることは人生設計において大事な内容だと思う。
もちろん、知識は使ってこそ。どう生かすかは自分次第だ

どうして羽生さんだけそんなに強いんですか

梅田望夫氏著。「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」を読んだ

どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語
梅田望夫
中央公論新社
売り上げランキング: 6589

TwitterのTL上にひたすらリツィートされて、正直嫌気がさしていた。ただ、子供のころによく亡きオヤジと将棋をやったな…と懐かしむ気もありつつ購入。結局まんまと乗せられた格好だろうか。
本書は現代の将棋界をあまり知らない人から来る素朴な疑問「どうして羽生さんだけが、そんなに強いのか」というものに対する答えを、実際に大局している棋士やそれを取り巻く人の目線。考え方や発言をもとに梅田氏が説いているもの。

単純に考えるのであれば

そもそも、現在どういう棋士が活躍しているのかを知らない人たちにとっては羽生さんしか知らない。もちろん私も知らない。
それは、情報として表に出てくる内容が「羽生○冠達成」みたいな情報だけだから。「○冠達成」ということは、今回奪取したタイトルは羽生さんは前回負けていたということだが、将棋好き以外の耳に入ってくる情報と言うのは勝った時だけだ。しかも、連続で勝つか複数のタイトルを(しかも多くの)取った時だけ。そもそも羽生さんが7冠なんて達成してしまった以上、4~5冠で大きく報じられるだろうか。それすら心配になってくる。せいぜい新聞の片隅に書かれる程度でテレビでは報じされもしないだろう。

どうして?

とはいえ、結局露出してくるのが羽生さんだけということは、ぬきんでていることだけは確かなんだろう。そういう意味では私の考えは答えになっていない。ただ、”どうして?”というのは、将棋だけに言えることではないがどれも理由にならないのではないかと思う。
「こういう考え方ができるから」 → 「そう考えればいいの?そう考えれるのはどうして?」
「こういう背景があったから」 → 「そういう背景があればいいの?」
つまり、そもそも漠然とした疑問なので漠然とした回答にしかならないのではないのかな。「どうして?」の真意があればその真意に対して答えることになろうが、真意無き疑問に明確な答えは出しづらい。
梅田氏の出した内容に対して異議があるわけではまるでないけど、そう考えてしまうのはひねくれ者の発想だろうか

ただ、将棋というものの戦法を編み出していく過程に対しての考え方がとても面白かった。

将棋でも、日々研究がおこなわれていてあれこれとしたアイデアが生まれる。アイデアは山のように出てきてはいるが、実際の戦いで使ってみないと、本当のところでは使えるアイデアだったのかが分からなかったりする。そしてそれは技術やビジネスにおいても言えることではないか?というもの。

なるほど、確かに。
技術者はあれこれと考える。新しい機能を考えてみたり新しいインターフェースを考えてみたり。それに対して需要や実現性、コスト等に関して検討したりするが、実際にそれを市場に出してみないとわからないことが多い。大まかな流れは、どの世界においてもやはり共通するものがあるということだ。

さて、ではこれを読んで私はどうするのか?
・自分が戦場としている場所にどう向き合うのか
・本質はどこにあるのか。それを見抜くための判断力や対応力を身につけるには
等々に対して向き合っていくことだろうか。
ふむぅ、一筋縄ではいきませんね

余談

そういえば、私に将棋を教えたのはオヤジだった。いつ頃から、何をきっかけで始めたのかはすっかり忘れてしまったが、少なくとも小学校1年くらいから駒に触っていたように思う。もっぱらの相手はオヤジだったけど、近所の公民館で将棋盤や駒を貸してくれて時々友人たちとも将棋をしていた記憶がある。
中学ぐらいまでは友人同士でもやっていたのではないだろうか。今から考えると、随分とまぁ。。。今の世代には受け入れられないだろうな、そんな話。ただ、携帯ゲーム機のようなものはなかった時代だ。そういう意味では遊び道具に近かったんだろう。打っていたと言っても勉強していたわけじゃないから、陣形や囲いのようなものは見よう見まね。臨機応変に組み立てられないからかえって失敗してばっかりであった。
懐かしい。

実は現代において将棋は人気がなくて、あんまり棋士っていないんじゃないだろうか?なんて思って調べてみた。
Wikipediaによると

http://ja.wikipedia.org/wiki/将棋
1年に1回以上将棋を指す15歳以上のいわゆる「将棋人口」は、1985年度の1680万人から、2005年度840万人、2006年度710万人と大幅に減少し、漸減傾向が続いている。

