待機児童問題

10月19日の日本経済新聞の春秋でこの話題が取り上げられていた。

「合否」を決める役所の窓口に通い、自治体の長に陳情の手紙を書き、口コミ情報に耳をそばだてる。次第に他人を眺める心まで疲れてくる。1人目で苦労して、2人目をあきらめる共働き夫婦が口にする「待機ストレス」である

あながち人ごとではない。

我が家も共働きを続けることを考えている。妻が出産のためにとった育児休暇は残りわずかなので、例によって役所に保育園の申請をしに行ったのだが少なくとも12月からの入園はかなり難しいようだ。
難しい理由として一番あげられるのは中途半端な時期での入園だろう。すでに園にいる子供たちが園を巣立つのは3月と決まっているのにかかわらず、子供が保育園に入る時期というのは決まっていない。なので、多くの親は少なくとも3月までは育児休暇を延長するしか選択肢がなくなる。

一つの弊害

こういう形で、職場復帰が遅れるということは一つの危険性が増すことを意味する。それは退職の勧告だ。
これは、共働きを想定している親としてはかなりの精神的なストレスになるのではないだろうか?働きたいのに働けない。仮に3月まで待ったとしても、そこで必ず保育園に入ることができるなんていう保証はどこにもないのだ。
受け入れる会社側としても、抜けている穴を外注を雇って埋めている場合は追加の確保が必要になるわけで、それが繰り返してしまうくらいならもういいやって考えになってしまうかもしれない。いや、これは心情的な話であって、それを理由に解雇を言い渡すと問題になるわけだが心情的には分かる気もする。それゆえに、強く言いづらい場面もあるのかもしれない。
職場や同僚に迷惑をさんざんにかけてしまったという自責の念にかかってしまう人もいるだろう。
簡単に割り切ればいいじゃないかと思うが、だれしもが割り切れるとは限らないのだ

少子化なのに?

少子化なのになぜ保育園に入ることが出来ないのだろうか?
たぶん、色々な要因はあるとは思うのだけど、少子化なのに保育園に入ることが出来ないのはなぜか…?というよりは、保育園に入れることが出来ない現状が少子化の一つの要因なのだろう。
女性の労働者や管理者というのは明らかに増えてきている。私の会社でも数年前では一人もいなかった女性管理職がチョロチョロと顔を見せ始めている。ただ、それらキャリアウーマンは若いかもしくは結婚や出産をしていない人の割合が高いように思う。

都市部とそれ以外の地域の待機児童数(数値は20年のもの)

利用児童数(%) 待機児童数(%)
7都府県・指定都市・中核市 1,023,559人( 50.6%) 15,187人( 77.7%)
その他の道県 998,614 ( 49.4%) 4,363 ( 22.3%)
全国計 2,022,173 (100.0%) 19,550 (100.0%)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/09/dl/s0905-3c_0037.pdf

厚生省の資料を見ると、中核都市で待機児童の77%を占めている。少子化や高齢化といった問題がどちらかというと都市と地方の問題ともとれるが。。。
そうなると、物事はそんなに簡単にはいかないんだろう。

すべてがすべてとは言えないが「待機ストレス」という現実は、あれこれと話を聞けば聞くほど深刻なのだと感じる。
我が家でも妻の育児休暇は3月までは伸ばしたが、4月から保育園に必ず入れることができるというわけではないので、このあたりに関しては出来ることをするまで。民主党に期待はできるのか…。少なくとも我が家の問題に対しては対応が間に合うことはあるまい。

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