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壁打ちは最強の思考術である

「一分で話せ」でおなじみの伊藤羊一さん著「壁打ちは最強の思考術である」をAudibleで読んだ

壁打ちは最強の思考術である

伊藤羊一さんといえば、Voicyで話をよく聞いており、壁打ちに関してのよく話が出ていたことを思い出しました。
(最近はVoicy自体を諸々の理由で聞かなくなってしまったのですが)

何年もVoicyで伊藤さんの話を聞いてきているので、なんというか書かれている内容がどれもいつも話されている内容であることに、本当に日常的に壁打ちが溶け込んでいるのだと気が付きます。

実際のところ、壁打ちに限らず発話することで思考が整理されるというのは何度も経験していることで、それは部下との1on1でもよく生じる現象です。
ただ、これを壁打ちとして日常の中に取り入れるというのは、職場環境にもよるとは思いますが、どうすれば良いのかがパッと出てこない。

多分、余裕がなさすぎるのだろう

本書の中でも、コーヒー片手にウロウロしていると壁打ちの依頼が来る。。。なんてエピソードが紹介されているけれど、それは壁打ちが組織レベルで根付いている職場であるし、そもそも日常的に壁打ちをするようなネタがある・・・?

と、ここまで考えてふと思うのは、我々IT技術者に取ってみれば、壁打ち=ソースコードレビューなのではないかと。
いやいや違うだろうと。

レビュー => 対象に対してのレビューアーからの評価や改善点の指摘
壁打ち => 壁打ちをしたい人の思考の整理・深堀り・気づきの創出

と考えるとやはりレビューを壁打ちとするのにはちょっと無理がありそう。
レビューを出すもっと前の段階なんだろう。

であるならば、タスクを与えた後でその実装方針やなんかの検討結果を話してもらうような”壁打ち場”を意図的に作ってしまうのが良いのかもしれない。
ペアプロやモブプログラミングに近いのかもしれない

そんな気がしてきた。
いずれにしても、時間を取って行う行為ではあるので全てに適用するというのは難しいところだけれど、やってみる価値はありそうだ。

そしてここまで書いていてちょっと思うのは、私にとってこうやってブログを書くという行為も一人でやっているけれど壁打ちみたいなものだよな、と。
誰かに読んでもらって反応が返ってくるわけではないので、打ちっぱなしな感じはあるけれど。
まぁ、それはそれだろう。

HBR12月号特集「P. F. ドラッカー 『真摯さ』とは何か -経営と人生の指針-」

HBRの12月号をようやく一通り。
今月号は「P. F. ドラッカー 『真摯さ』とは何か -経営と人生の指針-」特集でした

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2025年12月号 [雑誌]特集「P. F. ドラッカー 『真摯さ』とは何か -経営と人生の指針-」 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー

ドラッカーの言葉として、「真摯さ」という言葉はそれなりに認識しているつもりでしたが、元々の言葉である”integrity”という単語の意味。ニュアンスという認識は全く持っていませんでした。
そういう意味では日本語訳に頼るというのはある意味難しいものですね。
Google先生でインテグリティを検索すると下記のようになります

インテグリティとは「誠実さ」「真摯さ」「高潔さ」を意味し、高い倫理観や道徳観に基づいて、自分の信念や原則に忠実に、一貫して行動する様を指します。単なる正直さにとどまらず、不利な状況でも自分の信念を貫くことが本質です。特にビジネスにおいては、経営者や管理職に不可欠な資質とされ、企業全体の信頼性を高める要素と考えられています。 

インテグリティの主な意味

  • 誠実さ・真摯さ: 正直であるだけでなく、自分の言動に責任を持ち、言葉と行動を一致させること。
  • 高潔さ: 自分の信念や原則を、妥協することなく一貫して守り抜くこと。
  • 完全性・健全性: 語源のラテン語「integer」が持つ「完全な」「健全な」という意味合いも含まれます。
  • 責任: 失敗や困難な状況に直面しても、現実から逃避せず、自分で責任を負おうとする姿勢。 

ビジネスにおけるインテグリティ

  • 経営者・管理職の資質: 信頼を築く上で不可欠な資質と見なされ、特に管理職や経営者に求められる重要な要素です。
  • インテグリティ・マネジメント: 法令遵守だけでなく、より広範な社会的責任や企業倫理を実践する経営手法を指します。
  • 企業文化への影響: インテグリティの高い人材を採用・育成することで、組織全体の誠実性を高めることができます。 

