形あるものと形なきもの

私の管轄しているプロジェクトではないのだが、別プロジェクトが火を吹いている。
なんでもお客様からの品質に関する要望に対して提出している書類が思うように理解されないというものだった。

最初からプロジェクトがつつがなく進行している場合は問題がないのだが、数度問題が発覚するとお客様側の担当者としても黙ってはおれず、チェックが厳しくなる。
ただ単にチェックが厳しくなっているだけならばそれほど問題ではないのだが、ソフトウェアに対する品質管理を担当したことがないお客様がチェックを厳しくしようとするのが結構問題なのだ。

まず、言葉が通じない。
一通り書類を書いたところで、言葉の定義を一つずつ教えていかないとその文書を読むことが出来ていない。普通なら「こんな感じかな~?」っていうニュアンスで乗り切るのだが、”疑いの目で品質チェックをしようとしている”お客様としてはそうはいかない。
もちろん、書き方の問題もある。一言”モジュールテスト”だとか”ユニットテスト”だとか言っても、ソフトウェア業界ですら会社によって言葉が何を指すのかがバラバラな状態であることをよく聞く。
このあたりは、いわゆる製造業だとかその他産業との歴史の差が出ているのかもしれない。ソフトウェアの品質管理においての業界標準となりえるとすれば、国際的にはISTQB規格。日本ではJSTQBになるのだろうか

JSTQB
http://jstqb.jp/

しかし、”ユニット”の定義に関して明確になっているわけでは無いんじゃないだろうか?正直なところJSTQBとろうと思ったことないから分からないのだが…。
ただ、いわゆる目に見える機械の”部品”と、ソフトウェアのプログラム上の”部品”とでは実際に手にすることが出来ない分、考え方を変えていかないといけない。

もっとも、お客様にそこまで疑問視されるようなところまでいっている時点で問題なんだけどね。
ただ、ソフトウェアの場合は目に見えないものであるがゆえに、別業界の人に説明する時、言葉に関しては最新の注意を払わないと余計なコストをひたすらにかけることになってしまうなぁ、と思った。
ただ…気をつけないとって言ったところで、自分がその矢面に立たされた時に乗り切れるだろうか?ちょっと考えてしまうなぁ

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