ドラッカー名著集1 経営者の条件を読んだ
ダイヤモンド社
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ずっと気になっていながらも読んでなかった本書。
ようやく手に取ってみたけど…ううむ、やはりドラッカーは濃いな
本書のタイトルは”経営者の条件”としているが、本書は経営者のみを対象とした内容ではない。本書の対象読者は”経営者”ではなく”エグゼクティブ”と書かれ、
本書は、トップが行っていることや行うべきことについて述べたものではない。知識労働者として自らの組織の業績に貢献すべく行動し、意思決定を行う責任を持つあらゆる人たちのために書いたものである。すなわち私がエグゼクティブと名付ける人たち全てのために書いたものである。(P.27)
とある。ここでいう”意思決定”を行う人というのは、肉体労働ではなく知識労働をするものであれば、かなりの確率で当てはまるのではないだろうか。そう考えると、かなり広範囲の人に対して書かれたものであることがわかる。
つまり本書の中でも触れられているが、成果をあげるエグゼクティブの能力。これは決して天性のものではなく考え方や習慣。そして修練によって身につけることができるというものだ。
貢献する
ドラッカーの著作にはたびたび”貢献”という言葉が出てくる。もちろん本書も例外ではない。
本書は全7章から構成されているが、一貫して言われているのが「エグゼクティブは貢献に焦点を合わせ、成果をあげなければいけない」という事だ。
そのためには時間を管理しなければいけない
そのためには人の強みを生かすマネジメントをしなければいけない
そのためには問題ではなく機会に目を向けなければいけない
そのためには集中して物事に取り組まなければいけない
そのための意思決定をしなければいけない
仕事を完了させることを目的にしてしまい、その本来の成果や貢献というものが今の仕事の完了で得ることができるのか?そもそも、その仕事というのは本当に必要な仕事なのか?
まだまだ考えることは多いです
組織の中か、組織を作るか。はたまた仕組みか?
ドラッカーが考えているのは”組織”としての考え方。”組織”そのものやその組織の中でいかに貢献する事が出来るのかに焦点が当てられている。この場合、貢献する対象は様々で、上司や部下であるかもしれないし社外や社会そのものなのかもしれない。
社会に対する貢献や組織内での貢献に関して、自分自身の思いや考えというものが受け入れられるとは限らない。その場合に起業という選択肢を選び、組織そのものを作り上げる方向になるのだろう。
対して先日の仕組みセミナー(id:krote:20090307)で考えられていた出発点は、どうすれば”組織”というものに縛られずに生活をすることができるのかを考え、それを”仕組み”という形で実現していた。
出発点や発想の異なる三者が入り混じって最初考えてしまったので頭がゴチャゴチャしてしまっていた。結局のところ、何が正しいのか。”正解”なんてあるわけじゃないのにね。
今の組織の中で上を目指すのか。それとも組織を起こすのか。組織からの脱却を考えるのか。
それぞれの選択肢があっていいとは思う。今、自分自身が真っ先に思いつくことは組織の中で上を目指すことだ。だがしかし、必ずしも今の組織が満点というわけではない。たぶん不満を挙げればきりがないんだろうけどそこからは何も得ることはできないだろう。
それならば本書にあるように、成果を出し、目指すべき組織にしていかなければいけない。本当の意味で”エグゼクティブ”になれるかどうか。”貢献”に焦点をあてた考え方を身に付け、自分を。そして組織を変えていかなければいけない