では、ここで言う「自分の信念や原則に忠実に、一貫して行動する様」で挙げられている”自分の信念や原則”がなにか?と考えてしまうと途端に自信がなくなってしまうものです。。。

ただ、物事を判断するうえで何を重視するのか?何を基準にして良し悪しを決めていくのかということに関してはある程度作ることができるのではないだろうか。
もちろん、IT技術に関して言うと判断基準が変わらなかったとしても、その時その時での最新技術の変化によって判断結果が変わることは多くありそう。

逆に言うと、そういった変化によって生じた前提条件の変化も、基準を明確にすることで一貫性を持った形で受け入れられるのではないかとも思う。
ようは一度判断した内容に対しての一貫性ではないという話なんだろう。

まぁ、判断基準がブレブレになってしまわはないようにだけはしないといけません。

ドラッカー。
一時期、かなり感銘を受けて著作や関連作を色々と手を出したことがあります。
今思うと、ちゃんと身になっているのだろうか?は非常に怪しいところではあるのでこれを機会に読み直してみたいと思います。

ドラッカー名著集1 経営者の条件

Kindleの固定レイアウト本

少し前に購入した、AIエージェント開発の本を亀スピードですが進めています。
Kindleで購入したのですが。。。

https://amzn.to/44cXD3H

まさかの固定レイアウト本でした。

AIなどを取り扱うのであればデータの重要性が第一に考えてほしいものですが、まさかの固定レイアウト。つまりは画像本です

スマホで見ると文字が小さくて読みづらいし、拡大すればスクロールを必要とするのでこれも読みづらい。
更にKindleでマーカーを引くこともできない。

なぜ固定レイアウトにしたのでしょう。。
レイアウトにこだわりを見せたかったのかもしれませんが、作中のコードもコピペできなかったりして、正直Kindleで買ったことを後悔したくらいです。
紙で購入したほうが良かった。

よくよくAmazonのページを見ると、「※この電子書籍は、「固定レイアウト型」で配信されております。説明文の最後の「固定レイアウト型に関する注意事項」を必ずお読みください。」と書かれているので、それに気が付かなかった自分が行けなかっただけなのかもしれませんが。。

残念だ

ルポ 人が減る社会で起こること

Audibleにて「ルポ 人が減る社会で起こること」を読んだ

ルポ 人が減る社会で起こること──秋田「少子高齢課題県」はいま

少子高齢化は日本全体の課題ではあるけれど、その進行具合はやっぱり地方に行けば行くほどひどくなり、本書は秋田でのその状況を伝えているルポとなっている

私自身、大学時代は山形に4年住んでいたし、妻は宮城出身ということもあって東北に関して全然馴染みがないわけではない。
ただ、秋田に関しては温泉に何度か行った程度であまり知らなかった。

どうしても移動のルートは太平洋側を中心になりがちで、秋田って絶妙に生きづらい場所なんですよね。
青森ならそのまままっすぐ北上すれば良いのだけど、秋田の場合は盛岡で方向を変える必要が出てしまいますし。そういう行きづらさもあるんだろう。

本書では、人口減少や高齢化。
はたまた、昨今急に多くなったようにも感じるクマ被害や食文化など幅広い内容で秋田や東北周辺を紹介していて面白かった。

特に食文化に関して面白いと思った。
山形や宮城でも感じていたのだけれど、基本的に味が濃い。というかしょっぱい。

宮城でも、紫蘇巻とか食べたことがあるけれど、なんでこんな食べ物が成り立つんだろう?と思ったくらいにしょっぱかった。
本書によると秋田は更にしょっぱいらしい。。。

雪深い地方では、冬に食材を持たせるために塩蔵するというところからこの食文化が端を発しているということなので歴史的経緯としては理解できる。
現代においては、塩分過多は好まれるものでもないので、この伝統というか食文化を伝えるべきなのかという話は、結構悩ましい問題にも感じた。

こういう歴史的な経緯があり、それが現代においては解決されている問題に関して以前の状態を伝統として保持したものか。。。結局は変わっていくしか無いのではないかな、と思う。

