月別アーカイブ: 1970年1月

ドラッカー名著集1 経営者の条件

ドラッカー名著集1 経営者の条件を読んだ

ドラッカー名著集1 経営者の条件
P.F.ドラッカー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 772

ずっと気になっていながらも読んでなかった本書。
ようやく手に取ってみたけど…ううむ、やはりドラッカーは濃いな

本書のタイトルは”経営者の条件”としているが、本書は経営者のみを対象とした内容ではない。本書の対象読者は”経営者”ではなく”エグゼクティブ”と書かれ、

本書は、トップが行っていることや行うべきことについて述べたものではない。知識労働者として自らの組織の業績に貢献すべく行動し、意思決定を行う責任を持つあらゆる人たちのために書いたものである。すなわち私がエグゼクティブと名付ける人たち全てのために書いたものである。(P.27)

とある。ここでいう”意思決定”を行う人というのは、肉体労働ではなく知識労働をするものであれば、かなりの確率で当てはまるのではないだろうか。そう考えると、かなり広範囲の人に対して書かれたものであることがわかる。
つまり本書の中でも触れられているが、成果をあげるエグゼクティブの能力。これは決して天性のものではなく考え方や習慣。そして修練によって身につけることができるというものだ。

貢献する

ドラッカーの著作にはたびたび”貢献”という言葉が出てくる。もちろん本書も例外ではない。
本書は全7章から構成されているが、一貫して言われているのが「エグゼクティブは貢献に焦点を合わせ、成果をあげなければいけない」という事だ。

そのためには時間を管理しなければいけない
そのためには人の強みを生かすマネジメントをしなければいけない
そのためには問題ではなく機会に目を向けなければいけない
そのためには集中して物事に取り組まなければいけない
そのための意思決定をしなければいけない

仕事を完了させることを目的にしてしまい、その本来の成果や貢献というものが今の仕事の完了で得ることができるのか?そもそも、その仕事というのは本当に必要な仕事なのか?
まだまだ考えることは多いです

組織の中か、組織を作るか。はたまた仕組みか?

ドラッカーが考えているのは”組織”としての考え方。”組織”そのものやその組織の中でいかに貢献する事が出来るのかに焦点が当てられている。この場合、貢献する対象は様々で、上司や部下であるかもしれないし社外や社会そのものなのかもしれない。
社会に対する貢献や組織内での貢献に関して、自分自身の思いや考えというものが受け入れられるとは限らない。その場合に起業という選択肢を選び、組織そのものを作り上げる方向になるのだろう。
対して先日の仕組みセミナー(id:krote:20090307)で考えられていた出発点は、どうすれば”組織”というものに縛られずに生活をすることができるのかを考え、それを”仕組み”という形で実現していた。

出発点や発想の異なる三者が入り混じって最初考えてしまったので頭がゴチャゴチャしてしまっていた。結局のところ、何が正しいのか。”正解”なんてあるわけじゃないのにね。
今の組織の中で上を目指すのか。それとも組織を起こすのか。組織からの脱却を考えるのか。
それぞれの選択肢があっていいとは思う。今、自分自身が真っ先に思いつくことは組織の中で上を目指すことだ。だがしかし、必ずしも今の組織が満点というわけではない。たぶん不満を挙げればきりがないんだろうけどそこからは何も得ることはできないだろう。
それならば本書にあるように、成果を出し、目指すべき組織にしていかなければいけない。本当の意味で”エグゼクティブ”になれるかどうか。”貢献”に焦点をあてた考え方を身に付け、自分を。そして組織を変えていかなければいけない

仮想化への道

今月の日経SYSTEMSに富士フィルムで行われた基幹システムの仮想化に対する取り組みが紹介されていた。

仮想化そのものは大変有用で、私も検証環境や社内での客先環境を模すのに良く使用している。実機を使用しなくてよいというこの利点にはかなり恩恵を受けている。なかったらと思うとちょっと怖いくらいだ。
ただ、富士フィルムの例でみられるように実際の基幹システムに仮想化を取り入れるには実のところ、未だに多くの問題を抱えている。
私が感じる一番の問題は、アプリケーションのサポートだと考えている。これは私自身がアプリケーションを作成するベンダーの立場であり利用する立場でもあるからだとは思う。

