日別アーカイブ: 2025年10月5日

ベートーヴェン捏造

かげはら史帆著「ベートーヴェン捏造」を読んだ

ベートーヴェン捏造: 名プロデューサーは嘘をつく

映画化されたということで、ちょうどAudibleの対象になっていたので読んでみた。
前情報は何も見てない中で、タイトルだけ見てベートーヴェンが捏造したのか。ベートーヴェン作と捏造したのか・・?と想像していた。

内容としては、一時期ベートーヴェンの秘書だったというアントン・フェーリックス・シンドラーという男の伝記?とも言うような内容。

クラッシックに疎い私でも、ベートーヴェンが耳を患っていたという話は聞いたことがあった。
そもそも耳が聞こえない状態で作曲なんてできるものだろうか?とは思っていたが、会話をどうしていたのか?に関しては考えたこともなかった。
どうやら、ベートーヴェンは喋り、相手は筆談というスタイルだったようで、本書ではそこで用いられた”会話帳”をキーとしてベートーヴェンやその周囲の人間模様が紐解かれている。

あとがきでも書かれていたが、本書ではわざと現代っぽい、口語で書かれている箇所が多い。
Audibleで聞くと、淡々と語られるので若干違和感を感じなくもないんだけど、それはそれで面白かった。

それにしても、過去の人物像や逸話のようなものを把握するには、結局のところ当時の著作物に頼らざるを得なく、本書で書かれているシンドラーのような事があると、何が真実で何が捏造か。仮に捏造だとわかったとしてもどこまでが捏造なのか?など分別するのは難しいということを突きつけられている出来事なのだと改めて思った。

これがベートーヴェンのような有名人ですらおきているのだから絶望的だ。

いやー。難しいですね