うーんと思ってさとふるで秋田県を見ていたら、稲庭うどんの写真がホラーものだった

もうちょっと、なんとかなっただろう・・・

24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力

Audibleで「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」を読んだ

24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力

眼の前のことに集中することの大事さというものに対して、様々な論文などを集めて本に仕立てたような一冊。
ひたすら引用が続くので、基本的には聞いたことがあるような内容が多いような印象を受けた。

スタンフォード監獄実験の話などが出て、いかに人間が環境や役割によって影響を受けてしまうのかみたいな話が出てくるのだが、スタンフォード監獄実験自体はすでに否定されていたのでは、とふと思った

スタンフォード監獄実験 – Wikipedia

そう考えると、論文なんてものはその肯定・否定の両方が存在しているので、この論文を集めて作ったものに対して、うーんと思わざるを得ない気持ちが出てしまう。

まぁ、結局のところどんな情報であれ自分が動き出すきっかけとなるのであれば何でも良いのだとは思う。
ただ、今日一日に集中=先を考えないということではないはずなので、言葉ヅラで変に考えてしまわないようにはしていかないといけないだろう。

ガダラの豚

中島らも著「ガダラの豚I」を読んだ

ガダラの豚 I

すごい特徴的な表紙だったので、書店で並んでいたのを覚えている。
今回はAudibleで聞いたのだけど、全3巻あるなかでAudibleではまだ1巻のみ。
先は長そうだ

ちなみにこのガダラ。
Audibleなので私が単純に聞き逃しただけなのかもしれないけれど、一度も登場しなかったような気がする。
Google先生に聞いてみたところ、古代イスラエルの古代都市だそうな。
イエス・キリストが豚の群を湖に追い落とした逸話があるそうだけど、それだけ聞くと全然意味がわかりませんね。

1巻は基本的に超常の能力と奇術・マジックのお話を中心に展開され、基本的に超常の能力に関しては否定的な終わり方をしている。
ただし、最後の最後で教祖が謎の言葉を発し、そして主人公である教授先生一家がこれからアフリカに向かうわけです。

なので、1巻で否定された超常の力に関して、アフリカでの呪術というものが肯定的な出来事が起こるのでしょうか。
ちょっと気になるところです。

ただなぁ、同伴するのがよくわからないイカサマ超能力者というのが、展開的にはよくわからない方向になります。
Mr.ミラクルが行くのであれば、展開としては同じ方向になるので、それはそれで面白くないという話はあるのかもしれないけれど、うーん、どんなふうに話が展開していくのでしょうかね。

そして、Audibleで出てくるのはどれくらいタイムラグがあるのだろう。。。
早く出てきてほしいです

Tidy First?

定期購読しているSoftware Designのアンケートプレゼントでケント・ベックのTidy First?を頂きました!

Tidy First? ―個人で実践する経験主義的ソフトウェア設計

先日、Software Designでもリファクタリングをいつやるのか?という特集が組まれていましたが、その時のプレゼントですね。素晴らしい

Tidy?

Tidyという言葉はあまり馴染みがないですが、直訳すると”きちんとした”や”整頓された”という意味を持つ形容詞で、Tidy First ? は要するに、「乱雑なコードを先に整頓するべきか?」という意味だそうです。
まさに、本誌と同じテーマですね

序盤は実際に整頓するテクニックから始まる本書ですが、中盤から後半にかけてはタイトル通りいつ整頓をするのか?そしてなぜそのタイミングで、何を目的にどの程度整頓するのか?という話になっていきます。

プログラムが価値を提供するのは、基本的に機能。
本書で言うところの”振る舞い”であって、”整頓”することでは価値は増えない。

ただ、”振る舞い”を追加する。つまり、価値を増やすという行為をするために支払われる対価。つまりはプログラミング・開発は”整頓されたコード”と”整頓されてないコード”では支払われるコストが異なる場合もある。

そういった、いわば”オプション”、付加価値をつけやすいかどうか?ということそのものが価値なのではないか?という話。
アタリマエのことといえば当たり前なのですが、変更を加える予定がなければ整頓する意味もないのですよね。

将来的に変更が加わるかどうかは未知数であり、その中で起こるかどうかもわからない未来のために頑張って整頓するというのは経済的に考えればあまり褒められたものでもなく、この判断は難しいところです。

本書には、冒頭のケント・ベックの言葉にもあるように続編が作られています。
本書がタイトルに有るように”個人”を対象としているのに対し、続編ではチーム。つまり一緒に開発する人との人間関係を含めた形の内容だそうで、Amazonで見てみると2026/11/3の発売となっています。。。本当に出るのでしょうか。。。