うん、一気に減ってはいるね。
囲碁は碁石が白黒だけど将棋は漢字が書かれていることや、似たゲーム(チェス)があちこちにあることが将棋の国際化を阻んでいるらしい。チェスとかと違って、将棋は取った相手の駒を再利用することができる点がとてもゲームを面白くしていると思うんだけど、難しいがゆえに広まらないのだろうか。

Facebook入門

何気なくWEBを徘徊していたら、1月7日に発売となるFacebookに対する書籍を期間限定無料配信!とあったので飛びついて読んでみた

日本人のためのフェイスブック入門 (Forest2545Shinsyo 29)
松宮義仁
フォレスト出版
売り上げランキング: 4505

本書は、Mixi慣れした日本人には実にとっつきにくいFacebookを日本人向けに説明したもの。
私自身はFacebookに入ってはいるものの特に何をするわけでもなく、軽くチェックする程度。何せ悲しいことに友達がいない。その上、頑張ろうという気がまるでないのだから困ったものだ。
まぁ、これはMixiでも言えたことなのだが(Mixiでもマイミクの数は23人と少ない)。そんなレベルの私が読んでみて思ったことを書いてみようと思う

Facebookの魅力は?

Mixiとの最大の違いはやはり、その参加人数だろう。Mixiとはケタが違う。単純に桁が違うだけでなく、その広さは世界中に広がっていることから可能性を考え始めるとその大きさには目を見張るものがある。
また、基本的に実名を推奨していることからある程度の情報に対する信頼度を得ることができる。情報を鵜呑みにするのは禁物だろうけど前提条件として”この人からみたこの内容に対する意見”がつくのは大きい。そしてそれが連鎖するととても楽しいのではないかと思えてくる。
Mixiはというと、先日結局導入を中止せざるを得なかったメールアドレスによる知人検索機能を見ていてわかる通り、日本でリアルと直接リンクしそうなものを導入するのは、まだ難しいように感じる。あまり込み入った点までは突っ込まないが、いわゆる”公開したくないようなこと”と”公開していること”との間でメールアドレスを共有するなどあまりにも幼すぎる。どうせ嘘をつくのであれば・・・というやつだ。

友達を作る必要性

SNSはその名の通りネットワークを作ってナンボのものである。MixiしかりFacebookしかり。
しかし、実名性の薄いMixiですらマイミクを作ることが苦手な私にとって実名によるつながりを重要視するFacebook上で友達を作ることはなかなかに難しい。
適当に片っ端から気になる人に対して友達申請をしていったり「いいね」ボタンを押しまくったりして頑張れば、多少は友達もできるかもしれないけど、そうして出来た友達が果たして自分にとってのネットワークとして有効だろうかと考えるとなかなか難しいものがある。
そうなると、何かしらのイベントに参加するなりして実際にリアルでコネクションを作り、その補完としてFacebookを利用するのがいいように感じる。

かといって、リアルでのつながりをネットに持ち込んだだけでは結局のところFacebookの利点であるそのバックボーンとなる世界中の参加者との接点は永遠に開かれないように思う。
リアル・バーチャルの垣根やバランスというものはよく考える必要がありそうだ。本書では「友達1000人目指す」とあるように、ネットワークを構築することを第一に考えている。ただ、これに関しては人によって意見の分かれるところだろう。

匿名か実名か

これは個を表現したがらない日本人には難しい問題だと思う。文化といえば文化なのかもしれない。
個を表現と言ったが、表現したがらないというよりは自信がないんだと思う。

私自身ブログを匿名で書いているので偉そうなことを言えたものではないのだけど、たとえばブログやTwitterアカウント等が知れ渡った場合には、自分の知らないところで何かが動いていそうでちょっと嫌になるわけだ。
自信がなかったり、漠然とした不安みたいなものがある。ちょっとうまく表現できないな。
ただ、別にブログで誰かの陰口を叩いているわけではないし、仕事で得た情報を多少は利用したことを書くかもしれないけどそれが会社にとって不利益になるようなことではない。
せいぜい「ブログ書くことに一生懸命になっていて本業がおろそかになってんじゃないのか」くらいではないだろうか。

そう、理論的に考えればだ。
いわゆるデジタルネイティブの世代はそういうことは考えるまでもないのだろうか。そう考えると、自分はやはり古いのだろうかと思ってしまう。

三国志

ずっと前の日記で、ブラウザ三国志にはまっているという話をしました。もちろんまだ続けていて、かなりの頻度でやり続けています。
こういうネットゲームというかゲーム。私がハマるとひたすらにやり続けてしまうところがあるのでちょっと困りものですが、、、