アプリケーションのサポート

私が仕事で主に使用しているデータベースはOracleなのだが、Oracleは仮想化上での動作をOracleVM以外ではサポートしていない。実際のところ、VMWareやVirtualPC。Hyper-Vでも動いてはいるのだけど、障害時を考えると少し怖いものだ。Oracleも決してバグの少ない製品とはいえない事はこれまでも身をもって知っているし。
いくつかのアプリケーションベンダーの仮想化に対する対応はマチマチ。いくつか細かい違いはあるようだけど

  1. 物理環境で再現出来たらサポートします
  2. 仮想環境が原因だったらサポートしません

という2種類が多いように思える。字面の問題のように見えるが、前者はユーザー側で確認をするのに対して後者はベンダー側で確認をするというスタイルだ。
比較的容易にインストールさせる事が可能なソフトウェアであれば前者で問題ないだろうが、大規模なシステムであった場合にはそもそもインストールが困難なので後者が選ばれると思う。ただ、ここで問題になるのがベンダー側の対応。サポートの仕方はベンダーで異なるだろうが、おおむね

  1. 現象の再現確認
  2. 再現結果からの調査・修正等の対応
  3. アナウンス

のような流れになると思う。ここで問題になるのが、ベンダー側の環境で再現しなかった場合にそれが”本当に仮想化が原因”かどうかの判断をどうつけるのかではないだろうか。実際のところ、物理環境であっても現象によっては必ず再現するとは限らなく、いくつか複数の要因が重なって初めて発現する問題もある。また、仮想化が原因であるというのであれば、ベンダー側で仮想化環境を構築して検証を行う必要が出てくる。
となると、ベンダー側はユーザー側が使用している仮想化ソフトに対しての知識や、環境を用意しておく必要が出てくる事になってしまう。サポート部隊の涙目が見えてきそうな話だ。おそらく、そもそもの仮想化ソフトを限定しているのかもしれないが…。実際のところ、どうなのだろうか。気になるところだ。

ちなみにWindowsは以下の仮想化環境でサポートをしているようだ

  1. Cisco WAAS Virtual Blades 4.1
  2. Citrix XenServer 5 Embedded Edition
  3. SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2
  4. VMWare ESX 3.5 Update 2
  5. VMWare ESX 3.5 Update 3
  6. VMWare ESXi 3.5 Update 3
  7. Xen Server 5

http://www.windowsservercatalog.com/svvp.aspx?svvppage=svvpsupport.htm

上記一覧にOracleVMがまだ入ってない事を考えるとWindows+Oracleの環境で公式のサポートを得る事は難しいという事か。いずれにしても、綱渡りである事に変わりはない。

<2009.03.07追記>
コメントに情報をいただいていますが、OracleはWindows,Linux以外の環境ではサポートを表明しているようです。
http://www.oracle.com/technology/products/database/clustering/certify/db_virtualization_support.pdf
HP-UXやAIXは正直私は触ったことがないです。Solarisくらいかな・・・。Oracleの利用目的から考えるとこれらを選択肢に入れるのはいいかもしれませんね。私はその前にこれらOSの知識を手に入れないと不安でしょうがないですが…。
でも、たとえばHPのnParそのものはWindowsやLinuxもサポートしているのになぜHP-UXのみに限定しているのか。そしてOracleVMではそのWindowsやLinuxをサポートしているのか。
このあたりは企業戦略が見え隠れしているような気がしなくもないですねぇ。純粋に信用していないだけなのかもしれませんが。

ではどうするのか

さて、困った。どうしたものか。
仮想化環境を提供しているベンダー。VMWareやMicrosoft。Oracleもまたそうなのだが、これらの中でどこかが明確な方針を出してくれれば少しは動きやすいとは思うのだけれど、現在のところ主だった動きはないように思う。サポートの手厚さでは24時間サポートを打ち出しているOracleVMが手厚そうと言えば手厚そうだ。
シェアで言うと先行していたVMWareが大きいのではないかと思う。
いずれにしてもベンダーがいくつかのアプリケーションベンダーを巻き込んでサポート体制の新しい枠組みを作っていかなければいけないのではないかと考えている。望むならば申し出のあったアプリケーションベンダーに対して仮想化環境を提供。検証するための枠組みを作っていって欲しいと考えている。
もちろん、星の数ほどあるアプリケーションベンダーそれぞれに対してそのような事が可能かどうかというと、無理があるのかもしれない。かといって仮想化に対するユーザーのニーズというものはこれからも増え続けて行くわけで何かしらの対応をとっていかなければいけないだろう。

基幹システムにパッケージの適用は?

