深沢 隆司さん著「いちばんやさしいPMBOKの本」を読んだ
技術評論社
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PMBOKには何が欠けているかが分かるとうれしい
プロジェクトマネジャー必読
PMBOKとは何か?
PMBOKの概要と著者の暗黙知の紹介
PMBOKの入門として
目次
- 1 PMBOKとは何か―ものごとを成功裏に成し遂げるための基礎知識
- 2 第1部 プロジェクトマネジメント・フレームワーク―PMBOK第1章~第2章(序論プロジェクト・ライフサイクルと組織)
- 3 第2部 単一プロジェクトのプロジェクトマネジメント標準―PMBOK第3章(単一プロジェクトのプロジェクトマネジメント・プロセス)
- 4 第3部 プロジェクトマネジメント知識エリア―PMBOK第1章~第2章(プロジェクト統合マネジメント
- プロジェクト・スコープ・マネジメント
- プロジェクト・タイム・マネジメント
- プロジェクト・コスト・マネジメント
- プロジェクト品質マネジメント
- プロジェクト人的資源マネジメント
- プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント
- プロジェクト・リスク・マネジメント
- プロジェクト調達マネジメント
- Appendix アーンド・バリュー法(EVT)―プロジェクトの進捗を金額で表現する
プロジェクトマネジメントを学ぶ
色々とプロジェクトマネジメントに関する書籍はあるんだけど、どれも実践的な内容だ。実践的というのは、”このケースで私はこうやって乗り切った”的な話がほとんどだ。
その中で、PMBOKに関しては具体的なケースではなく、そもそもプロジェクトマネジメントとはと言ったような体系的な知識を作ろうとしている事から前から気になっていた。
CNETにPMPへの道のりと題した連載を一通り読んで、まずはこの本を読んでみようと。
PMPへの道のり
http://japan.cnet.com/blog/pmbok/2009/05/16/entry_27022434/
やさしいのか?
さて、”一番やさしい”と題されているが、そもそも難解なPMBOKをやさしくしたところで、やはりそれなりに難しい内容ではある。難しい内容ではあるけど、かなりの部分で納得のいく内容ではあった。
プロジェクトとは何か?ということから始まり、プロジェクトを計画するときに必要となる
- 統合マネジメント
- スコープマネジメント
- タイムマネジメント
- コストマネジメント
- 品質マネジメント
- 人的資源マネジメント
- コミュニケーションマネジメント
- リスクマネジメント
- 調達マネジメント
に関してのそれぞれの内容に関して大まかではあるが説明されている。
これは、PMBOKそのものがそういう書き方がされているのかどうかはわからないが、読んでいて思うのはプロジェクトマネージャーの悲哀というかなんというか。不遇の待遇を受けていることへの”本来我々はこうあるべきなんだ”的な苦悩が垣間見えて、面白いようで鬱になりそうな本であった。
ITのプロジェクトが惨状に見舞われやすいのは確かに組織的な問題が多くのしかかっているのかもしれない。特に計画内容が計画したと言える内容であることが実は珍しいのではないかと思えてしまうぐらいだ。
読んでいると、自分自身でもやってしまっているような過ちが数々出てきているようで反省しっぱなしの内容だった。今からでも体制を立て直さなければならない。
PMP取得を目指す?目指さない?
さて、一通り読んでPMBOKに関してのなんとなくの概要はわかった気がするが、PMP試験を受けるかどうかは大いに考える必要がある。
PMP試験は受けるだけでも5万近くかかるうえに、受験資格を得るまでにも多くの場合は10万以上の講習を受けることになって総額的には20万近くの費用がかかる。
受験するほとんどの人が業務命令というのも納得な内容だ。個人で受けるにはちょっと気が滅入ってしまいそうな内容だ。
資格を取ることによって生じるメリットや、そこから回収できるのかというと少し心配ではある。それよりはIPAで出しているプロジェクトマネージャ試験のほうが費用対効果が大きいのではないだろうか…?
ただ、PMBOKはPMBOKとして知識を学ぶのは今後の自分自身の活動に関しても大きな恩恵を受ける事が出来そうで、ちょっとワクワクしてしまったことは確かだ。
そんなことも合わせて考えながら今後のプラン練っていきたい。