さて、そうやって三国志のゲームをやっているモノの、実は三国志そのものは私はほとんど内容を知りません。ところどころ、かいつまんで知っていたりレッドクリフを観ていたりする程度なんですね。
何ともなんとも。ちょっとお粗末。

ということもあって、読んでみました。

三国志 (1) (吉川英治歴史時代文庫 33)
吉川 英治
講談社
売り上げランキング: 4336

1巻から8巻まで・・・ひたすらにここのところの通勤時間は三国志を読み進めました。余りにも読み続けたために、頭の中の思考回路がどうも・・・古い言い回しばかりになってしまってちょっと面白かったり。

ふと仕事中に「孔明の罠だ!」なんて頭に思い浮かべながらデスマーチの中をひた走っています。。。。

地雷震の続編が始まっていた

たまたま本屋でウロウロしたら見覚えのある絵が

地雷震 diablo 1 (アフタヌーンKC)
高橋 ツトム
講談社
おすすめ度の平均: 5.0

5 飯田響也復活

地雷震は、1892~2000年の間に月刊アフタヌーンという雑誌に連載されていた漫画。高校~大学時代にはまってずっと読んでいました。
終わってしまった時、非常に残念に思いながらも終わり方にとても満足していたのを覚えています。

そんな飯田響也が復活。前作の登場人物もチラホラ出てくる中で、また新たな事件に立ち向かっていく姿はとても懐かしく、変わりの無いことに満足。
実にこれから先が楽しみだ。

どうなっていくのか。
事件の行方は
そして・・・相沢は・・・?
楽しみである

一歩を越えるために考えること・考えないこと

栗城史多著「一歩を越える勇気」を読んだ

一歩を越える勇気
一歩を越える勇気

posted with amazlet at 10.01.27
栗城史多
サンマーク出版
売り上げランキング: 163
おすすめ度の平均: 5.0

5 諦めない!
5 心に響く作品です
5 一歩を超える勇気
5 こんな登山家は初めて!
5 人とは少しだけ違うところ

私が著者を知ったのはYoutubeにアップされていた動画だ。それは、本書の中でも出てくるヒマラヤ山脈の一つ。ダウラギリへの登頂に関する動画。

それはすでに酸素が地上の3分の1。頂上の目印になっているのは過去にこの山で命を落とし、回収されないままでいる遺体というすさまじい世界。
そんな世界にわざわざ映像機材を持ち込んで、インターネットによる中継を試みようとする著者の考え方、これまでの半生が描かれています。

何を考えているのか

「登っている時に何を考えているのですか?」と聞かれることがあるが、「雪に埋まらないように硬い層を見つけて、沈まないように進む」など、目の前のことを淡々とやることしか考えられない(P.93)

実は、似たような疑問を私は日頃抱いていた。
それは、マラソンやトレランを走る人たち。練習で彼らは何時間も走り続ける。ウルトラマラソンの類に出る人たちはそれこそ練習で一昼夜走り続ける場合もあったりする。彼らは走っている時に何を考えているのだろうか。
たとえば3時間練習するとする。3時間もあれば色々なことを考えることができるだろう。練習している間、別のことを考えたりしているのだろうか?それとも景色を楽しんでいるのだろうか?

私も週末限定になってしまってはいるが2時間くらいは走っている。もう少し長く走りたいと思う気持ちと同時にその時間があれば別なことが色々と出来るなとも思ってしまう。たかだか2~3時間の練習しかしていない私ですらそう思うのに、それ以上の練習を日頃している人たちは走っている間何を考えているのだろうか?
実は気になっていた。

しかし、栗城氏のように淡々と目の前の作業を繰り返すというのが実際のところなのだろう。
考えてみると私の場合はラップタイム、フォームのチェック等を淡々と続けているだけ。実はその先なんてものは無くて、それが続くだけなのかもしれない。
逆に言うと、それだけそのことに集中しているともいえる。それだけ集中して取り組んだからこそそれが結果を得た時に人は喜びを感じるのかもしれない。もしかしたら自分も知らぬうちにはまり、だからこそ走っているのかもしれない。

ステージやスケールこそ違えど、何かに挑戦する。そして一歩を越える。
見習うべきことは多々ある。

金こそすべて

昨日読んだ”貧乏入門”とはうってかわって正反対と思われる本を読んだ。その名も「職業”振り込め詐欺”」だ

職業”振り込め詐欺” (ディスカヴァー携書)
NHKスペシャル職業”詐欺”取材班
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 43058
おすすめ度の平均: 4.5

4 「カネこそすべて。手段は選ばない。」という考え方
4 がんばれ警察!
4 組織化、犯罪意識のなさに驚き
5 考え方が違うのかも
5 こんな時代に誰がした?