ZDNetに日本でSaaSが普及しない理由として、各企業内での独自システムに関して記事が載っていた

日本でSaaSが普及しない理由
http://japan.zdnet.com/sp/feature/enterprise-trend/story/0,3800089971,20389127,00.htm?ref=rss

記事を読んでいると、SaaSが普及しない理由というよりは基幹システムをパッケージソフトウェアに一新する事の難しさに対する理由が書かれているように感じた。

独自のシステム

記事にもあるとおり、日本の企業。特に中小~中企業では自社システムを手組で作っている場合が多い。
欧米で主流となるトップダウンな効率化と違って、日本では効率化の手段を現場主導で行う場合が多い。そうなると、どうしてもこの記事の中にあるとおり”その企業内での最適化”という形になってしまう。ましてや終身雇用が約束された時代に作られたシステム。業界内のシステムがどうであれ、あまり関係のない話だ。そして現場手動で作り上げた”その企業にとってかゆい所に手が届く”システムだけに現場が現行システムに対して思い入れを持っている場合も少なくない。
パッケージソフトウェアのビジネスは、基本的には業界で一般的であろうモデルで作られたパッケージソフトに対し、社内の業務を改革して適応させていく形が望ましいと私は考えている。パッケージに含まれる機能が不十分であるのであれば別ではあるが。
ただ、実際の導入事例を見ているとそのほとんどがアドオン等のカスタマイズ開発を要している。企業独自の付加価値を見出すような機能を追加しているのも多いが、そもそもパッケージの原形をとどめていないくらいのカスタマイズが入る案件も中にはある。この場合、パッケージ費用よりもカスタマイズ費用のほうが多くなり、なぜこのパッケージを選定したのか疑問が出てくるくらいだ。
この一つの要因が、現行システムの存在だ。カスタマイズを、”現行システムでこう動いているから”という理由だけで行っている場合もあれば、現行システムの全容を把握していないがために、あとから追加の機能に気付き、追加カスタマイズを要する場合もある。なかなか難しいものだ。なにせ導入企業自身が、自分の欲しい機能(現行システムが保持している機能)を知らないのだから。

決して個別企業における最適化が間違いだとは思わない。事実、それによって力をつけてきた企業は日本には多いと思う。経営のスタイルとして現場手動での最適化を目指すのであれば、結局のところ現状のようにカスタマイズ前提の基幹システムは続くのだろう。逆にトップダウンで動くのが主流になるのであればパッケージに適応させるような現場の改革が行われることになる。
それ抜きにSaaSへの移行は難しいのではないだろうか

所有する事への安心感

仮にパッケージを受け入れたとしてもSaaSに踏み切りづらい理由の一つに、システムを外部に置くことに対しての危機感があると思う。企業にとっての生命線ともなるべき財務や顧客の情報を社外に持つことそのものに対する恐怖感があるのだろう。
ただでさえ個人情報保護法等が施行されたり情報流出、内部統制だの言われている中でこの問題にどう対応をするのか。そういう懸念を抱く層が多いのだと思う。たぶん、手元に持っておきたいのだろう。気持ちはわかる。

これに対してはSaaSプロバイダー側がある程度の保障や、障害児の対策を明確に提示する必要があるだろう。セキュリティ等は確かに懸念される点ではあるかもしれないが、普通に考えると自社に持つよりも”場所”としてのセキュリティはしっかりしている可能性が高いのではないだろうか。また、自社でデータセンター並みのセキュリティを整備しようとすると初期コストだけでなく維持にもかなりのコストがかかるはずだ。
以前、企業内におけるITに対するコストのそのほとんどが、現状システムの保守に対して割り当てられているという調査結果を見たことがある(確かMicrosoftのカンファレンスか何かだったと思うがうろ覚え)。自社で運用するという事はそれ相応の保守のためのコストもかかる事を忘れてはいけない。コストのほとんどが現状維持のために使われている状態は決していい状態とは思えない。
経営資源の有効活用という意味でも一考の価値があると思われる

