すぐ死ぬんだから

内館牧子著「すぐ死ぬんだから」をAudibleで読んだ

すぐ死ぬんだから

主人公は78歳の女性。
夫に先立たれた挙げ句に実は不倫されていて子供もいる。
そんな主人公の老後を描いた作品ではあるんだけれど、かなり主人公はひねくれている。

まぁ、この状況下ではひねくれないほうがおかしいのかもしれないけれど、基本的に相手に対して上位であり続けようとする姿を品格と問われると、うーんと思ってしまうのは正直なところ。

外見を磨くということを強く意識する主人公ではあるけれど、実際のところ主人公自身も昔からそうだったわけではない設定。

その中で相手をひたすらに罵倒し続ける情景というのはあまり読んでいて痛快だとは思わなかった。
それでもこの著作に対して痛快で気持ちいいという感想がつくというのは、それだけ共感を得ているということなんだろうか。

このあたりは、男と女の考え方の違いで私がそれに対して強く共感することが出来ていないのかもしれない。
どうなんだろう。

しかし、この主人公たちの設定年齢まで到達するのに私はあと約30年。
30年である。
ちょっと想像がつかない。

30年後、自分はどんな老人となっているのだろうか。
隣には妻はいるのだろうか。
どんなことを考えて日々を送っているのだろうか。

どんな形であれ、著作の中にあった「平気で生きている」というような心持ちで前を向いて生きていけるよう、今を生きていくしか無いんだろう。

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