Substackでは続編の概略が見て取れ、課金すれば内容を出版に先んじて読むことができるようです

Tidy Together? Outline – by Kent Beck

非常に面白い本ではあったし、そこまでページ数もないのでサクッと読めるのも嬉しいところ。
ただ、ある程度、経済的な考え方が持てる人が読者には向いているのではないかな?と思ってしまうので、会社の若手というよりは中堅一歩手前くらいのメンバーに読んでもらおうかと思っています。

Software Design11月号

今月のSoftware DesignはAI開発ツールでした

ソフトウェアデザイン 2025年11月号

特集ではAI開発ツールとして以下を取り上げています

  • Github Copilot
  • Claude Code
  • Devin
  • Cursor
  • Amazon Q
  • Gemini Code Assist

名前は聞いたことがあっても、実際に触ったことがあるかというと無いものも多いところです。私はというとあまりあれこれと手を出さずに、Claude Codeの使い方を色々と工夫している形です。

AIの開発ツールと言ってもいくつか分類みたいなのがあって、コーディングアシスタント、コードジェネレート、仕様駆動、AIアプリ作成ツールなどなどあり、完全には分離できないものの、次から次へと新しい発想・思想が生まれてくるので整理しづらいところはあります。

個人的にはDevinはちょっと触ってみたいと思いました。
アプリケーション開発プラットフォームとしては、ここでは取り上げられていませんがDifyも気になっています。

いやー。このあたりの取捨選択というか、難しいものです。我々エンジニアは結局のところ何に焦点を当てれば一番効率がいいのか。。。
最終的にはどれも似たような感じになるのではないかとは思いますが、サービス自体が終了ということもよくある話なので悩ましいところです。

私自身はコードを書くよりも要件整理や設計周りの頻度が上がっているので、SDD(仕様駆動開発)のほうが興味あり、cc-sddも気になっています

https://github.com/gotalab/cc-sdd

いやー、気になってます気になってますを繰り返していて手が動いていない、典型的なだめエンジニアになっていますね。。。

なんとかせな。。。

ランナーズ 2025年12月号

だいぶ涼しい日が増えてきて、マラソンシーズンの到来を感じる今日このごろ。
そこに来て12月号が届きました

ランナーズ 2025年12月号

今月号でやはり気になるのは「30kmの壁を突破する思考法」
言ってしまうと、途中で失速してしまうことへの対策ですね。

私はこれまでの傾向で考えると、35kmあたりに壁を感じます。
プライベートベストを出した2023年の長野マラソンは最後の最後に失速してしまいましたが大体は走り切ることができました。

ただ、他の大会に関しては30~35kmあたりでの失速。。。というか諸々の理由で歩いてしまっています。

本書でも取り上げられているのですが、基本的には前半のオーバーペース。
また、ペーサーに無理について行ってしまうという点なのだろうと思っています。

大会にはコンディション整えて出ることになるので、どうも勘違いして飛ばしてしまうんですよね。
目標としては、サブ3.5なわけですが、できることならサブ3を視野に入れたいというのが人間の業というかなんというか。
悲しいところです。

今週末の水戸黄門漫遊マラソンでは、きっちりサブ3.5を達成することを目標。
そして気温も下がってくる2月のさいたまマラソンでその上が狙うことができれば!と思っているので、それであればきっちりサブ3.5を取りに行くようにしましょう。

ただ、現時点で水戸の10/26天気はあまり良くなさそう。。

気温は20度。そして雨。。。
どんな感じのコンディションになるのか心配なところです。

シャンフロ24

シャンフロの24巻が出てます

シャングリラ・フロンティア(24) ~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~ 

シャンフロもキングダムも、Webでそれほど露出してこないので、毎回単行本が出るのが楽しみです。

徐々にワールドストーリーが進んいくのはいいのですが、出てくるプレーヤーがリアル世界でもサンラクの周辺人物つながりばかりなのは、これいかに・・・

まぁ、そんなものといえばそんなものですね。
シルビアが登場するのも時間の問題でしょう

ギミックにギミックを積み重ねたような世界観のシャングリラフロンティアですが、これ、本当に人が独自に考えたという結末を迎えるのかが正直気になるところ。

異世界ネタに話がいかないとは思いますが、うーん。

まぁ、楽しみに続きを待つことにしましょう