オペレーショナルインテリジェンスを読んだ
日本経済新聞社
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これは、以前に「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」さんで取り上げられていたもの
陸上自衛隊作戦幕僚の情報理論「オペレーショナル・インテリジェンス」
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2007/07/post_3d37.html
レビューを読んで、とても気になった。気になってAmazonを探してみたがどうやらすでに新刊では売られていなかった。というわけで中古で購入。レビューにある通り、情報というものに対しての考え方というものを再考させられる著作だった。
情報とは。そして情報を考える上で気をつけること
“情報”というもの。普通に私が考えると、これを英語にするとInformationになる。著者は、普段我々が接しているいわゆる”情報”は情報足り得ていない。本来の情報(Intelligence)とは、集めてきた情報に対して目的に合致しているか。真偽のほどはどうか。これら判断をしたものになる。判断をしていないものは”情報資料”と呼び、こちらがInformationになる。
このあたり、何を何と呼ぶのか?と言うところはあまり問題ではないが、この二つを混同して考えると大変なことになるのはもっともな話。特に現状のWEBをリソースとした情報に関しては特にそれが言えるだろう。
本書では情報について考えるポイントを3つあげている
- 情報と、情報資料を明確に区分する
- 決断に間に合うのか。行動はできるのか
- 変化する情報か、変化しない情報か
順番的にはこう紹介されていたけど、個人的には2番目が最後だとは思っている。
これ、仕事でもよく思うことだ。何か物事を報告されたり問題に対しての相談を受けることがよくあるんだけど、言っている内容がどういう内容なのかの説明がなかったり遅れていたりする。そのうえで判断やアドバイスを求めてきたりする。何度言ってもそれが繰り返されてしまう。すでに考えることをやめてしまっているのではないかと思ってしまうくらいに。
また、目的があっての情報収集であるはずが、情報収集の傍らで情報収集そのものが目的にすり替わってしまうような行動をしてしまうこと。これも注意しなければいけないこと。目的を達成するために必要な情報以上の情報収集をしているがゆえに、タイミングを逃してしまっては元も子もない。このあたりは、さすがに当たり前すぎて本書では触れられていない。技術者が時々陥りやすいことと言えば陥りやすいことではないかと思う。
シソーラスを作る
シソーラス。これって一般的に知られている用語なんだろうか。ちなみに私は知らなかった
Wikipediaによると
シソーラス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%B9単語の上位/下位関係、部分/全体関係、同義関係、類義関係などによって単語を分類し、体系づけた辞書。
となっている。分類辞書。情報に対しての話で言うとカテゴリーだとかタグだとかがそれに値するのではないだろうか。
私は昨年末あたりから本格的にEvernoteを利用し始めている。Evernoteに限った話ではないんだけど、色々な情報をどこかしらに集約させた場合は、どうやって必要となる情報をその中から導き出すのかというのがカギになる。そのための自分用のシソーラスを構築する必要があるわけだ。
本来情報には目的がある。すでに集めた情報の中には結局のところ目的に合致しないものもあれば、時間が経過したことによって目的を終えてしまったもの。意味の無くなってしまったものもある。
シソーラスに対して時間的なものを導入しようとすると、必ずしも上下関係のあるカテゴリーよりはタグのほうが管理しやすいと考える。
また、目的の上下関係を超えて共有するようなタグもあるだろう。
ブリーフィング
ソフトウェア業界で働いていると、、、、というか、そんなに別の会社の状況を知っているわけではないんだけどメールに頼ってしまいがちだ。
余程の簡単なことでない限りメールで指示を出している。メールで指示を出す一つの目的はリマインダーの役目。実際問題、言った言わないの話が曖昧な記憶に頼ってしまうのは危険だと思っている。
ただ、本書で述べているようにお互いの顔を合わせての意思疎通。そこで初めて分かることも多い。
リマインダーはリマインダーとして、ブリーフィング後にメールを出せばいいんだけど、そこでメールを出すくらいなら最初からメールでいいじゃんというように思ってしまうんだけど、もしかしたらそれは効率化につながっていないのではないか?と最近強く思い始めた。
作業は出来るかもしれないけど、それが作業以上にならない。何時まで経っても自分の仕事にならずに、どこか他人ごとのように作業をしている。
自分自身の行動に関して、今一度見直すべきなんだろう。
“情報”というのは、収集・伝達・判断・保存そのどれもが難しく、だからこそちゃんと考えないといけない分野。自分自身の身の回りの情報ルートや記録の仕方は定期的に見直しをかけていかなければいけない。
めまぐるしく動くWebがあるからこそ、自分は今ここにいるのだし、これからもそうだ。