昨日のブログで「通常の本とはそもそも異なる、iPadならではのコンテンツが大流行して単純な本の価値がだだ下がる」と書きました。
特に何かを見て書いたわけじゃないのですが、今朝出社してネットをチェックしてびっくり。iPadのみで発行する新聞が発表されたんですね。なんというか、タイムリーすぎて正直びっくり。
週99セントのiPadデジタル新聞「Daily」、News Corp.が発表
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1102/03/news018.html
実際にレビューをされている方もいました
The Daily:News Corp.のApple iPad向けキラーコンテンツを早速試した感想。
http://blogs.itmedia.co.jp/ibamoto/2011/02/the-dailynews-c.html?ref=rssall
中身を見てみると、通常の紙面との違いは
- 紙面に対しての感想や意見をTwitterでつぶやき、共有できる
- ロケーション設定(天気予報用)
- 占い(星座を設定)
- 動画/音声による効果の導入
- ゲーム(数独)の操作性
みたいなところだろうか。
動画やネット、写真をふんだんに使用しているせいなのか、純粋に作りがまだこなれてないせいなのかは不明だが、レビュワーの方としてはかなり重いアプリケーションになっているようだ。これは次第に調整されるだろう。
では、実際のところこれらの機能によって、たとえばKindleに配信される紙面や実際の紙の新聞と比較して大きな効果がみられるのだろうか。
自分が欲しいとしたらどんな新聞なのかを少し考えてみた。iPad持っていないけどね!!
パーソナライズ設定
新聞と言うのは、かなり広範な情報が掲載されている。日本経済新聞と言う”経済”にフォーカスした新聞でさえ掲載内容は経済だけではない。完全な専門誌になっているわけではないわけだ。
そうなると、興味のある紙面・優先的に確認したい紙面が分かれていくことになる。
出来れば、自分の興味が強いものから順に読んでいきたいと感じている。常に1面から読む必要なんてないはずで、だからと言ってページをアチコチ移動するのは煩わしい。
紙面のカテゴリーは大体決まっているわけだから、それらの順番設定が出来るようにすればいいだけの話だ。何も難しいことじゃない。
パーソナライズが占いだけってのはどうしようもなく悲しい発想だ。むしろ占いが好きなら全星座見てみたいのではないかと思ってしまうのは私だけだろうか?「あなた何座?今日は12番目ね!残念!」
時系列での確認
新聞と言うのは、当然のことながらその時の最新の情報を記事として掲載している。
今回導入したTwitter等によるリアルタイム性は、確かに印象としてはいいし、ネットニュースの分野との比較によくつかわれる内容だ。
ただ、報道されている”今”は、過去の積み重ねで成り立っているものもあって、関連したニュースをさかのぼりたい時が多い。そしてそれは昨日の新聞かもしれないし、1週間前の話なのかもしれない。
関連した記事を、過去にさかのぼって確認。その移り変わりを確認することができれば面白いのではないかと思っている。
これはどちらかと言うと、現在の記事をもとにさらに先を読む訓練として使いたいと思っている。
ただ、この実装は積み重なっていくと容量の問題が発生しそうだ。ある程度の物量だけローカルには保存して、残りはクラウド上で一定期間保持していくようなイメージだろうか。
リアルタイム性よりもつながりを
TwitterのTLを確認、配信することで意見交換できるというのは確かにいいのかもしれないけど。。。。どうなんだろうか。
紙面の内容(金融・経済と芸能・スポーツ)によってすごい差が起きそうな気もするし、どこまでまともな状態になれるだろうか。ちょっと疑問だ。
表示されるのが、自分のフォロー限定で「自分がフォローしている人たちはこの記事を見てどう思っているのか」だけが出るのであれば、かなり面白そうだ。
実際に、当人と会ったときに「今朝の新聞に書いていた意見、あれ面白いですね」なんて話も出来るのかもしれない。
初対面の相手と話をするうえでのネタにもなるかもしれない。
ただ、不特定多数の意見となると収拾がつかずに誰も使わなくなりそうな気がしている。
紙面を読んでいてわいた疑問点を、記者もしくはそれらつながりを持ったどうしでディスカッションするような場を作ることができればとは思うが、日毎に配信される新聞紙面上でそれを行うのは正直無理が生じるのではないかと言う懸念もある。
これは、おとなしく違う場を作ってしまった方がよっぽど効率がよく感じる。
音読サービス
単純な発想だけど、読み上げてくれると家事をしながらでも新聞を読むことができる。
先に書いた興味がある順に紙面が並んでいれば、まず自分が知りたいことをインプットできる。ラジオやテレビと違って、聞きながら気になった記事をいつでも読み返すことが可能な紙面と言う利点もある。
もちろん、読み上げ機能と言うのはKindleにも備わっている機能なので、そことの差別化と言う意味ではあまり意味をなさないかもしれないが。
こうやって見てみると、結構出てくる。ちょっと考えただけでも他にもいくつか出てくる。
そういう意味ではやはり、可能性が広がるところだ。
このジャンルがより盛り上がっていくことで、色々な可能性が見え隠れする。とても面白い時代だ