日本でのSaaS

全ての企業において基幹システムがSaaS形態になるかというとそんなことはないと思う。
現在、日本で出始めているのはCRMや営業支援関連のパッケージがSaaS形態で提供されているように見える。これから少しずつ他のシステムにも波及していくのだろう。アプリケーションを提供しているベンダーもSaaS対応を考慮しているが、オンプレミス環境でのシステム提供がなくなるわけではない。そうなると、比較的乗り換えが容易なSaaS形態で複数のシステムを試し、決定した段階で自社保有するような形をとる場合なども出てくるのかもしれない。
いずれにしても各パッケージベンダーがどういう対応を取ってくるのか。今後が楽しみではある

TechDaysのセッション資料が公開に!

1月末に行われたTechDaysのセッション資料、ビデオが公開されています!

Microsoft TechDays セッション
http://www.microsoft.com/japan/powerpro/techdays/

今回はDVDの配布という形式ではなくWEBで公開という形のようです。
今回のTechDaysは気になるセッションが少し重なっていたのと、途中で風邪のためにやむなく退出したりと少し悔いの残るカンファレンスだったのでこれはありがたい。ひと月で公開というのは今までと比べると比較的早いのでは?
Windows7やWindowsAzureに関してはひと月前とそこまで大きく情報が変わっているわけではないので、まだ情報としての価値は持っていると思います。ぜひチェックしてみたい内容ですね!

情報の公開がなかなか進まないWindowsAzure。3月のラスベガスで行われるMixでまた情報が出てくるんでしょう。楽しみです。
そういえば、SQL Data ServiceのTeam Blogに気になる事が書いてありましたね

SQL Data Services What’s with the silence?
Last year at Mix we told the world about SDS. This time around we will be unveiling some new features that are going to knock your socks off

SDS(SQL Data Services)は今のところ現行のSQLServerとは異なる作りでの提供を視野に入れているそうなのですが、そこにメスが入るのか。それともまた新たな機能が追加されるのか。いずれにせよ今月18日~20日のMixが楽しみなところですね。

Microsoft Mix 09
http://www.microsoft.com/events/mix/default.mspx

革新的ソフトウェア企業の作り方

Eric Sink著。青木 靖訳の「革新的ソフトウェア企業の作り方」を読んだ。内容は、Eric Sinkという人がMSDNのコラムにしるしたものを集めたのだと思う。

Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方
Eric Sink エリック・シンク
翔泳社
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本書はソフトウェア開発者に向けられて作られた本であるけど、実際の内容は完全なビジネス書だと思う。著者はもっと多くのソフトウェア企業が世の中にはあるべきだと考え、マイクロISVという形態を提唱している。
本書で言うところの「マイクロISV」というのは、個人がISV(Independent Software Vendor:独立系ソフトウェア会社)を立ち上げる事になる。ただ、本書で薦められているものは脱サラ起業ではなく、いわゆる”週末起業”的な話。技術者であるソフトウェア開発者がそれを行おうとした場合に何に留意するべきか。どういう方向性で考えて行くべきかが本書では指南されている。
先般、ソフトウェア開発未来会議においてクラウド・コンピューティングが話題になった。ここで個人からみた視点として、iPhoneで言うところのAppStoreを例に挙げ、個人が作成したソフトウェアを世界に向けて配信する方向性の話が聞けた。オフライン会議に参加して、ここに強く共感を覚えたのはおそらく本書を読んでいる最中だったからだろう。

かなり刺激的な内容で、私自身も小さいながらISVに努めている事から色々と学ぶ事が多い一冊だった。また、昨今のクラウドに対する考え方やMarketPlaceがこの時期に出てきたのはもはや自分のためにあるのではないかと甚だ恥ずかしい勘違いをしたくなった。
また、ソフトウェア開発者であるならばぜひ読んでいただきたい私にとってお勧めの本となった。

