視覚マーケティングのススメ

ウジトモコさん著、視覚マーケティングのススメを読んだ

視覚マーケティングのススメ (アスカビジネス)
ウジ トモコ
クロスメディア・パブリッシング
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視覚マーケティングとは

「デザイン」というものを考える上で、ただ単にデザイナーに”いいものお願い”って頼むのではなく、マーケティングをすることで、効果的なデザインが出来上がる。マーケティングをせずに作ったデザインはマーケット上での効果は期待できないという考え方だ。

言ってしまうと、当たり前の話なんだけど、その当たり前のことを細部にまでできているかというとなかなか難しいことだ。一般に、製品を企画する段階では間違いなくターゲットとなるユーザーを設定するだろう。そのターゲットは年代に寄るものかもしれないし業界・業態によるものなのかもしれない。必然的に製品のパッケージや広告・キャッチコピーに関してもそれを意識したものが考えられる。
また、企業のロゴになると自分たちが顧客・ユーザーに”どう思われたいか”を意識して考えられるだろう。
ただ、それが本当にできているのだろうか?製品やサービスの細部。個々のパーツにまで落とし込めているだろうか?

意識されているもの、されてないもの

おそらく、パッケージや広告が表に出てきやすいもの。お菓子や化粧品に代表されるようなものに関してはこのいわゆる”視覚マーケティング”はできているのだろう。化粧品みたいなものは明らかに年代を意識して製品を作っている部分もあるので特に意識されているのではないかと思う。
ただ、ソフトウェアの分野はどうだろう。もちろん意識しているソフトウェアもあるだろうけど、明らかに”機能重視”でデザインに関してはおざなりに済ましてしまっている部分はある。特に基幹系のシステムに関してはその色は強いのではないだろうか。
もちろん、これらのソフトウェアに関しては機能は第1に重要視されるものだと思う。ただ、複数ある基幹システムの候補からどれが選ばれるか。ユーザーの立場で”どれを使いたいか”を考えてみるとその要素の一つにデザインがあってもおかしくないと思う。また、そういう意味で”ファン”を作った製品はエンドユーザーからは根強く支持されたりもする。つまり、デザインによるブランディングができているのだろう。
また、個人のブランド。パーソナルブランディングに関しても意識の差は大きいように感じられる。本書でもその具体例として名刺が取り上げられているところからもそれは感じられる。
最近、セミナーや勉強会に顔を出すようになって様々な方と名刺を交換する機会をいただいている。私は個人名刺を所有していないので会社のを使っているのだが、多くの人は個人名刺を持参している。自分自身をどう見られたいか。どういう人間だと印象付けたいのか。この名刺の目的は何か。考えられた名刺もあるしまずは作ってみたというものもある。私自身、個人名刺に関してはほしいと思っているので、どう思われたいのか?どう表現するのかは大きな課題の一つだ。まずはそこを見つけ出さないことにはデザインも始まらない。

ソフトウェアのデザイン

私はソフト屋なのでどうしてもソフトウェアにあてはめて考えてしまうのだが…
ソフトウェアの分野。先にあげた基幹系システムに関して言うと確かにデザインはいい加減なものが多い気がする。いや、実は結構頑張っていたりもするソフトもあるのだろうけど、VBフォームの延長線をいまだにたどっているソフトも割りと残っていたりする。
シンプルな作りなのがいいという業界もあるだろうし、スタイリッシュな物が好まれる業界もあるだろう。ただ、私自身が最近必要と思っているのは、要するに”スタイル”的なデザインではなく”ナビゲーション”を意識したデザインというものだ。これのいい方法が思いつかない。そういう事が得意なデザイナーもいるんだろうけど…、業界やユーザー層に踏み込んでまで考えられる人は少ないように思う。あ、それは発注側の担当ですか。
以前ペルソナを用いる手法に関する本を読んだ

ペルソナ作って、それからどうするの? ユーザー中心デザインで作るWebサイト
棚橋 弘季
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まだペルソナに関しては試行錯誤段階で効果は不明だけど、実際に作ってみたペルソナが本当にあっているのかというのはわからない話。結局ウジさんの本にあるようにユーザーへの聞き取りのようなことをしなければいけないのだろう。
試行錯誤。試行錯誤の日々は続く

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