目次
はじめに

  • 第1章 巨額をむしり取る振り込め詐欺ビジネスの仕組み~格差が生み出した現代型犯罪~
  • 第2章 「捕まるのは下っ端だけ」 ~ワーキングプア・失業者が日雇い犯罪者に~
  • 第3章 有名大学・一流企業出身のエリート犯罪者たち ~犯罪意識の消滅~
  • 第4章 実録:エリートたちが群がる巨大振り込め詐欺グループの裏側
  • 第5章 「命のお金を奪われた」 ~被害で一変した暮らし~
  • 第6章 振り込め詐欺対策の現状 ~撲滅に向けて動き出した警察~

正直言って予想以上の内容だった。取材内容はさすがNHKスペシャル取材班だと思わせる一方、NHKスペシャルだからこその取材対象との距離感に何とも言えない気分になる。

犯罪に走る大学生

本書はNHKスペシャル取材班が振り込め詐欺の実態に関しての調査内容がまとめられている。
取材対象となったのは

  • 振り込め詐欺犯罪者
  • 振り込め詐欺被害者
  • 元振り込め詐欺犯罪者

等々。
特に驚かされるのは詐欺犯罪者たちの実像。本書によると、犯罪者の約80%は20代と30代で構成されており、特に暴力団と直接つながりがあるわけでもない若者。しかも多くの大学生がアルバイト感覚でやっているということでだ。
しかもどちらかというと、頭のいい面々が「賢く稼ぐ」という発想から手を染めているというではないか。

小さいころから英才教育を受けてきたが故の道徳の無さからきているのだろうか。ゆとり教育なんてものも関係するのだろうか。自分が古いだけなのだろうか。
色々と考えさせられる内容だ。

何が犯罪なのか

元振り込め詐欺の面々が、振り込め詐欺によって得たお金をもとに会社を興して今は働いているという。何とも言えない話だ。
それを考えると、実は周りの合う人たちは本当に真っ当な稼ぎなのだろうか?あの人はなんであんなに羽振りがいいのだろうか?いらない詮索までしようと思えば出来てしまう。
“自分のまわりにはいるはずがない”なんて発言は結局のところ、振り込め詐欺にあった人たちが口々に言う「まさか自分が詐欺にあうとは」ということと同義なのではないだろうか。

また、振り込め詐欺とは言わなくても巷であふれているいわゆる”情報起業”のようなものも、いくつかは”人をだます”という意味においては似たようなものに感じる。もちろん、それらのすべてがそうだというわけではないだろう。ただ、そういうものがまぎれていないとも限らない。

いずれにしても、疑心暗鬼にならないために我々は正しい知識と情報を手に入れる必要があるだろう。
常に脅すネタは変化していく。時事ネタだからと言ってあわてず、一呼吸おいて事実を確認する心の余裕を持つ必要がある。警視庁の関連ページを以下に記す。

振り込め詐欺(警視庁)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/koreisagi/koreisagi.htm

色々と、今後を考えさせられる一冊であった。
ともかく、一度親に連絡を取りたくなった。余り人ごとだとなめてかかってはいけない。

完結?

数学ガールの最新。ゲーテルの不完全性定理を読んだ

数学ガール/ゲーデルの不完全性定理
結城 浩
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 1492
おすすめ度の平均: 4.0

4 シリーズ第3弾
4 待望の第3弾です
2 村上春樹の愛読者なら読めるのでしょうか?※
5 どんどん内容は難しくなるが、続きが読みたい
4 ベースは廣瀬・横田の「ゲーデルの世界」か?