何を作るのか

どんなアプリケーションを作るのか。技術者の多くにとって不足しがちな商品開発におけるマーケティングの重要性があげられている。私もどちらかというとそうなのだが、”この技術を何かに使えないか?”という出発点ではなく、”この内容を実現するのにはどの技術が使えるのだろうか?”という、本来当たり前の出発点が必要になる。

「重要なのはユーザーにとってどうかということ」というのを覚えておこう。ユーザーが普通の人たちなら、彼らが.NET CLRをダウンロードしインストールする準備ができているだろうか注意して考える必要がある。普通の人々はすべてが「当たり前のように動く」ことを期待している(P.174)

そう、結局のところ技術は技術者にとっては主役なんだけどユーザにとってはどうでもいいことなんだ。Silverlightがどんなに操作性が良くても.Netの生産性が高くて製品の値段が抑えられても、インストールの手間がかかっていたのでは障壁になってしまう。これは意外と馬鹿に出来ないコストだ。言ってしまうと、我々開発者はその技術が一般化するまでは待たなければいけないことになる。ユーザーがアプリケーションを仕事として使っているのでない限り。

また、製品のマーケットの中での位置づけはどうするのか。
最近よく読む”週末起業”だとかの中では主に”その分野の先がけ・パイオニアになれ”という事がしきりに言われている。本書でのアプローチはこうだ

競合を避けることの大きな問題は、それが顧客をも避けることになるという事だ。競合の存在はお金を払っている顧客の存在を意味する。あなたのアイディアで商売をしている人が誰もいなかったとしたら、それが本当にお金になる事なのか怪しいと思うべきだ
(中略)
彼は、一番良いアプローチは「大きくて無能な」競合を見つけることだと言っている。(P.144-145)

完全に新しいマーケット。ブルーオーシャンは認知されるまでに大変大きい労力を要する。個人が週末レベルでそれを広めているのでは何年先になるのかがわからない。また、それがマーケットとして成り立つのかが不明だ。
マーケットの中で出来るだけ無能な競合を選び、そことの差別化を図る。製品の値段を決定する場合にも競合製品と見比べ、さらに価値を高めて値段を上につけて売り出す。もちろん、差別化した内容が、その価格差に適合しているのかは見極めないといけない。
だが、これらを考える基準を作る事が出来るのも競合がいて、そこのビジネスが成り立っているからであろう。やみくもにブルーオーシャンを探してニーズを無理に自分で想像していないか、確認する必要がある。
もちろん、そこにマーケットを見つけ出せるのであればブルーオーシャンを否定するものではない

より多くの失敗をしろ

この本で面白いのは、この主題を書きあげるためにEricが自らソフトを作って試してみたということだ。彼が作った”必ず勝つ方法があるソリティア”。その名も「Winnable Solitaire」だ。だが、彼の試みた今回の挑戦は結果として失敗した。

2004年9月29日の時点で、Winnable Solitaireは6本売れ、あんまりすごくない合計42ドルの収入を上げた。
支出が0だったなら、新たに得られたこの富で豪勢に買い物をするところだが、開発の際、アートワークのために379ドル使った。また、リリースして以来271ドルを広告で使っている。<中略>結論として、私の損益計算書には現在純損失626ドルと記されている。(P.50)

この失敗に対してEricは10の考えを記事にしている。「勝てる」というのは差別化要因としては弱かったのか?別な種類の製品であったなら?等々
これはよく言われる話ではあるけど、成功するためには多くの失敗をし、その多くの失敗から学ぶ必要があるという事だ。今回もEricは「これは素晴らしい失敗の仕方だと思う」、「小さな失敗で私が傷つくことは全くないと思う」等々の記事を記している。
結局のところ、多くの失敗をして学んだとしても次につなげることができなければ最終的な成功を収めることはできない。そのために致命的な失敗をしないための保険なりをかけておくべきなのだろう。
作ったばかりで売れてもいないソフトウェアに一人で惚れこんで、勢いあまって会社を辞めてしまうようなことはするべきじゃない。そこまでしなくてもマイクロISVという形態であれば十分可能性を試すことができるんだよってことだろう。

