小池龍之介著「貧乏入門」を読んだ
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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経済的考察が薄い
自分への戒めとして
目次
- 序章 私の豊かな貧乏暮らし
- 第一章 持ち物を減らす
- 1 持ち物が増えると、心の中が散らかる
- 2 捨てる技術
- 第二章 なぜお金を求めるのか?
- 1 なぜ、いくら物があっても幸せになれないのか?
- 2 なぜ、お金を貯めたがるのか?
- 3 欲望のメカニズム
- 4 欲望に対する三つのスタンス
- 第三章 ほんとうの幸福 まやかしの幸福
- 1 不幸になるメカニズム
- 2 幸福になるメカニズム
- 3 仏道的集中力の高め方
- 第四章 幸福になるお金の使い方
- 1 不幸になる金の使い方
- 2 欲しいものではなく、必要なものを買う
- 3 「必要リスト」と「欲望リスト」
- 4 私の豊かな貧乏暮らし パート2
- 衣を増やさない
- 線香と携帯電話、どこまでが「必要」か?
- 自転車の理由
- 5 ケチることの害毒
- 6 さらに幸福になるお金の使い方
- おわりに
- 「革命」へのチャンス
本書でいうところの”貧乏”というのはいわゆる”お金がない”状態ではなく”お金に左右されない”状態。
お金があったとしても、なかったとしても大丈夫な心の持ち方だとか生活。そういうものを薦めている。
なぜ人はお金持ちになりたいのか
本書では欲望というものに対してのメカニズムを考え、そのうえでなぜ人はお金を欲するのかということに関して言及している
つまり、お金は、それをたくさん持っていれば持っているほど、自分を脅かされる度合いが減り安心できる。いわば、自己防衛と安心のための道具なのです
だからこそ、人は蓄積しないではいられない。お金が増えるということは、世界の中で自分が自由に支配できるものが増えるということであり、お金が減るということは、世界の中で自分が自由に支配できるものの数が減るということです。(P.71)
そして、それらに関しては言ってることは分かるけど、キリがないよねって言うわけだ。
たぶん、そういう考えがあること自体は分かるし、キリがないという話に関しては私も同意する。ただ、だからと言って”欲望”というものを本当に意識しない。考えないことがいいことなのか?ということに関しては疑問だ。
本書の中には「所有欲」というモノに関しても話題としている
色々な物を持っていれば、そういう自分を周りの人はそれなりに評価してくれます。自己評価だけでは自分を支えられないので、ほかの人の視線も補助台にするわけです。自己評価と他社評価の二本で支えようというわけです。
ただ、これは、危険な自転車操業です
ここでは”物”をそういう形で出してはいる。確かに物を持っているということに関してはそういう側面もあると思う。
だからと言って、捨てましょうという話になってしまうのはどうだろう。読んでいて思ったのはその”物”というのは、この著者の”物”に対する見方は丸々”人”にも置き換えることができてしまいそうだった。
- 人と付き合っていると、その人のことが頭をよぎってしまう
- 多くの人と付き合っていると、それだけ頭の中にノイズが走る
- 人付き合いをやめよう
自分はこんな人と付き合っているんだぜ、と、周りに見せつけるための人脈。自分はどういう人たちと付き合うようなレベルの人間なんだぜと自分で思うための人付き合い。そんな付き合いを繰り返している人もいるし、自分にそんな気持ちがほんの少しもないって言いきることも難しい。それに対して、自分に対して「そんな出会いや付き合いから生まれる何かもある」っていいわけしているのかもしれない。
もちろん、本書の中にはそんなことは書いていない。”物”に関しても本当に必要なのか厳選して考えようって話なので”人付き合いも人をちゃんと選べよ”ってことなのだろう。
ただ、そこまで言ってしまうと、悩み相談をしている著者の考えとはちょっと合わないような気もする。
いくつかの気づきはあるものの、”欲望(願望)こそが成長を促すのでは?”という疑問に関しては答えは出ずに、”本当のところどうなのかな~?”って思いが残った。
さてはて。困ったな。
欲を捨て去るなんてことは自分には難しいと思うし、それでいいとも思っている。
もちろん、欲に自分自身が動かされるような事態だけは避けないといけないとは思ってはいるが。