回を重ねるごとに登場人物たちの知識が付いてくるので、否が応でも話のネタとなる数学レベルも上がってくる。其々の人間模様と関係なく繰り広げられる数学談。
それも今回で最後なのかもしれない?そんなことを思わせるラストでした。

それにしても思うのは、「あー、授業真面目に受けてなかったんだな―」ってこと。
数学に関して言うと高校はもちろんのこと、理系なので大学でも数学をやっていたのにこんなにも覚えてなく、身についていないものかと。
少なくとも人の話を聞くときは、疑問の派生を考えずに聞くことに集中せなあかんなと再認識。
私の弱いところです。

テトテトテトラ

強みと資質

マーカスバッキンガム著「最高の成果を生み出す 6つのステップ」を読んだ

最高の成果を生み出す 6つのステップ
マーカス バッキンガム
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 5705
おすすめ度の平均: 4.5

4 強みを生かすための、具体的な方法が見えてきます
5 まさに「実践」書
5 ホントに(!)強みを活かす人生が築けそう
4 楽しいことは悪いことではない,むしろ才能を発揮する最良の資質だ
4 才能(じぶん)に目覚めた後は、人に伝えて、実り多き習慣を作り上げる

目次

  • ステップ1 神話を打ち砕く――何があなたの成功を妨げているのか
    • 成長しても人の個性は変わらない
    • 弱点は直せない
    • 助けてあげても人は成長しない
  • ステップ2 サインを見逃すな――あなたの強みは何か、いまそれを発揮できているか
    • これまでに大成功をおさめたこと
    • 何度もくり返し、したくなること
    • 無理しなくても集中できること
    • 終えたあとに充実感や満足感が得られること
  • ステップ3 強みを解き放つ―-仕事で最高の成果を得るために何をするか
    • 毎週、月曜の朝にすべきこと
    • どこにフォーカスするか
    • 見逃しているチャンスはないか
    • 自分のなかで不足しているものはないか
    • 上司や仲間にも十分に伝わっているか
  • ステップ4 危険信号に注意せよ――弱点の封じ込め方
    • 人からよく注意されること
    • やっていても、うきうきしないこと
    • なかなか上達しないこと
    • すぐに疲れたり、飽きたりしてしまうこと
  • ステップ5 仲間や上司を利用する――あなたにとって最高のチームをつくる法
    • 面談では何から話せばよいか
    • あなたならどのように手伝ってくれますか
    • 半分は上司の責任
  • ステップ6 習慣にしてしまえ――毎週、これだけは確認しよう
    • 強みを活かせているかどうかのチェックテスト
    • 上司とは四半期ごとに話し合う
    • 強みはどう進化するか

この本は、以前に”強み”というものに対してフォーカスした勉強会に参加していた時に用いられていた本。著者はストレングスファインダーでおなじみのマーカスバッキンガムさん。
以前に読んださあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かすの内容と、どう違うのだろうか?というのをイマイチ理解しないままに手に取ってみた。
さてはて、どういうことなのだろうか?

強みと資質

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かすでは、いくつかの問題を解いていくことで自分が生来持っている”資質”というものを明らかにしてそこから導き出される内容によって、自分自身を知るということがメインであった。
ここで導き出された資質。これは一生変わることがないものとして定義されている。ちなみに私の場合は次の5つであった

  1. 調和性
  2. 適応性
  3. 包含
  4. 回復思考
  5. 指令性

本書で述べている”強み”というのは、ここであげた”資質”とは異なり、その時期や仕事内容によって変わったりする可能性を持っているモノだ。
実を言うと、本書で述べられているワークは、先日参加したワークショップで行った内容と同じ…というよりは、ワークショップが本書を参考にして組み立てられたものであったために、すごい目新しいものではなかった。

本書では自分自身の経験。特に”今日”であるとか”今週”のような単位で自分が”やってよかったと思った仕事”、”気持ちよかったことは?”等を集めて、それらを一段抽象化させた言葉にすることをワークとして掲げている。
以前のワークショップの中でも話があったのだが、私の資質の中には戦略性に関することが抜けている。それであるが故なのか、やはり戦略に絡んだ仕事内容。たとえば、計画を組むということに対しては大きな苦手意識を持っている。
それに対して、メンバーと内容に関して話し合ったり、全体としてまとめあげようとしようとするときには比較的気分がいい事が多いような気がする。これらは本書のワークを行ってというよりは、これまでの経験から考えてみると…というところである。
なぜ、ワークの結果ではないかというと…

踊るダメ人間

実を言うと、これらの内容を日々メモをするというのが…何とも…苦手である。
しかし、本書の言うように”苦手”なことを本当にやらないとすると、そもそもこのワークが仕上がらないことになってしまう。
何ともジレンマである。
ここはやはり、意を決して書き続けてみるべきか。たぶん、1週間やっただけで新発見は難しいだろう。そうすると少なくとも数カ月単位で。いや、年単位で定期的に実行することになる。
あぁ・・・それが苦手なダメ人間はどこまで行ってもダメ人間。
ただ踊るだけである。