実際のところ、環境は整ってきていると思う

実際のところこのマイクロISVという事を実践するための環境は着実に整ってきているのではないだろうか。
クラウドコンピューティングは多くの開発者にサービスを提供する場を与え、AppStoreやWindowsMarketPlaceはモバイル端末に対してアプリケーションを配布する一つの入り口としての機能を持っている。
これらの場を生かして、早く、小さくともアウトプットを出していくことが大切なのだろう。エピローグに載せられた言葉をもって今日のエントリーを締めくくりたい

(君の考えは)クールなアイディアに聞こえる。実装はそう難しくないだろう。君にはそれをやる時間がある。基本的に心配すべきリスクはあまりない。このアイディアが良いものか見極めようと多くの時間を使ったところで。結局確かなことはわからないだろう。そうする代わりに、同じ時間をこのアイディアの実装に使う事も出来る。そうすればこのアイディアが良いものかどうかが本当にわかるだろう。

LiveMeshアプリケーション

@ITの記事でLiveMeshに関するものが出ていた

Live Meshアプリケーションとは何か?
http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/dnfuture/meshappintro_01/meshappintro_01_01.html

先日のソフトウェア開発未来会議にも参加されていたデジタルアドバンテージの一色さんですね(面識があるわけではないです)。LiveMeshAppに関しては私も少し遊んでみてはいるものの、載せていいのか分からずに放置してしまっています。。。
記事にも書かれていますが、一般公開されているLiveMeshβと、CTPとして利用できる開発者向けのLiveMeshはちょっと使える機能が違っていて、データの共有とかが正常に動いてくれない。一般公開と開発CTPとで同じLiveIDを使用してログインしているにもかかわらず、共有の情報はそれぞれに持ってしまっているとかベータ版ならではのおかしなところがチラホラ。RemoteDesktopも使えないという状態だったので正直一般公開版に戻したくもなっていました。
ただ、これを見ると…

一般向けLive Meshと開発者向けLive Meshは併用することもできる。これには、どちらもインストールされていないクリーンな環境で、以下の手順を実行する。

  1. 一般向けLive Meshのクライアントをインストールする
  2. レジストリ・エディタで「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Live Framework Client」キーにDWORD値として「AllowSxS」を作成し「1」を設定する
  3. 開発者向けLive Meshをインストールする

となっている。おー!これなら望みの物が手に入る事になる。
早速後でやってみる事にしよう。

それにしても…どうやってそんなもの気づいたんだ?

WindowsMarketplaceとMicrosoftの動向

高橋忍さんのブログでも紹介されていますが、WindowsのMobile端末向けに今までバラバラに公開されていたアプリケーションを販売する場所としてWindows Marketplaceという構想がMobile Team Blogに載っています。

Introducing WindowsR Marketplace for Mobile…  (Windows Mobile Team Blog)
http://blogs.msdn.com/windowsmobile/archive/2009/02/16/introducing-windows-marketplace-for-mobile.aspx

どう考えてもAppStoreの…ゴニョゴニョ
とはいえ、これまで自分で探し出してくるしかなかったアプリケーションがリストアップされるのは使い手だけでなく作り手にとっても価値のある事だと思う。自身の作ったアプリケーションの公開。そのいわゆる場所に関して考える必要がなくなるわけだ。使い手にとっていいものであればそれは世界へ一気に配信されることになる。開発者にとって煩わしいセールスの部分を委託できるのはありがたい事だ。
そもそもこういう構想があったのか、AppStoreの成功を見て追随したのかは不明だが、利益のある事であれば歓迎だ。

Microsoftの動き

一方でMicrosoftの動向に関しては気になる事はある。
Windows7の外観を見ていると、Mac追随の色がどうしても濃く見えてしまう。

もちろん、これまでもMicrosoftはユーザーインターフェースに関して色々と試行錯誤をしてきているのはわかる。

  1. 色々な用途に応じて表示・非表示を切り替える事の出来る豊富なツールバー(最終的には多くなりすぎて邪魔になった)
  2. Office2000の頃の普段使わないメニューを隠す機能(いつも同じ場所にメニューがあるわけじゃないので使いづらい)
  3. Office2007で登場したリボンインターフェース(最初は今までと違いすぎてメニュー位置が混乱した)

それぞれ、ユーザビリティを考えてあれこれやってきた歴史がある。もちろん、それが効果をあげたかどうかは別ではあるけど。

別に私はMacが嫌いなわけではないし、使いづらいと言っているわけではない。正直言うと、大学時代に少しの期間使っていただけなので使いづらさ等に関してコメントできるほどの経験がない。だからWindows独特の良さがどこにあるのか?という問いに正確に答えるのは難しいだろう。
ただ、そんなに私はWindowsが嫌いではない。Microsoftに肩入れするわけではないけど、私は十分に恩恵を受けているのは間違いないし、少なくともこの先Windows上での開発から離れる事はないだろうと思う。
良いと思ったものを素直に取り入れていくのはもちろんいいことだ。ただそれがただの追随にならないようにこれからWindowsを発展させていって欲しい。

プログラマの技術尺度

まずはこちらを

技術者・SE・プログラマ面接時の技術的な質問事項(無精で短気で傲慢なプログラマ)
http://68user.blog27.fc2.com/blog-entry-41.html

プログラマー面接時の技術的な質問事項(アプレッソ版) (小野和俊のブログ)
http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50254634.html

キャー。やめてよして聞かないでボロが出るから。
あ、すでにボロ丸出しでしたね。すいません。

ってわけで、まともに教育を受けていないで実戦に投入された私としてはとても耳が痛い話ばかりです。いや、正確に言うと就職してからしばらくの間真面目に取り組んでいなかったことも…と、できていない理由をあれこれ述べることはできるけど、ここはわかっちゃいたけど自分の実力のなさを再認識してこれからを考えなければいけません。

課題がわかるか

両者ともに共通しているのは、WEB関連の技術が中心になっているように見えることだ。特に”無精で~”の方はそう。両者共通して.NETのかけらすら出てこないのはやはりそれぞれの会社で行っている業務がそうなんだろう。
なので言語に関する事はこの際割愛して考える。その上で、残された問いに対しての分野。特に共通して考えられていることに関しては一つの技術評価の尺度として考えられる。私自身のレベルアップはもちろんのこと、周りを巻き込むことでOJTを充実させていくことができればと考えた。
自社に閉じこもってしまうと、、、、これは中小のソフトウェア開発会社では多くあり得るのでは?と思う事なんだけど、自社で必要な内容だけで手いっぱいになってしまう可能性が高い。特に、既存アプリケーションに対しての保守や拡張を繰り返すような開発を行っていると特にその色は強くなる。
そういう意味では様々な案件ごとに技術選定を行うような受託開発を行うところは状況が異なるのかもしれない。ソフトウェア開発の多くはISVではなく受託による開発らしいので、私の考える理論は通じない可能性が高い。

では何を?

読んでみると、”無精で~”の内容はかなり細かい。いろいろなことを聞いているけど、たとえば遺伝的アルゴリズムなんて使ってるのかな?色々と疑問がわいてくる。色々な手法を使っているというよりも、技術知識全般に関してその人が何に興味を持ってこれまで従事してきたかをみたいのだろうとは思うけど。。。
ふむ。
共通点を~~って見ようとしたがそもそも共通点があまりない。言語に関係なく考えるのであれば小野氏側の内容を参考に考えていくのがいいように思える。
特にデザインパターンに関しては何となく既存のソースから読んで知っている部分はあるんだけど、ちゃんと学んだわけじゃない。というわけでまずはデザインパターンに関して勉強していこうと思う。
さてはて。どう勉強していこうか。

仕事はストーリーで! in 築地朝食会

今日は朝から築地で朝食会。本日のゲストは”仕事はストーリーで動かそう”の著者である川上徹也さん

仕事はストーリーで動かそう
川上徹也
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築地朝食会への参加はこれで2回目。まだまだ朝が苦手である。
築地朝食会は、著者の方からお話を聞く時間は短い。ただ、その分テーブル内でディスカッションする事が出来るので、自分たちの話題で掘り下げることができるのが面白いところですね。
4人テーブルの中でいろいろな話を聞かせていただきました。特におもしろかったのが、自分史を一人30分。4人で2時間話し合うという集まりを開いたという方の話。
確かに自分のこれまでを振り返って、しかもそれを人に話すなんて機会はほぼない。自分が面白かったり、辛かったりした部分と、聞き手が感じる部分は異なるかもしれないし、そこから新たに気付かされる部分は出てくるのかもしれない。
自分のこれまでのストーリー。そしてこれからのストーリー。
さてはて、どう描こうか。何を描こうか。うむむ

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川上さん提供のくじ引きで引き当てたタレコミシート。広告塔となるべく配らねば

Microsoft Recite

高橋忍さんのブログでReciteなるものが紹介されていた

Microsoft Recite (高橋 忍のブログ)
http://blogs.msdn.com/shintak/archive/2009/02/15/9424448.aspx

MSDNのBlogはこちら
http://blogs.msdn.com/recite/archive/2009/02/15/announcement-microsoft-recite-technology-preview.aspx

なにやら音声による備忘録。ボイスレコーダーとしての機能と、音声を使った検索を行う事もできる見たい。ボイスレコーダーというものはちょっと興味があったけど、実際には持っていないんだよな。正直言ってボイスレコーダーに吹き込んでいる姿というものに少し恥ずかしさを感じてしまう。私だけだろうか?
面白そうなものは試してみないと!って事で早速Advanced/esにインストールしてみた。

インストールするためには
http://recite.microsoft.com
にアクセスするか
http://recite.microsoft.com/Base/DownloadAgent.ashx?cab
をダウンロードしてインストールする必要がある。

インストール後の画面
f:id:krote:20090217000254j:image

画面の”Remember”ボタンを押す事で記録する事が出来る。記録の終了は”Fnished”ボタン。

f:id:krote:20090217000255j:image

記録した内容から検索をするときは、一覧表示の状態から”Search”ボタンを押して音声検索を行う事が出来る。

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記録した音声を削除するのにどうすればいいのか考えた

f:id:krote:20090217001759j:image

上の絵を見てわかるとおり、ここの記録音声を選択するとバツボタンがあるんだけどどれだけタップしても反応してくれない。かといって、他にメニューはなさそうだ。しばらく一生懸命タップしたのちに、キー操作でバツボタンにフォーカスをあてることを知った。わかりにくいな。

使ってみた感想

今まで、少なくともこの手のソフトを触ってきていないだけなのかもしれないけど、使い勝手には手間取った。ただ、そもそも備わっている機能が多いわけではないので覚えてしまえばそれほど苦にはならないだろう。
音声の解析に関しては、軽く試してみた限りではそこそこのヒットはする。まだ、そんなに多いデータで試しているわけじゃないからどこまでヒットするのかはわからない。その前に、一生懸命データを入れるのに苦労しそうなのでデータが溜まるまでお待ちください。
ただ、検索機能が付いていたとしても、もう少しメモを整理する機能がほしい。せめてあらかじめ指定した分類を設定できるとか、階層構造をとる事が出来るとか。
また、容量も気になるところだ。というか、どこに保存されるのかわからない。フォルダ自体はデバイスの「\\Program Files\Recite」と、「\\Application Data\Microsoft\Recite」の二つにできている。ただ、音声ファイルやそれっぽい更新日付のファイルが見当たらない。音声ファイルは下手するとサイズが大きくなるので空き容量が不足する日が来ないか心配だ。どこに保管しているんだろう…?
また、音声の判別をどうやっているんだろう。ぶっちゃけ、自分の声でしか検索はヒットしないかな?気になるけど、人に試してもらうのも微妙だ(笑)

どう使ってみよう

うーん、どう使ってみようかな。ボイスレコーダーとしての機能では終わらずに、最終的にはボイスメッセンジャーに対してこういう技術を適用していくのかもしれないんだけど、現状ではボイスレコーダーだよね。どう考えても。
ボイスレコーダーの一般的な使い方ってどういう時だろう。前、ほしいと思ったのは会議やセッションの内容を記録しておきたいからだった。私の場合、話を聞きながら考え事をしてしまう事があるので、聞き逃してしまう時がある。そういう時にあったらいいな~って思っていた。
ただ、Advanced/esだとさすがにそこまでの集音機能はないので使えない。あくまで自分のメモ代わりに限られるだろう。
そうなると…出勤退勤の途中…かな・・・。
だれか、ボイスレコーダーを有効利用している人いないかな…
そのうちナイトライダーみたいに認識してくれないかな